この記事では、マーケティング戦略について説明します。マーケティングとは、顧客ニーズや顧客満足を重視しながら、「買ってもらえる仕組み」を作る活動のことを指します。
ここではマーケティング戦略の立案の手順について、具体的な事例も絡めながら学べます。そのため、マーケティング戦略の立案に困っている方は、マーケティング戦略を立案することができるようになるため、必読です!
目次
1.マーケティング戦略とは
2.マーケティング戦略の立案6STEP
戦略立案のSTEP1 環境分析
戦略立案のSTEP2 マーケティング課題の特定
戦略立案のSTEP3 セグメンテーション、ターゲティング
戦略立案のSTEP4 ポジショニング
戦略立案のSTEP5 マーケティングミックス
戦略立案のSTEP6 実行計画の策定
3.マーケティング戦略立案の具体例
3-1 環境分析
3-2 マーケティング課題の特定
3-3 セグメンテーション、ターゲティング
3-4 コメダ珈琲のマーケティング戦略の結果
1.マーケティング戦略とは
マーケティング戦略とは、
・誰に
・何を(どのような価値を)
・どのようにして提供するのか
を決めることです。
マーケティングは、「買ってもらうための仕組み作り」を指します。そのため、マーケティング戦略は「商品やサービスを購入または継続利用してもらうための仕組みを作るために、誰に、何を、どのようにして提供するのか」を決めることだと認識することができます。
2.マーケティング戦略の立案6STEP
マーケティングの仕組みは非常に多岐にわたります。
顧客ニーズの汲み上げや、開発や生産、販売などと並行して、顧客にとって価値のある製品やサービスを提供する必要があります。
その戦略策定プロセスは6つのステップに分けられます。
・STEP1 環境分析
・STEP2 マーケティング課題の特定
・STEP3 セグメンテーション、ターゲティング
・STEP4 ポジショニング
・STEP5 マーケティングミックス
・STEP6 実行計画の策定
セグメンテーションやマーケティングミックスなど、横文字が多く、イメージがつきにくいと思います。しかし、マーケティング戦略を学ぶ上で、流れを把握することは重要ですので、順番に説明していきます。
戦略立案のSTEP1 環境分析
環境分析とは、自社を取り巻く社会要因や経済動向などの外部的環境と、自社内の資源や戦略、ブランド力などの内外両面を分析することです。
環境分析では、事業に影響を及ぼす周りの要因や環境を分析し、市場の機会や脅威を整理し、自社の短所や長所を確認します。
最初にマーケティング環境分析を行い、市場の自社製品シェアを広げる攻略の方向性を見出すことを目標とします。
外部環境と内部環境の二つの要素に分けることで、両面から環境を分析することができます。外部環境では、自社にとっての機会や脅威、内部環境では自社の強み・弱みを分析します。
環境分析で用いられるフレームワークは、「3C分析」、「PEST分析」、「SWOT分析」などがあります。
戦略立案のSTEP2 マーケティング課題の特定
マーケティング課題の特定とは、環境分析で導き出された課題を洗い出し、目標を明確にすることです。
マーケティング課題の特定では、マーケティング上での課題と目標を明確にします。環境分析で整理した機会や脅威、自社の特徴を踏まえた上での課題を洗い出します。
優先順位を設定することで、課題目標が鮮明になり、より効率的に資本を集中させることができます。このステップでは、最も効果的と思われる施策の検討を進めていきます。
マーケティング課題の特定についてのより詳しい説明は、コチラの記事を参考に!
戦略立案のSTEP3 セグメンテーション、ターゲティング
セグメンテーション、ターゲティングとは、市場を特定の顧客層の集団に分解し、その分割されたどのセグメントに対して焦点を当てるか決定することです。
セグメンテーションとターゲティングでは、市場をグループ分けして、どの顧客層に焦点を当てるか決定します。限られた経営資本を効率よく使うために、どのグループに注力してビジネス展開を行うのか見極めることで、市場を攻略する第一歩を踏み出せます。
ではどのように顧客層を分解し、アプローチ方法を考えるのが適切でしょうか。
男性や女性、 子供や学生、大人や高齢者といった固定された分解方法や、アプローチの方法を実行するのではなく、企業の提供する商品やサービスによって変えていくことが大切です。
セグメンテーションについてのより詳しい説明は、コチラの記事を参考に!
ターゲティングについてのより詳しい説明は、コチラの記事を参考に!
戦略立案のSTEP4 ポジショニング
ポジショニングとは、市場での競合他社との位置関係から、自社の差別化を行うことです。
自社や自社の商品、サービスが、競合他社の商品、サービスと比べてどのような位置づけになっているかを分析し、どのように位置づけられたいかを決定します。
STEP3とSTEP4では、「STP分析」というフレームワークが用いられます。セグメンテーションのS、ターゲティングのT、ポジショニングのPをつなげてSTPと呼ばれています。
戦略立案のSTEP5 マーケティングミックス
マーケティングミックスとは、有効な製品戦略や価格戦略など具体的な戦略を組み合わせることで、実行可能性を考えることです。
STPを決定した後には、「4P分析」を行い、製品戦略(Product)、価格戦略(Price)、流通戦略(Place)、販売促進戦略(Promotion)の具体的な戦略を組み合わせていきます。
4P分析では、自社目線に立って、マーケティングミックスを考えていますが、顧客目線に立って考える「4C分析」というフレームワークもあります。
4C分析とは、顧客にとっての価値(Customer Value)、顧客が払うお金(Cost)、顧客にとっての利便性(Convenience)、顧客とのコミュニケーション(Communication)を分析することで、顧客にとって価値を見極めていく分析方法です。
戦略立案のSTEP6 実行計画の策定
実行計画の策定とは、マーケティングミックス実行のための行動計画を策定し、予測損益計算書などの資料を用いて、戦略シナリオの仕組みと実行に移ることです。
3.マーケティング戦略立案の具体例
競合が激しいコーヒー店業界の代表例としてコメダ珈琲を例に、マーケティング戦略立案について見ていきます。
3-1 環境分析
外部環境ー機会・脅威
・喫茶店業界は競合が激しく、かつ成熟業界である
・セルフサービス型の喫茶店がほとんど
・セルフサービスによって、コストカットを極める競合
・コーヒーだけではない、セグメントごとのニーズの多様化
・スターバックスコーヒーなどでの「サードプレイス」
・「サードプレイス」でのノマドワーカーの流行
・「飲み」機会減少。代替需要としてカフェブーム
・席数確保のため、多少窮屈な作りの内装
内部環境ー強み・弱み
・「居心地の良さ」を提供し、ゆったりとした店内空間や雰囲気が特徴
・「フルサービス」が基本
・広めのスペースや新聞雑誌の設置
・「名古屋スタイル」での独自色(モーニングセットや豆菓子のサービス)
・都市部知名度なし (黎明期)
・「古臭いイメージ」と捉えられるリスク
・セルフサービス式と比較して、多少割高な値段設定
3-2 マーケティング課題の特定
コメダ珈琲の課題と目標
「街のリビングルーム」を目指し、居心地の良いくつろぎを提供する
問題背景
・セルフサービス式との差別化
・「居心地の良さ」への追及
・コンビニコーヒーの急進
→低価格戦略ではなく、高価値提供戦略
消費者のニーズに基づく戦略で、コメダ珈琲の提供価値を高める
3-3 セグメンテーション、ターゲティング
コメダ珈琲の主要ターゲット
おひとり様から複数名までのイートインの場として提供するだけでなく、交流の場として食事を楽しみたい方やおしゃべりを楽しみたい方など、多様なニーズにアプローチする。
3-4 コメダ珈琲のマーケティング戦略の結果
一般的にコメダ珈琲のようなゆとりある空間では、その居心地の良さから顧客が長時間滞在することが予測されます。また、ファストフード店のような提供スピードが求められているわけではなく、品質や味を求める顧客が多いと考えられます。
よって、多少提供スピードを犠牲にしてでも、自社製造のこだわりある製造パンを、モーニングサービスや豆菓子などと一緒に提供することで、顧客満足度にアプローチしていきます。
また、コメダ珈琲といえば「シロノワール」を思い浮かべる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもコーヒー店がデザートで有名というのは、少し不思議ですよね。コメダ珈琲はそうしたユニークさでも、絶妙なポジショニングで競合との差別化戦略を行った結果、売上を伸ばすことに成功しました。
まとめ
この記事では、マーケティング戦略と、戦略立案について、事例も交えながら説明しました。また、マーケティング戦略を策定するための6ステップと、必要なフレームワークもいくつか紹介しました。マーケティング戦略に困っている方は是非参考にしてください!
この記事で紹介した戦略を一から立案していくのは非常に大変です。
そこで、H&Kでは、マーケティング戦略コンサルを行っています。
興味がある方は、事例を資料化しておりますので、是非ダウンロードしてみてください。