Update.2024.01.12

商品企画はマーケティングの仕事なのか?商品開発プロセスを徹底解説!

資料をダウンロードする
まずは無料でご相談

はじめに

 

多くのマーケティング担当者に「あなたの仕事は何ですか?」と聞くと、大きく3つの方向性の回答が返ってきます。1つ目は「売上をあげること」。2つ目は「顧客満足度を高めること」。3つ目は「リサーチ」。

つまり、「商品開発プロセスにマーケティング視点で関わること」という回答はほとんど返ってきません。しかし、この記事の皆様は「それで良いのか?」という疑問はどこかでお持ちではないでしょうか?

本記事では商品開発プロセスにおいてマーケティング担当者がどう関わっていくのが良いのか、について徹底解説します。

 

株式会社H&Kは、マーケティングのコンサルティングをはじめ、国内で2社しかないHubSpotのDiamondパートナーとして、MAツールの導入支援/ 採用強化 / バックオフィスの自動化 / Webサイト制作 / システム開発などを行っています。お気軽にお問い合わせください

               新規CTA

 

Contents

     

     

    1.なぜ商品開発プロセスにマーケティング担当者が関わるケースが少ないのか?

    image2-3

    そもそも、商品開発プロセスにマーケティング担当者が関わるケースが少ないのは何故なのでしょうか?この章では、その理由を「組織の壁」「経営陣の理解」「過去からの経緯」の3つについて解説します。

    1.1.組織の壁

    まず1つ目の原因は「組織の壁」です。多くの組織では「マーケティング部は売上をつくるために広告を運用している部署でしょ」「マーケティング部は良くリサーチやってるよね」といった見られ方をしているケースが多く見られます。

    そもそもマーケティング部という組織の歴史が浅く、組織的な理解が得られてないのが要因の1つだと考えられます。

    一方で商品開発部にも「商品を開発するのは自分たち」という自負はあるでしょう。その自負を持っている部署・人たちに「君たちはマーケットのこと分かってないでしょ」と言えば当然部門間の壁ができて協力体制が組めなくなります。

    こうして組織の壁ができてしまい商品開発プロセスにマーケティング部が関わる機会が奪われている組織が多いのが現状でしょう。

    1.2.経営陣の理解

    2つ目の原因は「経営陣の理解」です。特に日本はマーケティングリテラシーが低いと言われています。もちろん本を読む程度の理解はあるでしょうが、経営実務に落とし込めている経営陣は少ないでしょう。上記の通り、そもそもマーケティング部の歴史が浅いので、経営陣にマーケティングに詳しい人がいないのも要因の1つでしょう。

    とは言え経営陣に対して「マーケティングの勉強をしてください」とは言えるはずもなく、せいぜいマーケティング部長が勇気をだして「商品開発部の協力をしたいです」「商品開発プロセスに関わらせてください」と上申するぐらいしかできないでしょう。

    しかし、マーケティング部担当役員はもともと営業畑出身なのに対して、商品開発部担当役員は技術畑出身のケースが多く役員間の調整が必要となるので、意思決定できるのは社長しかいないでしょう。

    こうして経営陣の調整ができず商品開発プロセスにマーケティング部が関わる機会が少なくなるのでしょう。

    1.3.過去からの経緯

    商品開発部はそもそも歴史が長いのに対してマーケティング部の歴史は浅いです。商品開発プロセスにマーケティング部が関わることは「商品開発部の仕事を奪う」と思われ兼ねない自体です。

    日本全体でマーケティングの歴史が浅く、「マーケティング」という言葉から「デジタルマーケティング」や「Webマーケティング」という言葉は想起されても「商品開発」は想起されない文化があると思います。その文化がそのまま組織文化にも反映されていると言えるでしょう。

    2.基本的なマーケティングフレームワークから読み解く

    image5-2

    それでは、どうしたら解決できるのかを解説する前に、「マーケティング担当者が商品開発プロセスに関わった方が良い」根拠のベースとなる概念とフレームワークを共有します。

    2.1.「4P分析」「4C分析」

    マーケティング分析の代表的なフレームワークとして、まずは4P分析と4C分析をご紹介します。どちらも概念的には近しい概念ですが、4P分析が自社視点で分析するのに対して、4C分析は顧客視点で分析するフレームワークとなっています。どちらが正解という事はなく目的に合わせて使い分けるのが大切で、4P分析は商品分析にフォーカスをする場合に適しており、4C分析は顧客との関係性を分析するのに適しています。

     

    ■4P分析

    4P分析は、商品マーケティングにおける基本的なツールであり、マーケティング戦略を構築するためのフレームワークです。この分析は、商品やサービスのマーケティングに関連する4つの要素を評価し、戦略立案や計画に役立てることを目的としています。4Pとは、以下の要素を指します。

    【Product(商品)】

    提供する商品やサービスに焦点を当てます。商品の特徴や利点、品質、ブランド、デザインなどが含まれます。顧客のニーズや要求にどのように対応するかを考慮し、競合他社との差別化を図ることが重要です。

    【Price(価格)】

    商品やサービスの価格設定を評価します。価格は顧客の購買意欲や商品の価値に影響を与える重要な要素です。適切な価格設定により、市場での競争力を保ちながら、利益を最大化することを目指します。

    【Place(流通)】

    商品を顧客に届けるための流通チャネルを評価します。販売地域や販売ポイント、流通パートナーの選定などが含まれます。適切な流通戦略により、商品の効率的な流通と顧客へのアクセスを確保します。

    【Promotion(販売促進)】

    商品の認知度を高め、顧客の購買意欲を刺激するためのプロモーション活動を評価します。広告、セールスプロモーション、デジタルマーケティング、パブリックリレーションなどが含まれます。適切なプロモーション戦略により、商品の知名度を向上させ、市場での競争に勝利することが狙いです。

     

    4P分析は、マーケティング担当者が商品を市場に導入する際に、顧客の視点から考え、戦略を立案する上で非常に有用なツールです。この分析を通じて、商品やサービスの競争力を高め、顧客のニーズを満たす戦略的なアプローチを実現することが可能となります。

    この概念からも商品開発プロセスにマーケティング担当者が関わった方がよいことが分かります。

     

    ■4C分析

    4C分析は、マーケティング分析の手法の一つで、顧客中心の視点から市場や商品・サービスの特性を理解し、戦略を立てるために用いられます。4C分析は、4つの要素を評価することに焦点を当てています。これらの要素は、Customer(顧客)、Cost(コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取って4C分析と呼ばれています。

    【Customer(顧客)】

    ターゲット市場の顧客についての理解を深めます。顧客のニーズや要求、購買行動、好み、特性などを分析し、ターゲット層を把握します。顧客の視点から商品やサービスを見ることで、彼らがどのような価値を求めているかを理解します。

    【Cost(コスト)】

    商品やサービスの提供にかかるコストを評価します。価格設定、製造コスト、流通コスト、販売コストなど、ビジネスに関連する費用を分析します。顧客との価値提供を考慮しつつ、収益性を確保するために重要な要素です。

    【Convenience(利便性)】

    顧客が商品やサービスを利用する際の利便性を評価します。購入までの手順の簡易性やアクセスのしやすさ、提供される付加価値など、顧客体験に影響を与える要因を考慮します。利便性の向上は顧客の満足度を高める上で重要です。

    【Communication(コミュニケーション)】

    商品やサービスを顧客に適切に伝えるためのコミュニケーション戦略を評価します。広告、プロモーション、販売促進などのコミュニケーション手段を検討し、ターゲット層に対して適切なメッセージを伝える方法を考えます。

     

    4C分析を行うことで、顧客にとって魅力的な商品やサービスを提供するための戦略を立てることができます。マーケティング活動の効果的な計画立案や市場調査に役立ちます。

    2.2.「リーンスタートアップ」

    リーンスタートアップ(Lean Startup)は、新しいビジネスや製品の開発において、最小限のリソースで迅速に試行錯誤を行いながら、顧客のニーズを理解し、持続可能なビジネスモデルを構築する手法や哲学です。エリック・リース(Eric Ries)によって提唱されました。

    リーンスタートアップの主な特徴や原則は以下のようになります。

    【最小限のバイアスでテストする】

    リーンスタートアップでは、製品やサービスの仮説を最小限のリソースで検証することが重要です。具体的には、プロトタイプやMVP(Minimum Viable Product)を早期にリリースし、顧客のフィードバックを収集します。

    【Build-Measure-Learnループ】

    リーンスタートアップでは、Build(開発)→Measure(測定)→Learn(学習)のサイクルを短期間で回すことが重視されます。これにより、素早く改善点を特定し、ビジネスモデルの最適化を図ります。

    【顧客中心のアプローチ】

    顧客のニーズや要求を理解し、それに基づいて製品を開発することを重視します。顧客のフィードバックを取り入れることで、より適切な製品を提供できるように努めます。

    【ピボット(Pivot)】

    リーンスタートアップでは、初期のアプローチが成功しない場合でも、柔軟に方向転換することを容認します。新たなアイデアや戦略を取り入れることで、ビジネスの成功を目指します。

    【イノベーションの加速】

    短期間で様々なアイデアをテストすることで、イノベーションを加速させます。失敗から学び、改善を繰り返すことで、効率的に成長を遂げることができます。

     

    リーンスタートアップの手法は、特に新興のスタートアップ企業や新規事業の立ち上げに適しています。リソースが限られている場合や不確実性が高い状況でも、迅速かつ効果的なビジネスの構築と成長を可能にします。

    2.3.「SWOT分析」

    市場分析の代表的なフレームワークである「SWOT分析(スウォット)」について紹介します。

    SWOT分析は、組織やプロジェクト、製品、個人などの内部・外部環境を評価するための戦略的な分析手法の一つです。SWOTはStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取った言葉で表されます。

    SWOT分析では、以下の要素を評価しています。

    【強み(Strengths)】

    組織やプロジェクトなどの内部的な良い側面や優位性があります。例えば、優れた技術、優秀な従業員、強力なブランドイメージなどが含まれます。

    【弱み(Weaknesses)】

    組織やプロジェクトの内部的な問題点や課題があります。例えば、不十分なリソース、過度に依存している供給源、経験不足などが該当します。

    【機会(Opportunities)】

    組織やプロジェクトが成長や成功を達成できる外部のポジティブな要素が存在します。市場の成長、新しい需要の発見、競合他社の弱点などが挙げられます。

    【脅威(Threats)】

    組織やプロジェクトが直面する外部のネガティブな要素や障害があります。競合他社の台頭、経済的な不安定、規制の変更などが該当します。

     

    SWOT分析は、これらの要素を組み合わせて内部と外部の環境を理解し、適切な戦略や行動プランを立てる際に役立ちます。組織の強みを活かし、弱みを改善し、機会を迅速につかみ、脅威に対処するための戦略的な意思決定に用いられます。

    新規CTA

    3.本来の商品開発プロセスにおけるマーケティング担当者の5つの役割

    image3-2

    本来の商品開発プロセスにおいてマーケティング担当者はどんな役割を果たすべきなのか、本章では5つの役割について解説します。

    3.1.市場分析とプロダクトコンセプト

    市場分析とプロダクトコンセプトは、新しい商品やサービスを企画・開発・導入する際に重要な要素です。それぞれの意味と関係について説明します。

     

    ■市場分析

    市場分析は、特定の商品やサービスを導入する前に、市場の状況と顧客のニーズを理解するための調査と分析のプロセスです。主な目的は、ターゲット市場の規模、成長率、競合他社の状況、顧客の要求や好みなどの情報を把握することです。

    市場分析の手法には、市場調査、顧客インタビュー、競合他社の分析、市場動向の監視などが含まれます。これらのデータと洞察を基に、新しい商品やサービスがどのような需要があるのか、どのようなターゲット層に焦点を当てるべきなのかなどを把握し、戦略の立案に活用します。

     

    ■プロダクトコンセプト

    プロダクトコンセプトは、新しい商品やサービスのアイデアやコンセプトを記述したものです。これは商品やサービスの基本的な概念を示し、どのような価値を提供するか、どのような問題を解決するか、どのような特徴や利点を持っているかなどを明確にします。

    プロダクトコンセプトは、商品開発の初期段階で起草されることが一般的であり、詳細な製品仕様書や計画とは異なります。それは商品のイメージやビジョンを共有し、関係者や意思決定者が共通の理解を持つためのツールとして利用されます。

     

    ■市場分析とプロダクトコンセプトの関係

    市場分析はプロダクトコンセプトの立案において重要な前提となります。市場分析によって得られる市場の洞察や顧客のニーズは、プロダクトコンセプトの内容や方向性に影響を与えるからです。市場分析の結果を踏まえて、顧客が求める価値や解決すべき問題を反映した魅力的なプロダクトコンセプトを作成することが重要です。そして、その後の商品開発やマーケティング戦略の基盤として活用することになります。

    3.2.ターゲット市場とペルソナの設定

    次にやるのはターゲット市場とペルソナの設定です。ターゲット市場をより具体的に理解し、効果的なマーケティング戦略を策定するために使用されます。

     

    【ターゲット市場(Target Market)】

    ターゲット市場とは、あなたの商品やサービスを主に販売・提供することを意図した、特定の顧客グループやセグメントのことを指します。例えば、あなたが特定の年齢層、性別、地理的地域、興味関心、収入層などを持つ一定の消費者に焦点を当てている場合、それがターゲット市場となります。

    ターゲット市場を設定する際には、市場調査やデータ分析を行い、顧客のニーズや要求、競合状況、市場の成長性などを考慮して選定します。ターゲット市場を明確にすることで、マーケティング活動をより効果的に展開し、効率的なリソース配分が可能となります。

     

    【ペルソナ(Persona)】

    ペルソナは、ターゲット市場の中でも特定の代表的な消費者像や架空のキャラクターを想定して作成される顧客プロファイルです。ペルソナはより具体的なイメージとして、ターゲット市場の個々の顧客を象徴するような人物像として表現されます。

    ペルソナは一般的に、名前、年齢、職業、趣味、家族構成、行動パターン、ニーズや課題、購買行動など、多くの詳細な情報で構築されます。これにより、マーケティングチームや製品開発チームは、具体的な顧客像に基づいて戦略を立案し、商品やサービスをよりターゲット市場に適したものとすることが可能になります。

     

    ペルソナはリアルな顧客に基づいている場合もあれば、市場調査やデータ分析を元に想定されたものもあります。ペルソナを持つことで、ターゲット市場に焦点を絞ったターゲティングやカスタマイズされたメッセージングを行うことができ、顧客とのつながりを強化し、マーケティング効果を高めることができます。

    3.3.テストマーケティング

    テストマーケティングは、新しい商品やサービスを正式に市場に導入する前に、限られた範囲で実施される小規模な市場テストのことを指します。その主な目的は、本格的な商品ローンチ前に商品やマーケティング戦略の評価や修正を行い、リスクを最小限に抑えながら市場投入の成功確率を高めることです。

    テストマーケティングの手順は一般的に以下のようになります。

    【ターゲット市場の選定】

    テストマーケティングを行う範囲や地域を選定します。通常、本格的なローンチを予定しているターゲット市場と似たような特性を持つ地域が選ばれます。

    【商品やサービスの提供】

    評価したい商品やサービスを選定し、テスト市場で提供します。製品のバージョン、価格設定、パッケージングなどもテストの対象となります。

    【マーケティング戦略の実施】

    テストマーケティングでは、本格的なマーケティング活動の一部を実施します。これには広告、プロモーション、販売促進、デジタルマーケティングなどが含まれます。

    【データ収集と分析】

    テストマーケティングの期間中にデータを収集し、商品の受け入れや消費者の反応、売上データなどを分析します。これにより、商品の評価や市場への受け入れ度を把握します。

    【レビューと改善】

    収集したデータをもとに、商品やマーケティング戦略に対する改善点を特定し、修正を行います。必要に応じて価格の変更、広告の修正、商品の機能追加などを行うことがあります。

     

    テストマーケティングは、市場投入前の評価と修正を行うため、企業にとって重要な戦略的手段となります。実際の市場状況での評価を経て、商品やサービスの改善や最適化を行い、より成功確率の高いローンチを実現することができます。また、競合他社との差別化やマーケティング戦略の効果を検証するためにも有用な手法です。

     

    3.4.ローンチ

    ローンチ(Launch)は、新しい商品やサービスを正式に市場に導入することを意味します。これは、商品やサービスが顧客に提供され、販売が始まる瞬間を指します。ローンチは商品の開発やマーケティング戦略の結果を集大成し、市場に向けて公式にリリースするタイミングとなります。

    ローンチの段階では、以下のような活動が行われます。

    【マーケティング活動】

    ローンチの前後に広告、プロモーション、デジタルマーケティング、SNSキャンペーンなどのマーケティング活動が実施されます。これにより、ターゲット市場に対して商品やサービスの存在をアピールし、関心を高めることを目指します。

    【販売戦略】

    ローンチ時には適切な販売戦略が立てられます。販売チャネルの選定や流通戦略、価格設定などが検討され、商品の効果的な市場投入をサポートします。

    【イベントやプレゼンテーション】

    特に大規模なローンチの場合、商品やサービスをPRするイベントやプレゼンテーションが行われることがあります。関係者やメディア、顧客に対して直接アピールする機会を提供します。

    【フィードバックと改善】

    ローンチ後には顧客からのフィードバックを収集し、商品やサービスの改善に活用することが重要です。顧客の反応を把握し、改良を加えて顧客満足度を向上させることが継続的な成長に繋がります。

     

    ローンチは新しい商品やサービスにとって非常に重要なステップであり、市場への受け入れや成功に大きく影響を与えることがあります。適切な戦略と計画に基づいてローンチを行い、顧客のニーズに合った魅力的な商品を提供することが、成功につながる鍵となります。

    3.5.市場からのフィードバックの共有

    市場からのフィードバックの共有は、企業や組織にとって重要な活動です。市場からのフィードバックは、顧客の意見や要望、商品やサービスの評価、競合情報などの貴重な情報源となります。この情報を内部の関係者と共有し、適切に活用することで、商品やサービスの改善、戦略の見直し、顧客満足度の向上などに役立てることができます。

    以下は、市場からのフィードバックを共有するための一般的な手法とアプローチです。

    【内部会議や報告書】

    マーケティングチームや商品開発チームなどの関係者との定期的な会議や報告書を通じて、市場からのフィードバックを共有します。顧客の声やニーズ、競合他社の動向などを具体的に示し、関係者が最新の情報にアクセスできるようにします。

    【フィードバックダッシュボード】

    フィードバックを収集・分析するためのダッシュボードを導入し、関係者がリアルタイムでフィードバックを把握できるようにします。データの視覚化により、洞察を把握しやすくし、意思決定に役立てます。

    【顧客サポートへのフィードバック伝達】

    顧客サポート担当者が受け取った顧客の要望や問題点を適切な部門や関係者に伝えることで、迅速な対応や改善が可能となります。

    【チーム間コラボレーション】

    異なる部門間でのコミュニケーションやコラボレーションを促進し、市場からのフィードバックを全体の戦略に反映させます。

    【社内教育やトレーニング】

    社内の関係者に対して、市場からのフィードバックの重要性や活用方法についての教育やトレーニングを行います。情報共有の文化を醸成し、フィードバックをフル活用する意識を高めます。

     

    市場からのフィードバックの共有は、企業の成長と競争力を向上させるために欠かせない活動です。顧客とのコミュニケーションを大切にし、フィードバックを受け入れる姿勢を持つことで、持続的な成功につながるでしょう。

    新規CTA

    4.商品開発プロセスにマーケティング担当者が関わる方法

    image4

    上記のような役割を発揮するにはマーケティング担当者はどのような方法で商品開発プロセスに関わるのが良いのでしょうか?その方法について本章では解説します。

    4.1.顧客の声や市場調査データを商品開発部へフィードバックする

    顧客の声や市場調査データを商品開発部へフィードバックすることは、製品やサービスの改善や新たな商品の開発において非常に重要なプロセスです。これらの情報は、商品開発部にとって貴重な洞察や意見であり、顧客のニーズを正確に把握し、市場の要求に応えるための基盤となります。

    以下は、顧客の声や市場調査データを商品開発部へフィードバックする際の一般的な手順です。

    【データの収集と整理】

    まず、顧客の声や市場調査データを収集し、整理します。顧客からのフィードバックは、顧客サポートのチームやSNS、アンケートなどから得られる場合があります。市場調査データは、市場調査会社のレポートやオンライン調査などで得られます。これらの情報を体系的に整理し、関連するテーマやトピックごとに分類します。

    【洞察の抽出】

    収集したデータから、顧客のニーズや要望、商品に対する評価や改善点などの洞察を抽出します。顧客の声から直接的な要望だけでなく、間接的なニーズや隠れた課題を見つけることも重要です。

    【フィードバックの作成】

    洞察を基に、商品開発部にフィードバックを作成します。具体的なデータや引用を交えて、顧客の声や市場の現状を具体的に示し、どのような改善や対応が必要かを明確に伝えます。

    【コミュニケーションの確立】

    商品開発部とのコミュニケーションを確立し、フィードバックを適切に伝えることが重要です。定期的なミーティングや報告書、電子メールなどを活用して、データや洞察を共有します。

    【改善と新商品開発】

    商品開発部が受け取ったフィードバックを元に、既存の商品の改善や新たな商品の開発を行います。顧客の要求や市場の要件に合った製品を開発するため、フィードバックを有効活用することが重要です。

     

    商品開発部と顧客の声との密接な連携は、競争力のある商品やサービスを提供するために欠かせない要素です。顧客のニーズに敏感であること、市場動向に適応する能力が高いことが、企業の成長につながります。

    4.2.新商品アイデアを社内プレゼンする

    新商品アイデアを社内プレゼンする際には、以下のステップを考慮して、効果的なプレゼンテーションを行うことが重要です。

    【背景の共有】

    まず、新商品アイデアの背景や必要性を説明します。なぜその商品が必要なのか、どのような市場のニーズや顧客の要望に応えるのかを明確に示しましょう。

    【アイデアの詳細】

    商品のアイデアやコンセプトを具体的に説明します。どのような特徴や機能があるのか、どのようなメリットや競合優位性があるのかを明確に伝えます。

    【ターゲット市場とペルソナ】

    商品の対象となるターゲット市場やペルソナを明確に示し、誰に対してどのような価値を提供するのかを説明します。顧客のニーズや好みに焦点を当てて、商品のマーケットフィットを示します。

    【市場分析】

    市場の状況や競合他社の動向などの市場分析を行い、なぜその商品が市場に適しているのかを示します。市場のトレンドや需要の変化などを考慮し、商品の戦略的な位置付けを強調します。

    【ビジネスケース】

    商品の開発やローンチにかかる予算や費用、売上予測、利益率などのビジネスケースを提示します。商品の投資対効果や収益性を示し、企画の妥当性を裏付けます。

    【マーケティング戦略】

    商品のローンチや販売促進に向けたマーケティング戦略を説明します。広告、プロモーション、販売チャネルなど、商品のマーケティングプランを詳細に示しましょう。

    【プレゼンテーション資料】

    上記の情報をまとめたプレゼンテーション資料を用意し、分かりやすく整理します。視覚的な要素やグラフ、図表を活用して、情報をより明確に伝えます。

    【質疑応答】

    プレゼンテーション後に質疑応答の時間を設け、参加者からの質問やフィードバックに対応します。意見交換を通じて、アイデアをより洗練させることができます。

     

    新商品アイデアを社内プレゼンする際には、熱意を持って自信を持ってプレゼンすることが大切です。明確なコミュニケーションとデータに基づいた説明で、商品の魅力や市場への受け入れを説得力を持って伝えることが成功の鍵となります。

    4.3.小売・流通に競合商品の評価を聞いて商品開発部へフィードバックする

    小売・流通に競合商品の評価を聞くことは、商品開発部にとって重要な情報源となります。競合商品の評価を収集し、商品開発部にフィードバックすることで、自社の商品開発やマーケティング戦略をより洗練させることができます。

    以下は、競合商品の評価を聞き、商品開発部へフィードバックするための手順です。

    【競合商品の調査】

    まず、競合商品に関する調査を行います。競合他社の商品やサービスをリサーチし、価格設定、特徴、機能、パッケージング、販売戦略などの情報を収集します。

    【リテールや流通との接触】

    小売店や流通業者と接触し、競合商品に関する評価を聞きます。特定の競合商品についてのみならず、業界全体の動向やトレンドについても意見を求めることが重要です。

    【フィードバックの収集】

    競合商品に関するフィードバックを収集します。競合商品の良い点や優位性、改善すべき点や不満点、顧客の反応などを聞き取ります。

    【フィードバックの整理】

    収集したフィードバックを整理し、共通する傾向やパターンを把握します。フィードバックの具体的な内容や洞察を商品開発部に伝えるために、要点をまとめます。

    【商品開発部への報告】

    商品開発部との会議や報告書を通じて、競合商品の評価とフィードバックを伝えます。フィードバックを元に、自社の商品の改善や競合優位性の確立につなげるための戦略を検討します。

    【継続的なモニタリング】

    競合商品に関するフィードバックを継続的にモニタリングし、市場の変化に適応して戦略を見直します。競合分析を通じて、自社の商品の強化や差別化を図ることが重要です。

     

    競合商品の評価を聞くことで、自社の商品やサービスの強みや改善点を把握し、競争力を高めることができます。競合分析を通じて、市場での立ち位置を理解し、顧客にとってより魅力的な商品開発やマーケティングを実現することが目指せます。

    5.まとめ

    image6-4

    いかがだったでしょうか?本記事は、マーケティングの役割として商品企画としての側面が日本ではあまりにも意識が低いことに対する、ある種の問題提起です。この記事を読んだマーケティング担当者が積極的に商品開発プロセスに関わって協力な商品・サービスを世に出していくきっかけになれば幸いです。

     

    株式会社H&Kは、マーケティングのコンサルティングをはじめ、国内で2社しかないHubSpotのDiamondパートナーとして、MAツールの導入支援/ 採用強化 / バックオフィスの自動化 / Webサイト制作 / システム開発などを行っています。お気軽にお問い合わせください新規CTA

     

     

    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。