Update.2024.06.06

【図解付き】ファネル分析とは?ファネル分析のやり方を3STEPで紹介

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マーケティング担当者であれば、「ファネル分析」という言葉をほとんどの方が聞いたことがあると思います。ただ、「ファネル分析」について、言葉は知っているものの詳しくは知らないという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、ファネル分析について理解し実際に応用できるようになるために、ファネル分析の意味や種類、メリット、ファネル分析のやり方、ファネル分析に役立つツールについて解説していきます。

 

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Contents

     

    ファネル分析とは?

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    マーケティングにおける分析手法のひとつです。「商品を購入する」「サービスの申し込みをする」「資料の請求をする」など、各企業がそれぞれ設定したコンバージョン(CV、最終的な成果)に至るまでの顧客の行動プロセスを分解し、CVにつながる顧客の購買行動、およびCVに至らなかった顧客が離脱するプロセスとその離脱率を測定して改善を図ります。

    ファネル分析の意味

    「ファネル」は、液体や粉末を小さな容器に注入したり、ろ紙を使って濾過したりするときに使われる円錐状の器具「漏斗(ろうと)」のことです。この形が購買プロセスごとのユーザーの意識と人数の変化を示した図に似ていることから、前出の分析方法をファネル分析と呼ぶようになりました。

     

    顧客の行動を理解する手法には、ペルソナやカスタマージャーニーもありますが、これらは顧客接点ごとの顧客満足度や対策を探るのに有効です。

     

    一方のファネル分析は、顧客のアクション全体を把握する際に役立ちます。概してファネル分析とは、顧客理解と共に、マーケティング全体のボトルネックや、施策別のコンバージョン改善に有効な分析手法といえます。

    ファネル分析を活用すべきケース

    ファネル分析は、購買に至るまでのプロセスが長く、課題抽出がしづらい場合に活用すべき手段です。

     

    主に購入金額が大きいBtoC領域や、認知〜購買に至るまでのフェーズが長いBtoB領域で活用されることが多く、企業の営業活動や採用活動などのゴール(契約・内定)までの道のりが長い場合でも、ファネル分析を使えば離脱ポイントになっているフェーズを特定することができます。

     

    また、サブスクリプションのビジネスの場合は、契約後の継続率まで追わなければいけないため、ファネル分析はこのようなフェーズが長くなりがちなビジネスの分析に向いている手法の一つです。

     

    ファネル分析の種類とは?

    ファネル分析の種類は

     

    ・パーチェスファネル、
    ・インフルエンスファネル、
    ・ダブルファネル

     

    の3つに分けられます。

    以下ではそれぞれのファネルについて解説していきます。

     

    1. パーチェスファネル

    パーチェスファネルとは、ユーザーが商品やサービスを認知してから購買に至るまでの心理変化を示す「AIDMAモデル」から生まれた考え方で、マーケティングにおける「ファネル」として広く認識されているものです。

     

    AIDMAモデルとは、ユーザーの購買までの流れを

     

    ・Attention(認知)
    ・Interest(興味・関心)
    ・Desire(欲求)
    ・Memory(記憶)
    ・Action(行動)

     

    の5つに分類し、それぞれの頭文字を取ったもの。1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した消費行動モデルです。

     

    パーチェスファネルを使う場合、初めに自社サービスの目的に合ったコンバージョンを設定します。

    1. インフルエンスファネル

    インフルエンスファネルとは、コンバージョン後のユーザーの行動を図式化し、分析するモデルです。近年、購入した商品やサービスのレビューをSNSなどでシェアするユーザーが増え、一人ひとりのインフルエンサーとしての影響力が高まったことから、コンバージョン後の行動が重視されるようになりました。

     

    インフルエンスファネルは、インターネットの普及に伴う消費行動の変化を受け、「AIDMAモデル」に変わる形として電通が提唱した「AISAS」に近い考え方です。

    AISASとは、消費者の購買までの流れを、

     

    • ・Attention(認知)
    • ・Interest(興味・関心)
    • ・Search(検索)
    • ・Action(行動)
    • ・Share(共有)

     

    の5つに分類し、それぞれの頭文字を取ったものです。コンバージョンである「Action」の前に「Search」、後に「Share」が入るのがAIDMAモデルと大きく異なります。

     

    1. ダブルファネル

    ダブルファネルとは、コンバージョンファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。

    商品を購入した既存顧客が拡散した情報によって新規顧客を獲得する、プラスのループを目指しています。

     

    ファネル分析のメリットとは?

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    ファネル分析を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下では3つに分けて解説していきます。

    1. 顧客の離脱ポイントがわかる

    ファネル分析では、フェーズ内で一番多く顧客が離脱するポイントの明確化が可能です。それにより、優先的に改善すべきポイントが明確になります。また、どれくらい離脱しているかといった離脱率もわかり、離脱した原因や満足していない理由の仮説を立てられるので、効率よくPDCAを回すことができ、効果的なマーケティング活動を実現するのです。

     

    2.効率的にCVRを高めることができる

    どのフェーズに問題があるか、改善すべきかを高い精度で把握できるので、効率よくコンバージョン率を上げられます。また、CVに至らなかった顧客の分析だけではなく、CVに至った顧客のペルソナや、購買心理の変遷なども確認できるのもメリットと言えるでしょう。

     

    3.ファネル分析はBtoBに向いている

    ファネル分析は、CVに至るまでの過程が、直線的である場合に有効な分析手法です。そのため、BtoCよりもBtoBのマーケティング分析に適しているとされています。

     

    BtoCの場合、一部の例外(:購入金額が大きいBtoC領域)はありますが、基本的に購入までのBtoBに比べ、プロセスが複雑です。

     

    例えば、家電の商品ページを検索していたユーザーが、家具の広告をクリックしてサイトを離脱し、複数のサイトを閲覧してから、再び家電のページに戻って購入するケースも少なくありません。このように、BtoC領域では 購入プロセスが多岐に渡り、商品・サービスの種類や、ユーザーの性・年代などによっても、購買行動に差が出ることがあります。

     

    一方BtoBの場合は、社内の複数の人や部署で充分検討された後に、製品・サービスの購入や使用の意思決定がなされます。このようにCVまでのプロセスが一直線なので、ファネル分析はBtoCよりもBtoBの企業で効果的に用いられている分析方法です。



    ファネル分析のやり方とは?

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    以上ではファネルの種類やファネル分析のメリットについて解説してきました。

    では、実際にどのようにしてファネル分析を行なっていくのでしょうか。

    その方法について以下では解説していきます。

     

    STEP1 利用するファネルの選択

    まず、分析に用いるファネルを選びます。例えば、キャンペーンのLPなどのファネル分析を行う場合に、コンバージョンを資料請求と設定するなら、標準型のパーチェスファネルを選びましょう。

     

    BtoBにおける継続利用やLTVの最大化を狙うなら、インフルエンスファネルやダブルファネルが適しています。

     

    また、既存顧客を活用して新規顧客獲得を狙うなら、ダブルファネルが有効です。ファネルは、目的に応じて選ぶようにしましょう。

    STEP2 顧客アクションの分類

    次に、CVに至るまでの顧客のアクションを、各フェーズに振り分け・分類を行います。BtoBマーケティングで顧客獲得をCVとするなら、見込み客の獲得(リードジェネレーション)⇒見込み客の育成(リードナーチャリング)⇒顧客獲得のように、フェーズを分類することが可能です。

    最初の「見込み客の獲得」フェーズでは、リードを獲得して見込み客を増やすために、製品やサービスの認知を上げ、興味・関心を拡大させる対策を行います。主に、ネット広告やSNS、セミナーなどで、幅広くリードを獲得することが目的です。

     

    続く「見込み客の育成」は、顧客のニーズを顕在化させ、CVにつなげていくフェーズです。競合との比較における優位性のアピールや同業他社事例の紹介など、顧客が製品やサービスを導入した場合のベネフィットを訴求します。

     

    この段階では、理解度や関心度などにより顧客をセグメントすることが重要で、ステップメールやSNSによる情報配信、セミナー等のイベントで、アプローチする方法が一般的です。。

     

    最後の「顧客獲得」では、アポイントや商談に結びつけることや、実際に製品やサービスを購入してもらうことをゴールに設定します。導入後のイメージや課題解決方法など、顧客目線に立ったベネフィットを提供することでゴールへのアプローチが可能です。

    STEP3 課題と改善策の検討

    各フェーズごとに顧客のアクションを振り分けたあとは、離脱率が高いポイントを見極め、原因を検討します。予想していた場所と違うところで離脱が多いなど、想定外の問題が起きている場合も必ずチェックするようにしましょう。

     

    また、ファネル分析は、ツールを活用すると効率的に行うことができます。Webサイトのファネル分析なら、Googleアナリティクスを使うと、各ページのPVやUU、別ページへの遷移数など、ファネル分析に必要な数値を計測することができます。このほか、MAツールやHubSpotなど、他の機能も利用できるツールもあるので、有効活用するようにしましょう。



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    ファネル分析に役立つツールとは?

     

    ファネル分析は、図でも示したように手動で作成する方法もありますが、実際の顧客の推移や行動を手動で分析するには限界があります。

     

    以下では、ファネル分析を自動で行い、どこで顧客の離脱が起きているのかを把握できるツールをご紹介します。

     

     Googleアナリティクス(ga4)|無料ツール

     

     

    Googleが提供する無料のアクセス解析ツールの「Googleアナリティクス(通称ga4)」は、Webサイトの流入数やチャネル、閲覧時間、離脱率などを確認することができます。ファネル分析を行える機能も搭載しており、「目標到達プロセス」を利用すると、ユーザーの離脱がどのステップで起こっているのかの確認が可能です。

     

    画像は、顧客のページビューについて分析したファネルレポートの例をあげています。

    どのページを最初に閲覧したのか、その次に閲覧したページはどこなのか、実際にコンバージョンが起きた人数はどのようになっているのかを細かく分析することが可能です。

     

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    HubSpot|カスタム性の高い多機能ツール

    HubSpotは、2006年にアメリカで設立されたHubspot社が提供するMA、SFA、CRMの機能を網羅するAI搭載のカスタマープラットフォームです。

     

    HubSpotでは、獲得した顧客情報をより柔軟に分析することが可能で、マーケティングや営業におけるCVまでのフェーズを自由に設定し、各フェーズ間の推移率を分析することができます。

     

    画像は、リードとして流入してきた顧客の温度感によってCVRを計測したもので、この結果をもとに各フェーズの施策についての分析や顧客の確度を高めるために用いることができます。

     

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    まとめ

    本記事では、ファネル分析の基本的な定義から種類、分析ツールを活用事例も含めて解説しました。

     

    ファネル分析とは、顧客アクションの各フェーズにおける離脱ポイントや、離脱原因を探る分析手法です。離脱率が高いフェーズをボトルネックとすることで、優先的に検証・改善施策を行うことができ、コンバージョン率を効率的に向上できるメリットがあります。

     

    また、ファネル分析を行うには、3種類ある手法の中から、目的に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。その後、顧客アクションのフェーズ分けをして、それぞれ離脱状況の分析を行いますが、ツールを利用すると効率的に実施することが可能です。

     

    ファネル分析を上手く活用することで、消費者の購買行動やプロセスの中に隠れた課題の把握が可能となり、自社の運営を様々な視点から改善・発展させられるでしょう。

     

    営業活動やデジタルマーケティングといった領域によってもファネル分析の運用方法は変わるので、さっそく自社に投影して活用してみてください。

     

    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。