はじめに
メールマーケティングは数あるマーケティング施策の中で最も普及している施策だと言えます。その理由は、コミュニケーションツールとして最も普及している手段であること、マーケティング施策の中で最も費用対効果の高い施策であること等が考えられます。
本記事では、その最も普及している施策であるメールマーケティングについてご紹介します。
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1.メールマーケティングとは?
1.1.メールマーケティングの定義
メールマーケティングとは、電子メール(メール)を活用して顧客や見込み顧客とのコミュニケーションを行い、ビジネスの成果を促進するマーケティング手法です。企業や組織は、顧客への情報提供やプロモーション活動、顧客関係の構築などを目的として、定期的にメールを送信します。
メールマーケティングは、以下のような目的で活用されます。
■ニュースレターやアップデートのお知らせ
顧客に対して企業の最新情報や業界のトレンド、新製品やサービスの発売情報などを提供します。これにより、顧客との関係を強化し、企業の専門知識や価値提案を伝えることができます。
■プロモーションと販売促進
特別なオファーや割引、セールの告知などを通じて、顧客の関心を引きつけ、製品やサービスの購買を促進します。特定のセグメントに対してパーソナライズされたオファーを送ることも可能です。
■顧客関係の構築と維持
メールマーケティングは、顧客との長期的な関係構築に役立ちます。顧客のニーズや関心に合わせた情報やサポートを提供し、顧客のロイヤリティを高めることができます。
■カスタマーサポートとフォローアップ
顧客からの問い合わせやサポートリクエストに対して、迅速かつ効果的な対応を行うことができます。また、購入後の顧客へのフォローアップやアフターケアも重要な要素です。
メールマーケティングは、ターゲットの正確なセグメンテーション、魅力的なコンテンツ作成、配信タイミングの最適化、効果の分析と改善などが重要な要素です。適切に実施されると、顧客エンゲージメントや売上の向上、ブランドの認知度の向上などの効果が期待できます。
1.2.メルマガとの違い
メールマーケティングとメルマガは、いずれも電子メールを使用して顧客とのコミュニケーションを行う手法ですが、以下にそれぞれの特徴と違いを説明します。
■メールマーケティング
メールマーケティングは、顧客との関係構築やビジネスの成果促進を目的として、広範なマーケティング活動における手法です。企業や組織は、ニュースレターやプロモーションメール、自動化されたトリガーメールなどを通じて、顧客に情報やオファーを提供します。メールマーケティングは、セグメンテーション、パーソナライゼーション、効果の分析と改善などの要素が含まれます。
■メルマガ
メルマガ(メールマガジン)は、一般的に定期的に配信されるニュースレターや情報誌の形式を持つ電子メールです。メルマガは、特定のテーマや業界に関心を持つ読者層に対して、有益な情報やコンテンツを提供することを目的としています。メルマガは、個々の購読者が意図的に登録したリストに対して送信されることが一般的です。
メルマガは登録ユーザーに対して有益な情報やコンテンツを提供することが目的として、一般的に定期的に配信され、読者に価値を提供するためのコンテンツを配信します。
メルマガ会員登録したリストに対して同一の内容を一斉に配信するのが一般的です。
購読者は自発的に登録し、購読を解除する権利を持っています。
一方、メールマーケティングは、メルマガのような定期的なニュースレターや情報提供だけでなく、プロモーション、販売促進、顧客関係の構築など、さまざまな目的を持つマーケティング手法です。メールマーケティングは、より広範なマーケティング戦略の一部として位置づけられます。
重要なポイントは、メルマガはメールマーケティングの一形態であるということです。メルマガは、顧客との関係構築や情報提供に焦点を当てたメールマーケティングの手法の一つと考えることができます。
2.メールマーケティングが重要な理由
メールマーケティングが重要な理由は、以下のとおりです。
■直接的なコミュニケーションチャネル
メールは、顧客との直接的なコミュニケーションを可能にする手段です。顧客のメールボックスに直接届くため、他のマーケティング手法と比べて高い注意を引くことができます。また、メールは個人的な性質を持ち、受信者との一対一の対話を促すことができます。
■ターゲティングとパーソナライゼーション
メールマーケティングは、顧客の属性や行動に基づいたセグメンテーションが可能です。ターゲットセグメントに対してパーソナライズされたメッセージやオファーを送ることができます。これにより、顧客の関心やニーズに合わせた情報を提供することができ、顧客エンゲージメントを高めることができます。
■コスト効果の高さ
メールマーケティングは、他のマーケティング手法と比べてコスト効果が高いとされています。メールの送信コストは比較的低く、一度作成したメールは複数の受信者に送信できます。また、デジタルな形式のため、印刷や郵送などの費用がかからず、効率的なマーケティング手法と言えます。
■メトリクスと分析
メールマーケティングは、効果の測定と分析がしやすいという利点があります。配信率、開封率、クリック率、コンバージョン率などのメトリクスを追跡することで、キャンペーンの成功や改善のポイントを特定できます。これにより、データに基づいた意思決定と改善が可能となります。
■顧客関係の構築と維持
メールマーケティングは、顧客との長期的な関係構築に役立ちます。定期的なコンタクトや有益な情報の提供を通じて、顧客の信頼を獲得し、顧客のロイヤリティを高めることができます。また、自動化を活用することで、顧客の行動やニーズに応じたタイミングでメールを送信することができます。
■反応率と成果の向上
メールマーケティングは、受信者からの即時の反応を促すことができます。特別なオファーや割引、限定キャンペーンなどを通じて、受信者の関心や購買意欲を喚起することができます。適切にターゲティングされたメールキャンペーンは、高いクリック率やコンバージョン率を実現し、ビジネスの成果を向上させることができます。
メールマーケティングは、顧客との関係構築、顧客エンゲージメントの向上、売上の増加など、多くの利点をもたらす効果的なマーケティング手法です。ただし、成功するためには適切なセグメンテーション、パーソナライゼーション、価値あるコンテンツの提供、効果の分析と改善などが重要な要素となります。
その中でも特に重要な理由についてご紹介します。
2.1.コミュニケーション手段の普及率が高い
上図は2022年8月に総務省情報通信政策研究所が発表した報告書のデータです。
10代・20代はSNSを利用している率(水色の縦棒)が高いですが、30代以上はメール利用率の方が高いのが分かります。
つまり、コミュニケーション手段としてメールが普及していることが分かります。
2.2.ROIが高い
メールマーケティングのROI(費用対効果)は、ソーシャルメディアや検索型広告など他のツールの4倍以上である、と言われています。(参照元:https://www.emarketer.com/Article/Email-Continues-Deliver-Strong-ROI-Value-Marketers/1014461)
メールマーケティングのROIが高い理由は、以下とおりです。
■低コストの投資
メールマーケティングは比較的低コストで実施できるマーケティング手法です。メールの送信や配信はごく少ないコストで実施でき、他の広告媒体や販促活動に比べて費用対効果が高いです。
■ターゲティングとパーソナライゼーション
メールマーケティングでは、顧客の属性や行動に基づいたターゲティングとパーソナライゼーションが可能です。顧客に対して特定の情報やオファーを送ることで、関心を引き、コンバージョン率を向上させることができます。
■高い受信率と開封率
メールは一般的に受信者のメールボックスに直接届くため、他の広告やメディアよりも高い受信率と開封率を実現できます。メールは個人的な性質を持ち、受信者が関心を持つ情報を提供することで開封率を向上させることができます。
■追跡と分析
メールマーケティングでは、配信率、開封率、クリック率、コンバージョン率などのメトリクスを追跡することができます。これにより、キャンペーンの効果や成果を評価し、改善策を導き出すことができます。データ分析を通じて、効果的な施策の特定や最適化を行い、ROIを向上させることができます。
■顧客関係の構築と維持
メールマーケティングは顧客との長期的な関係構築に役立ちます。定期的なメールの送信や有益な情報の提供を通じて、顧客の信頼を獲得し、顧客のロイヤリティを高めることができます。長期的な顧客関係は、継続的な売上と顧客生涯価値の向上につながります。
これらの要素により、メールマーケティングは他のマーケティング手法に比べてROIが高いとされています。ただし、成功するためには適切な戦略の策定、ターゲティングとパーソナライゼーション、コンテンツの質の向上、データ分析と改善など、様々な要素を適切に組み合わせる必要があります。
2.3.分析と改善がしやすい
メールマーケティングは分析と改善が比較的容易なマーケティング手法です。以下にその理由を説明します。
■定量データの追跡
メールマーケティングでは、配信率、開封率、クリック率、コンバージョン率などのさまざまな定量データを追跡することができます。これにより、キャンペーンの効果を定量的に評価することができます。各指標の結果を把握することで、キャンペーンのパフォーマンスを把握し、改善の必要性を見極めることができます。
■A/Bテストの実施
メールマーケティングでは、A/Bテストを実施することができます。異なる要素(件名、コンテンツ、コールトゥアクションなど)を複数のバージョンのメールに組み込んで送信し、効果を比較することができます。A/Bテストにより、より効果的な要素や戦略を特定し、メールのパフォーマンスを改善するためのデータを収集することができます。
■セグメンテーションとパーソナライゼーション
メールマーケティングでは、顧客を特定のセグメントに分けてターゲットすることができます。セグメンテーションとパーソナライゼーションを活用することで、特定の顧客グループに合わせたメッセージやオファーを提供することができます。セグメンテーションの結果やパーソナライゼーションの効果を分析し、改善策を導き出すことができます。
■データ分析ツールの利用
メールマーケティングでは、多くのプラットフォームやツールがデータ分析をサポートしています。これらのツールを利用することで、メールキャンペーンのパフォーマンスを可視化し、トレンドやパターンを把握することができます。データ分析を通じて、成功要因や改善のポイントを特定し、戦略の最適化を行うことができます。
メールマーケティングはデータ駆動型のマーケティング手法であり、そのデータを分析し改善を行うことで効果的なキャンペーンを展開することができます。
3.メールマーケティングのメリット・デメリット
メールマーケティングはメルマガ一斉配信と比べて様々な施策がありますが、それらにはメリット・デメリットがあります。ここでは、それらについてご紹介します。
3.1.メールマーケティングのメリット
メールマーケティングのメリットを以下にまとめました。
■直接的なコミュニケーション
メールマーケティングは、顧客との直接的なコミュニケーション手段です。顧客との関係を構築し、信頼を築くことができます。個別のメッセージを送ることで、よりパーソナライズされた体験を提供することができます。
■ターゲティングとセグメンテーション
メールマーケティングでは、顧客の属性や行動に基づいてターゲットを絞り込むことができます。セグメンテーションを活用することで、特定の顧客グループに向けたメッセージを送ることができます。これにより、顧客の関心やニーズに合わせた情報を提供することができます。
■パーソナライゼーション
メールマーケティングでは、顧客の情報を活用してパーソナライズされたメッセージを送ることができます。顧客が受け取ったメールが自分に合わせて作成されたものであると感じることで、関心を引きやすくなります。
■コスト効率
メールマーケティングは、他のマーケティング手法に比べて比較的低コストです。メールの送信や配信にはコストがかかりますが、広告や印刷物などの費用を抑えることができます。また、大規模なターゲットに対しても一度に多くのメールを送信できるため、コスト効率が高いです。
■測定可能性と分析
メールマーケティングでは、配信率、開封率、クリック率、コンバージョン率などのさまざまなメトリクスを追跡することができます。これにより、キャンペーンの効果を定量的に評価し、改善策を導き出すことができます。データ分析を通じて、より効果的な施策や戦略を見つけ出し、ROIを向上させることができます。
■長期的な顧客関係の構築
メールマーケティングは、長期的な顧客関係の構築に役立ちます。定期的にメールを送信し、有益な情報や特典を提供することで、顧客のロイヤリティを高めることができます。顧客の継続的な購買やリピートビジネスにつなげることができます。
これらのメリットにより、メールマーケティングは多くの企業やマーケターにとって重要なマーケティング手法となっています。
3.2.メールマーケティングのデメリット
一方でメールマーケティングにもデメリット・注意点があります。それらを以下にまとめました。
■スパムフィルターと配信制約
スパムフィルターは、不要なメールを遮断するために使用されますが、時には正当なメールも誤ってスパムとしてブロックすることがあります。また、メールプロバイダーや受信者の設定によっては、メールが正しく表示されない場合もあります。
■競合環境の激化
メールボックスは多くの広告やメッセージで溢れており、競合環境が激しいです。受信者の注意を引きつけるためには、クオリティの高いコンテンツや効果的なセグメンテーションが必要です。競合他社や他のマーケティング手法との差別化が求められます。
■メールフィルタリングと無視
一部の受信者は、メールをフィルタリングしたり、無視したりすることがあります。特に未読や未開封のメールが多い場合、メッセージが届かない可能性があります。顧客がメールを開封し、読むことを促すためには、魅力的な件名やコンテンツが必要です。
■コンテンツの継続的な提供
メールマーケティングでは、定期的にコンテンツを提供する必要があります。コンテンツ制作と配信を継続的に行うためには、時間とリソースが必要です。一貫性と質の高いコンテンツを提供するためには、十分な計画と準備が必要です。
■法的な制約とプライバシーへの配慮
メールマーケティングは、個人情報の取扱いに関する法的な制約とプライバシーへの配慮が求められます。GDPRやCAN-SPAM法などの規制に従い、受信者のプライバシーを尊重しなければなりません。
これらのデメリットは、メールマーケティングを展開する際に考慮すべきポイントです。適切な対策や戦略を取ることで、デメリットを最小限に抑え、メールマーケティングの効果を最大化することが重要です。
4.メールマーケティングのKPI
メールマーケティングの効果を測定するKPIは様々なKPIがありますが、一般的に良く使われるKPIについてご紹介します。
4.1.開封率
メールマーケティングの開封率は、送信したメールのうち実際に受信者によって開封された割合を示します。開封率は、メールの効果や受信者の関心度を測る指標として重要です。
開封率は様々な要素に影響されます。以下に、開封率を向上させるためのいくつかのポイントを示します。
■魅力的な件名
受信者は、メールの件名を見て開封するかどうかを判断します。魅力的で興味を引く件名を作成しましょう。具体的で短く、興味や利益を示す言葉を使うと効果的です。
■パーソナライズ
受信者が自分に関連性を感じるメールは、開封されやすくなります。顧客の属性や行動に基づいてメッセージをパーソナライズし、個別のニーズや関心に合わせた情報を提供しましょう。
■高品質なコンテンツ
メールの内容が価値や利益を提供する場合、開封される可能性が高くなります。有益な情報、特典や割引、限定オファーなど、受信者にとって魅力的なコンテンツを提供しましょう。
■適切な配信タイミング
メールの配信タイミングも開封率に影響を与えます。受信者の行動や嗜好を分析し、最適な配信タイミングを選択しましょう。また、週末や特定の時間帯など、受信者がメールをチェックしやすい時間帯を狙うのも有効です。
■モバイルフレンドリーなデザイン
多くの人々がスマートフォンやタブレットでメールを閲覧しているため、メールのデザインはモバイルフレンドリーである必要があります。見やすく、読みやすいレイアウトを作成しましょう。
■A/Bテストと最適化
開封率を向上させるためには、A/Bテストを行いながら改善を続けることが重要です。異なる要素(件名、配信タイミング、コンテンツなど)をテストし、開封率が高い結果を分析しましょう。
開封率は企業や業界によって異なります。一般的には、15%以上の開封率は良いとされていますが、業界やターゲットによってはもっと高い開封率が期待される場合もあります。実際に当社の顧客である鵜山リゾート様では開封率58%を達成しています(成功事例:https://www.handk-inc.co.jp/case/resort)。開封率の向上に取り組みながら、効果的なメールマーケティングを実施していきましょう。
4.2.クリック率
メールマーケティングのクリック率は、送信したメールのうち実際に受信者がメール内のリンクをクリックした割合を示します。クリック率は、メールのコンテンツやコールトゥアクションの魅力度や受信者の関心度を測る指標として重要です。
クリック率を向上させるためには、以下のポイントに注意することが重要です。
■魅力的なコールトゥアクション(CTA)
メール内のボタンやリンクに対して、魅力的で明確なCTAを配置しましょう。具体的で分かりやすい文言を使い、受信者に行動を促すような要素を設けましょう。
■パーソナライズ
受信者が自分に関連性を感じるメールは、クリックされやすくなります。顧客の属性や行動に基づいてメッセージをパーソナライズし、個別のニーズや関心に合わせた情報やオファーを提供しましょう。
■クリアで魅力的なコンテンツ
メールのコンテンツが魅力的で価値のある情報を提供している場合、受信者はクリックしやすくなります。見出しや要点を強調し、読み手にとって魅力的なコンテンツを提供しましょう。
■レスポンシブデザイン
メールのデザインは、モバイルデバイスにも適応されるレスポンシブデザインとなっていることが重要です。メールがモバイル画面でも見やすく、クリックしやすいレイアウトとなっているかを確認しましょう。
■カラフルなCTAボタン
CTAボタンを目立たせるために、カラフルなボタンやアイコンを使用することも効果的です。ボタンの色やデザインを選ぶ際には、注意深くテストして効果を確認しましょう。
■A/Bテストと最適化
クリック率を向上させるためには、A/Bテストを行いながら改善を続けることが重要です。異なる要素(CTA文言、ボタンの配置、デザインなど)をテストし、クリック率が高い結果を分析しましょう。
クリック率は、受信者が実際にメール内のリンクをクリックしてアクションを起こす割合を示す指標です。開封率と同様に、業界や企業によってクリック率は異なることがあります。一般的には、2-5%のクリック率が平均的とされていますが、クリック率を向上させるためには定期的なテストと最適化を行うことが重要です。
4.3.クリックスルー率
メールマーケティングのクリックスルー率はクリック数÷配信数で計算されます。
クリックスルー率を向上するには、クリック率を向上させるポイントと同様なので上記をご参照ください。
4.4.購読解除率
メールマーケティングの購読解除率(Unsubscribe Rate)は、送信したメールを受け取っている受信者が、メーリングリストからの購読を解除する割合を示します。購読解除率は、受信者の関心の変化やメールの品質、送信頻度などを測る指標として重要です。
購読解除率が高い場合、以下のような要因が影響している可能性があります。
■メールの内容や価値が不十分
受信者は、メールが自分にとって価値のある情報を提供しているかどうかを評価します。メールのコンテンツが不十分であったり、関心を引く情報やオファーが欠けている場合、受信者は購読を解除する可能性が高まります。
■過剰なメール送信
頻繁にメールを送信しすぎると、受信者は疲れを感じたり、スパムとみなして購読を解除する場合があります。適切な送信頻度を設定し、受信者のニーズや好みに合わせたメール送信を心掛けましょう。
■メールのパーソナライズ不足
受信者が自分に関連性を感じないメールは、興味を持たずに購読を解除する傾向があります。受信者の属性や行動に基づいてメールをパーソナライズし、個別のニーズや関心に合わせた情報を提供しましょう。
■不適切なターゲットリスト
メールを受け取るターゲットリストが不適切である場合、受信者はメールに関心を持たずに購読を解除することがあります。正確かつ関連性のあるターゲットリストを構築し、適切な受信者にメールを送信することが重要です。
■解除手続きの煩雑さ
購読解除手続きが煩雑でわかりにくい場合、受信者は手続きを諦めずに購読解除を選択することがあります。購読解除の手続きを簡単かつ明確にし、受信者の使い勝手を考慮するようにしましょう。
購読解除率を抑えるためには、メールの品質向上や受信者のニーズへの適切な対応が重要です。定期的な受信者のフィードバックを取り入れながら改善を行い、メールマーケティングの効果を高めていきましょう。
4.5.到達率
メールマーケティングの到達率(Delivery Rate)は、送信したメールが正常に受信者のメールボックスに到達した割合を示します。到達率は、送信されたメールが受信者のスパムフィルターやブロックリストに引っかかることなく、正常に受信された割合を測る指標です。
到達率に影響を与える要素はいくつかあります。
■スパムフィルター
受信者のメールプロバイダーや個別のメールアカウントは、スパムフィルターを使用して不要なメールをブロックすることがあります。メールの内容や送信元の信頼性などがスパムフィルターの判断に影響を与えます。適切なメール設定やスパムフィルター回避のベストプラクティスを実施することで、到達率を向上させることができます。
■ブロックリスト
受信者が送信元ドメインや送信者のアドレスをブロックリストに登録している場合、その受信者にはメールが到達しません。メールの送信前にブロックリストのチェックや管理を行い、ブロックリストに載っている受信者には送信しないようにすることが重要です。
■メールアドレスの正確性
送信先のメールアドレスが誤っていたり、存在しないアドレスに送信した場合、メールは到達しません。受信者リストを定期的にクリーンアップし、不正確なメールアドレスを除外することで、到達率を向上させることができます。
■メールプロバイダーの制限
メールプロバイダーには、一定期間に送信できるメールの制限がある場合があります。送信するメールの量や頻度に留意し、メールプロバイダーのポリシーに準拠するようにしましょう。
■ネットワークの問題
メールが送信者から受信者まで正常に到達するためには、インターネットのネットワーク状況や技術的な問題が影響を与えることがあります。これらの問題は送信者の制御範囲外にあるため、解決には時間がかかることもあります。
到達率を向上させるためには、送信元としての信頼性を確保し、メールのクオリティを高めることが重要です。正確なリストの管理、スパムフィルター対策の実施、適切なメール設定などを行い、到達率を最大化する努力を行いましょう。
5.メールマーケティングの種類
メールマーケティングの施策には様々な種類があります。ここでは、それらについて一般的に実施されている施策について、ご紹介します。
5.1.メルマガ
メルマガは、「メールマガジン」の略称で、電子メールを使用して定期的に配信される情報やニュースレターのことを指します。メルマガは、特定のテーマや関心事に基づいて受信者に対して情報を提供するための手段として利用されます。
一般的に、メルマガは以下の特徴を持っています。
■定期的な配信
メルマガは定期的に配信されることが一般的です。配信周期は週次、月次、季節ごとなど、目的や内容に応じて設定されます。
■トピックやテーマの絞り込み
メルマガは特定のトピックやテーマに焦点を当てて情報を提供します。例えば、ビジネス、健康、ファッション、旅行など、受信者の関心に合わせた内容が配信されます。
■ニュースや情報の提供
メルマガは、最新のニュースや情報、トレンド、アドバイス、ヒント、特典などを受信者に提供します。業界の最新情報や特別な情報を受け取ることができます。
■登録ベースの受信者
メルマガは、受信者が自発的に登録したメールリストに配信されます。受信者は、興味や関心を持っているテーマに基づいて登録し、メルマガの受け取りを希望していることが前提となります。
■カスタマイズとパーソナライズ
メルマガは、受信者に合わせたカスタマイズやパーソナライズが可能です。受信者の属性や行動データを活用し、より関心のある情報やオファーを提供することができます。
メルマガは、企業やブランド、メディア、個人などが自身の情報を効果的に発信し、読者との関係を構築するための重要なツールとして利用されています。
5.2.ステップメール
ステップメール(Step Mail)は特定の目的を達成するために、複数の段階的なメールを順序立てて送信する方法です。ステップメールは、受信者に対して関心を喚起し、徐々に関与度を高めるための効果的な手法として利用されます。
ステップメールの特徴は以下の通りです。
■段階的な情報提供
ステップメールは、複数のメールを段階的に送信することで情報を提供します。最初のメールでは興味を引く情報や問題提起を行い、次のメールでは詳細な情報や解決策を提供するなど、情報を徐々に展開していきます。
■タイミングと順序の重視
ステップメールでは、各メールの送信タイミングや順序に注意を払います。特定のアクションや期間を基準に、次のメールの送信をスケジュールすることで、受信者の関与を最大化し、成果を上げることができます。
■セグメンテーションとパーソナライズ
ステップメールは、受信者を適切なセグメントに分け、それぞれに合わせたメッセージを送信することが重要です。受信者の属性や行動に基づいてパーソナライズし、関心を持つ内容を提供することで、受信者の関与度を高めることができます。
■目的の達成にフォーカス
ステップメールは、特定の目的やゴールを達成するために設計されます。例えば、商品の購買促進、新規顧客の獲得、リードのナーチャリングなど、目的に応じた戦略的なメール配信が行われます。
ステップメールは、受信者との関係構築やコンバージョンの促進に効果的な手法です。段階的な情報提供やパーソナライズを通じて、受信者の関与を高め、目的の達成に貢献します。
5.3.シナリオメール
シナリオメール(Scenario Mail)は特定のシナリオやユーザーの行動に応じて、予め設定された一連のメールを自動的に送信する方法です。シナリオメールは、受信者との関係を深め、ターゲットとなる行動やニーズに合わせたカスタマイズされたメッセージを提供するために利用されます。
シナリオメールの特徴は以下の通りです。
■自動化されたメールフロー
シナリオメールは、あらかじめ設定されたトリガーや条件に基づいて、自動的にメールを送信します。受信者の特定の行動(例: 登録、購入、特定のページの訪問など)に応じて、事前に設定されたメールが順序立てて送信されます。
■ユーザー行動に合わせたパーソナライズ
シナリオメールは、受信者の行動や属性に基づいてパーソナライズされたメッセージを提供します。受信者が特定のアクションを実行した場合、それに応じたメールが送信され、関心やニーズに合わせた情報を提供することができます。
■タイミングと順序の最適化
シナリオメールでは、メールの送信タイミングや順序に重点が置かれます。受信者の行動やニーズに合わせて、適切なタイミングでメールを送信し、関与度を高めることができます。
■カスタマージャーニーのサポート
シナリオメールは、受信者のカスタマージャーニーをサポートするために使用されます。例えば、新規登録者へのウェルカムメール、購入後のフォローアップメール、リテンションを促すメールなど、受信者が特定のステップやフェーズにいる場合に対応したメールを送信します。
シナリオメールは、自動化とパーソナライズの両方を組み合わせて効果的なメールマーケティングを実現する手法です。受信者の行動に基づいて適切なメッセージを送信することで、関与度の向上やコンバージョンの促進などの目標を達成することができます。
6.メールマーケティングの始め方・運用の流れ
メールマーケティングを実践するための方法や運用の流れについてご紹介します。
6.1.目標・目的の設定
メールマーケティングを効果的に実施するためには、明確な目標と目的を設定することが重要です。以下に、メールマーケティングの目標と目的の一般的な例をいくつかご紹介します。
■販売促進
商品やサービスの販売を促進することを目的とします。具体的な目標としては、特定の製品の売上増加、新商品の導入、クーポンや特典の利用促進などが考えられます。
■リード獲得
新たな見込み顧客(リード)を獲得することを目的とします。目標としては、リードの数の増加やリードジェネレーションキャンペーンへの参加などがあります。
■顧客ロイヤルティ向上
既存顧客の満足度を高め、リピート購入や長期的な顧客関係の構築を目指します。具体的な目標としては、リピート購入率の向上、顧客の参加促進(イベント、プログラムへの登録など)などが挙げられます。
■ブランド認知度の向上
ブランドや企業の認知度を向上させることを目的とします。目標としては、メールの開封率やクリック率の向上、ソーシャルメディアのシェアやフォロワー数の増加などが考えられます。
■顧客エンゲージメントの促進
顧客との関係を強化し、エンゲージメントを高めることを目的とします。目標としては、メールの反応率やクリックスルー率の向上、フィードバックやレビューの収集、SNSでのコメントやシェアなどが挙げられます。
これらの目標と目的は、企業やブランドの状況やニーズに合わせてカスタマイズすることが重要です。目標設定に基づいて戦略を立て、具体的なメールキャンペーンやアクションを実施することで、効果的なメールマーケティングを実現することができます。
6.2.配信リストの作成
メールマーケティングにおいて、効果的な配信リストを作成することは重要です。配信リストは、メールを送信する対象のセグメント化やターゲティングに役立ちます。以下に、配信リストの作成に関する手順をご紹介します。
■データの収集
まずは、顧客や見込み顧客から必要な情報を収集します。これには、名前、メールアドレス、性別、年齢、地域、購買履歴、興味関心などが含まれます。既存の顧客データベースやウェブサイトの登録フォーム、アンケートなどを活用して情報を集めましょう。
■セグメンテーション
収集したデータを基に、顧客を特定のセグメントに分けます。セグメントは、属性や行動に基づいてグループ化されます。例えば、購入履歴に基づいて「高額購買顧客」「新規顧客」「アクティブな顧客」などのセグメントを作成することができます。
■ターゲティング
セグメントごとにメッセージをカスタマイズするために、ターゲティングを行います。それぞれのセグメントに合わせた情報やオファーを提供することで、受信者の関心を引き付けることができます。
■リストの整理とクリーニング
配信リストを整理し、不要なメールアドレスや古い情報を削除します。また、メールアドレスの入力エラーや重複なども確認し、リストの品質を維持します。
■リストの充実化
配信リストを充実させるために、新たな顧客や見込み顧客の情報を追加します。ウェブサイトの登録フォームやランディングページ、イベントへの参加など、様々な方法でリストを拡充しましょう。
■リストのセキュリティとプライバシーの確保
顧客のプライバシーとデータセキュリティを確保するために、適切なセキュリティ対策やプライバシーポリシーを実施しましょう。また、法的な要件や規制にも準拠するように注意してください。
以上の手順を踏んで配信リストを作成することで、より的確でパーソナライズされたメールの送信が可能となります。リストの品質を維持し、定期的な更新と改善を行うことも重要です。
6.3.メール配信ツールの選定
メールマーケティングを効果的に実施するためには、適切なメール配信ツールを選定することが重要です。以下に、メール配信ツールを選ぶ際のポイントと考慮すべき要素をいくつかご紹介します。
■機能と柔軟性
メール配信ツールの提供する機能や柔軟性が重要です。必要な機能は何かを明確にし、自社のメールマーケティング戦略やニーズに合致するかを確認しましょう。例えば、自動応答メールの設定、セグメンテーション機能、A/Bテスト機能、レポートと分析機能などが含まれます。
■テンプレートとカスタマイズ性
メールのデザインやレイアウトが重要な場合は、テンプレートの品質とカスタマイズ性をチェックしましょう。自社のブランドイメージに合ったテンプレートを使用できるか、また、テンプレートの編集やカスタマイズが容易かどうかも考慮しましょう。
■リスト管理機能
配信リストの管理やセグメンテーションを効率的に行うための機能も重要です。リストのインポートやエクスポート、タグ付けやセグメント作成などがスムーズに行えるか確認しましょう。
■自動化機能
メールの自動化を活用することで、セグメントごとにカスタマイズされたメッセージを効果的に配信することができます。自動化の機能や設定の柔軟性を確認し、自動応答メールやシナリオメールの作成が容易かどうかを検討しましょう。
■レポートと分析機能
成果の測定や改善には、詳細なレポートと分析機能が必要です。配信結果や受信者の反応率、開封率、クリック率などのデータをリアルタイムで確認できるかどうかをチェックしましょう。
■可用性と信頼性
メール配信ツールの可用性や信頼性は重要な要素です。システムの安定性、メールの配信率、スパムフィルターへの対策などを確認しましょう。
■サポートとカスタマーサービス
問題や疑問が生じた際に適切なサポートを受けられるかどうかも考慮に入れてください。サポートチャンネルや対応時間、コミュニティやドキュメンテーションの充実度などを確認しましょう。
また、予算や企業の規模に応じて価格も重要な要素です。複数のメール配信ツールを比較し、自社の要件や予算に最も適したツールを選ぶことをおすすめします。
6.4.メール文面の作成
メールマーケティングの成功には、魅力的で効果的なメール文面の作成が重要です。以下に、メール文面の作成におけるポイントをいくつかご紹介します。
■ターゲットオーディエンスを意識する
メールの受信者をよく理解し、そのニーズや関心に合わせた内容を提供しましょう。セグメンテーションやターゲティングを活用して、受信者ごとに適切なメッセージを届けることが重要です。
■キャッチーな件名を作成する
件名はメールを開封してもらうための重要な要素です。短く、興味を引く内容や特典を強調することで、受信者の注意を引くことができます。
■パーソナライズする
受信者の名前を使った個別の挨拶や、購入履歴や興味関心に基づいたカスタマイズされた情報を提供することで、受信者とのつながりを強化しましょう。
■簡潔でわかりやすい文章を使う
メールは短く、わかりやすい文章で記述しましょう。適切なフォーマットや箇条書き、ハイライトを使うことで、情報を整理し読みやすくします。
■強力なコール・トゥ・アクション(CTA)を作成する
メールの目的に応じた明確なCTAを作成しましょう。ボタンやリンクを目立たせ、受信者がアクションを起こしやすいように設計します。
■価値提案を明示する
メールの内容には、受信者にとっての価値やメリットを明確に伝えることが重要です。特典、割引、限定オファーなどを強調し、受信者の関心を引き付けましょう。
■テストと最適化を行う
メールの効果を最大化するために、A/Bテストを実施して異なるバリエーションのメールを比較しましょう。開封率やクリック率などの指標を追跡し、改善するためのデータを収集します。
■モバイルフレンドリーなデザインにする
多くの受信者がモバイルデバイスでメールを開封することを考慮して、メールのデザインをモバイルフレンドリーにすることが重要です。シンプルなレイアウトや適切なフォントサイズを選びましょう。
■追加価値のあるコンテンツを提供する
単なる広告やプロモーションではなく、受信者に役立つ情報や教育的なコンテンツを提供することで、関係を構築し維持することができます。
メール文面の作成は継続的な試行錯誤と改善が求められる作業です。受信者のフィードバックやデータ分析を活用しながら、効果的なメールコンテンツを作成しましょう。
6.5.セグメンテーション
セグメンテーションは、メールマーケティングにおいて受信者を特定のグループに分けるプロセスです。セグメンテーションを行うことで、受信者の特定の属性や行動に基づいて、よりターゲットに合ったメッセージを送ることができます。以下にセグメンテーションの重要性と具体的な方法を説明します。
セグメンテーションの重要性
■パーソナライズされたメッセージ
セグメンテーションにより、受信者の属性や興味関心に合わせたメッセージを送ることができます。それにより、受信者はより関心を持ち、メールに対する反応が高まります。
■効果的なターゲティング
セグメンテーションによって、特定のセグメントにフォーカスしたメールキャンペーンを実施することができます。ターゲットの明確化は、メールの開封率やクリック率を向上させ、コンバージョン率を高める助けとなります。
■リストの品質向上
セグメンテーションは、メールリストの品質を向上させる手段となります。ターゲットに関心のない受信者を排除し、より関心の高い受信者をリストに保持することができます。
セグメンテーションの方法
■デモグラフィック情報
年齢、性別、地理的な位置、職業などのデモグラフィック情報に基づいてセグメントを作成することができます。
■購買履歴や行動データ
受信者の購買履歴やウェブサイトの行動データを分析し、興味や嗜好に基づいたセグメントを作成することができます。例えば、特定の商品を購入した人や特定のページを訪れた人などです。
■需要や関心のセグメント
受信者の関心やニーズに基づいてセグメントを作成することも効果的です。類似した関心を持つグループに対して、それに関連する情報や特典を提供することができます。
■ライフサイクル
受信者の購買段階や顧客のライフサイクルに応じてセグメントを作成することも有効です。新規顧客、リピーター、休眠顧客など、顧客の状態に応じたメッセージを送ることができます。
セグメンテーションは、メールマーケティングの成功において重要な要素です。受信者の属性や行動に基づいてメッセージをカスタマイズし、より効果的なコミュニケーションを実現しましょう。
6.6.A/Bテスト
A/Bテストは、メールマーケティングにおいて異なるバリエーションの要素を比較し、効果的なメールを作成するための手法です。A/Bテストにより、受信者の反応や行動を分析し、改善点を特定することができます。以下にA/Bテストの基本的な手順と注意点を説明します。
■目的と要素の選択
A/Bテストの目的を明確にし、テストする要素を選択します。例えば、件名、送信者名、メールのデザイン、CTAなどの要素を比較することができます。
■サンプルの分割
テストを実施するために、メールリストを2つのグループに分割します。通常、A群とB群の2つのグループに分けられます。
■要素の変更
A群とB群で異なるバリエーションの要素を設定します。例えば、A群にはバリエーションAの件名を、B群にはバリエーションBの件名を設定します。
■テストの実施
A群とB群に異なるバリエーションのメールを送信します。送信タイミングや頻度は同じにします。
■データの収集
メールの配信後、開封率、クリック率、コンバージョン率などのデータを収集します。これにより、どのバリエーションがより効果的かを判断することができます。
■結果の分析
収集したデータを分析し、結果を評価します。どのバリエーションがより良い結果を示したかを確認し、改善点や学びを抽出します。
■最適化と改善
テスト結果に基づいて、より効果的な要素や戦略を特定し、次回のメールキャンペーンに反映させることで、メールマーケティングのパフォーマンスを向上させることができます。
A/Bテストの注意点
A/Bテストを適切に実施することで、メールマーケティングの効果を最大化し、より効果的なメールコンテンツを作成することができます。
6.7.自動化
メールマーケティングの自動化は、メール送信やタイミングの管理を自動化することで、効率的なキャンペーンの実施や顧客エンゲージメントの向上を図る手法です。以下に、メールマーケティングの自動化の方法と利点を説明します。
■オートレスポンダー
オートレスポンダーは、特定のトリガーやイベントに応じて自動的にメールを送信する機能です。例えば、新規顧客へのウェルカムメールや、購入後のサンクスメールなどを自動的に送信することができます。
■シナリオメール
シナリオメールは、複数のメールを事前に設定した順序やタイミングで送信する仕組みです。顧客の行動や特定のトリガーに応じて、自動的にメールを配信することができます。例えば、カート放棄した顧客にリマインダーメールを送るなどがあります。
■リマーケティング
リマーケティングは、特定の行動を取った顧客に対して自動的にメールを送信する手法です。例えば、特定の商品を閲覧したが購入しなかった顧客に対して、その商品に関連する情報や特典を提供するメールを送ることができます。
■セグメンテーションとパーソナライゼーション
自動化ツールを使用して、受信者をセグメント化し、それに基づいてパーソナライズされたメールを自動的に送信することができます。受信者の属性や行動に基づいてメールの内容やオファーをカスタマイズすることで、よりターゲットに合ったメッセージを届けることができます。
メールマーケティングの自動化の利点
■効率化と時間の節約
メールの送信やタイミングを自動化することで、手作業の時間を節約し、効率的なキャンペーンの実施が可能になります。
■パーソナライズとターゲティングの向上
セグメンテーションやパーソナライゼーションを組み合わせた自動化により、よりターゲットに合ったメッセージを送ることができます。
■顧客エンゲージメントの向上
トリガーメールやリマーケティングなどの自動化により、顧客との関係を深め、エンゲージメントを高めることができます。
■分析と改善の容易さ
自動化ツールはデータの収集や分析も自動化されており、効果の測定や改善点の特定が容易になります。
メールマーケティングの自動化は、効果的なコミュニケーションと効率的なキャンペーンの実施に大きな助けとなるため、多くの企業やマーケターにとって重要な手法となっています。
6.8.分析と改善
メールマーケティングを成功させるためには、定期的な分析と改善が欠かせません。以下に、メールマーケティングの分析と改善の手順と重要なポイントを説明します。
■データの収集
メールマーケティングツールやウェブ解析ツールを使用して、メールの配信結果や受信者の行動データを収集します。開封率、クリック率、コンバージョン率などの指標を把握しましょう。
■データの分析
収集したデータを分析し、メールのパフォーマンスや効果を評価します。どの要素が良い結果をもたらしているか、どの要素が改善の余地があるかを把握しましょう。
■A/Bテスト
メールの要素や配信方法を比較するためにA/Bテストを実施しましょう。例えば、件名やメッセージの内容、CTAのデザインなどを変えてテストし、効果的なバージョンを特定します。
■セグメンテーションの評価
セグメントごとのメールパフォーマンスを分析し、各セグメントに適したメッセージやオファーを提供できているかを確認しましょう。必要に応じてセグメントの見直しや微調整を行います。
■ユーザーフィードバックの収集
受信者からのフィードバックや意見を収集し、メールの内容や配信方法に関する改善点を把握します。アンケートやフィードバックフォームを活用しましょう。
■改善の実施
分析結果やフィードバックをもとに、メールの改善を実施します。例えば、より魅力的な件名を作成したり、クリック率を向上させるためのCTAの改善を行ったりします。
■定期的なモニタリングと改善
メールマーケティングの効果は時間とともに変化するため、定期的なモニタリングと改善が重要です。継続的な分析と改善を行い、パフォーマンスを向上させ続けましょう。
分析と改善はメールマーケティングの継続的なプロセスであり、顧客のニーズや市場の変化に合わせて最適化を行うことが求められます。データに基づいた意思決定と改善を行うことで、メールマーケティングの効果を最大化することができます。
7.メールマーケティングを効果的に行うためのツール
メールマーケティングを効果的に行うためにはツールの選定が重要です。一般的にはクラウドサービスやオンプレミス型のメール配信ツールとマーケティングオートメーションがありますので、ここではそれらの選定方法についてご紹介をします。
他にもBCCで一斉配信する方法やExcelでマクロを組んで配信する方法などありますが、スパム対策の側面からお薦めできませんので、ここでは控えさせていただきます。
7.1.メール配信ツール
メール配信ツールを選ぶ際に考慮すべき要素は以下の通りです。
■機能と機能の適合性
メール配信ツールが提供する機能が、自社のメールマーケティング戦略や目標に合致しているか確認しましょう。例えば、セグメンテーション、オートレスポンダー、A/Bテスト、レポートなどの機能が必要かどうかを考慮します。
■ユーザーフレンドリーなインターフェース
ツールの使いやすさも重要な要素です。直感的に操作できるかどうか、テンプレートやワークフローの作成が容易かどうかを評価しましょう。
■可用性と信頼性
ツールのサーバーの安定性やメンテナンスの頻度、技術サポートの提供など、ツールの可用性と信頼性を確認しましょう。重要なキャンペーンの際にダウンタイムや問題が発生しないかどうかを確認します。
■インテグレーションとAPIの提供
既存のツールやプラットフォームとの連携がスムーズに行えるかどうかを確認しましょう。CRM、電子商取引プラットフォーム、アナリティクスツールなどとの連携が必要な場合には、APIの提供やインテグレーションのサポートが重要です。
■価格とコスト
ツールの価格体系や利用料金、追加機能の料金などを比較検討しましょう。自社の予算に合致しており、コストパフォーマンスのバランスが取れているかを考慮します。
■レビューや評判
ユーザーレビューや評判を調査し、他のユーザーの意見や経験を参考にすることも重要です。ツールの評価や評判を確認することで、その信頼性や利用価値を判断できます。
これらの要素を考慮しながら、自社のニーズや要件に最も適したメール配信ツールを選ぶことが重要です。複数のツールを試して比較検討し、無料トライアルやデモを活用することもおすすめです。
7.2.マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションの選び方はメール配信ツールの選び方と同様なので上記をご参照ください。
マーケティングオートメーションは、マーケティングプロセスの自動化を指します。これは、ターゲット顧客との関係を構築し、育成し、最終的には売上へとつなげるためのツールやプラクティスを指します。マーケティングオートメーションの目的は、マーケティング効果を向上させることです。
マーケティングオートメーションの主な機能には、以下のようなものがあります。
■メールキャンペーンの自動化
ユーザーの行動や属性に基づいてターゲット化されたメールを自動的に送信します。セグメンテーションやトリガーベースのメールキャンペーンが可能です。
■ワークフローの自動化
ユーザーの行動に基づいて特定のアクションを実行するワークフローを自動的に作成します。例えば、登録後にウェルカムメールを送信し、その後の一連のフォローアップメールを自動的に配信するなどです。
■リードスコアリング
ユーザーの行動や属性に基づいてリードにスコアを付け、優先度を設定します。購買意向の高いリードに重点を置くことができます。
■タグ付けとセグメンテーション
ユーザーをタグ付けし、属性や行動に基づいてセグメントを作成します。それに応じたターゲティングが可能になります。
■レポートと分析
キャンペーンの効果を追跡し、レポートや分析を行います。オープン率、クリック率、コンバージョン率などの指標を把握できます。
マーケティングオートメーションは、効率的なマーケティングプロセスの構築やパーソナライズされた顧客体験の提供、リードの育成やコンバージョン率の向上など、様々な利点をもたらすことができます。ただし、適切な戦略や設定が必要であり、ツールの選択や実装には注意が必要です。
8.メールマーケティングの成功事例
8.1.明光義塾様
皆様も良くご存じの学習塾「明光義塾」を運営している明光ネットワークジャパン様では、既存のCRMがスクラッチ開発の古いアプリケーションだった為、現代的なマーケティングアプローチを行うには、データ連携や活用が不完全な状態となっていた事が課題でした。
データ連携自体はETLを活用することで何とかなったのですが、実際にデータを連携し活用する「器」の整備が必要となっておりました。
そこで、導入したものの部分的な活用に留まっていたHubSpotを全社的なCRMとして再構築し、入塾前後の顧客情報管理及びメール施策の要として使用したいと考えました。
入塾後のお客様のすべてのデータが統合されて、かつNPSやメールの施策、各SNS等、様々な施策の発射台としてHubSpotが使用できるようになりました。
こういった意味で、HubSpotが顧客情報管理の中枢となり、各種施策の基盤となっていくのかなと思います。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.handk-inc.co.jp/case/meikonet
8.2.ウチダシステムズ様
オフィス用品の製造販売をされているウチダシステムズ様では以下の課題がありました。
●既存顧客リストを有効に活用できていなかった●データが整理されておらず分析が行われていなかった
お客様データという資産を無駄遣いしないよう、データの管理や分析を行えるような体制を構築したかったため、今回MAの導入をしました。
他のMAもある中でHubSpotを選ばれた理由は以下のとおりです。
●膨大な顧客情報を活用できる●シームレスに皆が使える
●コストが抑えられる
といった3つの観点からHubSpotを選定しました。
HubSpotの良かった点は「全体を通して直感的に利用できる」ことです。
一方で「英語を日本語に直接翻訳したような表現が多い」点は気になりましたが業務に支障がでるレベルではなかったようです。
今後は、機能面では色々な広告に連携させる機能、Zoomと連携する機能は今後活用したいと考えられています。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.handk-inc.co.jp/case/uchidasystems
9.まとめ
いかがだったでしょうか。本記事ではメールマーケティング全体についてご紹介いたしました。メールマーケティングは様々な手法やポイントがありますが、マーケティング施策の中では最も普及している手法であり、しっかり取り組めばROIが高い手法でもあります。
これを期にメルマガ一斉配信だけではなく、メールマーケティングを全体的に取り組む方が増えれば嬉しいです。
株式会社H&Kは、エリアマーケティングを含めたマーケティングのコンサルティングを行っています。
また、国内で2社しかないHubSpotのDiamondパートナーとして、MAツールの導入支援/ 採用強化 / バックオフィスの自動化 / Webサイト制作 / システム開発なども行っています。お気軽にお問い合わせください。