本記事では、近年マーケティングで導入する企業が増えている「LINE広告」についてわかりやすく解説しています。
LINE広告の特徴やメリット、種類、費用、運用のコツを詳しくまとめていますので、効果的なマーケティングを行いたい方はぜひご一読ください。
1. LINE広告とは?
LINE広告とは、国内で月間アクティブユーザーが9,400万人以上(2022年12月時点)と日本の人口を約7割カバーしており、日本国内の「ライフプラットフォーム」として定着しているコミュニケーションアプリ「LINE」に配信できる運用型広告です。
2. LINE広告のメリット・デメリット
日本最大数のユーザー数を持つLINEですが、LINE広告にはメリットとデメリットがいくつかあります。
2-1. LINE広告のメリット
まず、LINE広告のメリットについて解説します。
2-1-1.圧倒的なユーザー数と幅広い年代層へのリーチ
画像引用:LINE Business Guide 2023年4月-9月期
先程説明したようにLINEは利用ユーザー数が非常に多く、幅広い年代層が利用しています。このユーザー数に対して広告を出稿することができるため、他のSNS広告よりもリーチできる層が広く、認知拡大や新規顧客の獲得に有効です。
画像引用:LINE Business Guide 2023年4月-9月期
また、アクティブユーザー率の高さも魅力の1つです。
LINE利用者の中で毎日利用する人は85%となっており、性年代別で見ても全て60%を超えています。年齢、性別問わず多くの人が毎日利用していることがわかります。
2-1-2. ターゲティングが豊富
ターゲティングが豊富であることも大きなメリットの1つです。
後ほど解説しますが、LINE広告には「オーディエンスセグメント配信」や「オーディエンス配信」をはじめとして様々な配信機能があります。
目的に適した配信機能を選ぶことで、広告の効果を上げることができます。
2-1-3. 配信先が豊富
こちらも同様に後ほど解説しますが、LINE広告は配信先がトークリストやLINE NEWS、LINE VOOM、ウォレットなど合計14種類あります。
それぞれの特徴を理解した上で、適した配信先を選ぶことも重要になります。
2-1-4. 競合が少ない
LINE広告は配信フォーマットや入稿規定の操作性が複雑であり、出稿するまでに工数がかかります。
そのため、導入している企業が他のSNS広告に比べると少ない傾向にあります。
2-2. LINE広告のデメリット
次に、LINE広告のデメリットについて解説します。
2-2-1. 拡散力が弱い
LINE広告にはTwitterにおけるリツイートやFacebookにおけるいいね!といったシェア機能が無く、拡散力が弱いです。
しかし、現在はハッシュタグをつけたタイムラインの投稿が追加され、徐々に拡散されやすいタイムラインに変わってきています。そのため、今後拡散力の弱さは解消されていくと考えられます。
2-2-2. 掲載不可の業種・商材が多い
LINE広告は審査が非常に厳しく、必ずしも広告を出稿することができるとは限りません。
以下の業種・商材は掲載できませんので、配信を検討する際にはあらかじめ確認しましょう。
2-2-3. 広告出稿までに時間がかかる
LINE広告は審査の厳しさや工数の多さから出稿するまでに時間がかかります。
配信を検討する際には時間も考慮して計画を立てましょう。
3. LINE広告の配信先
LINE広告は以下の14箇所で配信することが可能です。
ここでは簡潔に、配信先の名称と広告の掲載先についてまとめます。
参考:LINE Business Guide 2023年4月-9月期
それぞれの配信面の特徴やユーザー属性について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
4. LINE広告のキャンペーンの目的の種類
LINE広告のキャンペーンの目的は以下のようなものがあります。
広告を配信する目的に合わせたキャンペーンの目的を選択しましょう。
5. LINE広告のターゲティングの種類
メリットとして解説した通り、LINE広告はターゲティングが豊富です。
ここでは8つの配信機能を詳しく見ていきます。
5-1. オーディオセグメント配信
オーディオセグメント配信とは、LINEの持つ膨大な行動データをもとにしたセグメントを広告配信に利用できる機能です。
セグメントは性別や年齢、地域、趣味、関心、行動、購買意向など幅広い項目を設定できます。
広告の対象となるユーザーの属性や興味を推測してターゲティングすることでアクションをしやすいユーザーに広告を表示するため、見込み顧客を獲得しやすく、費用対効果の高い配信をすることができます。
また、LITTLE HELP CONNECTを利用してLINEとHubSpotを連携することで、LINE友だちの顧客関係管理や顧客情報をもとにしたセグメント配信をすることができます。
その他にも、LINEとHubSpotを連携することで様々な業務を効率化することができます。
興味のある方はぜひ、下記記事をご参照ください。
LINEとHubSpotの連携に関する記事はこちら
HubSpotに関する記事はこちら
5-2. オーディエンス配信
オーディエンス配信とは、ユーザーが取った行動データや購入履歴を活用して対象のユーザーに広告を配信する機能です。
例えば、購入履歴のあるユーザーに対して広告を配信して再度購入を促したり、逆に購入履歴のあるユーザーを除いて広告を配信することも可能です。
広告主が定めた条件を満たしているユーザーに対して広告を配信できるという点が特徴となっています。
5-3. 類似配信
類似配信とは、もととなるユーザーデータや顧客情報に類似したユーザーをLINE内から新たに探し、広告を配信する機能です。
例えば、購入履歴のあるユーザーをオーディエンスリストとして作成して類似配信をすることで、新規ユーザーを獲得することが可能です。
5-4. LINE Dynamic Ads
LINE Dynamic Adsとは、ユーザーの商品の閲覧履歴に基いて興味がありそうな商品を表示する機能です。
ユーザー一人ひとりに向けた配信最適化が可能となっています。
また、商品ごとに遷移先を設定でき、より効率的に再来訪や購入を促進できる点も特徴の1つです。
5-5. 友だち追加
友だち追加とは、LINE公式アカウントの友だちを獲得するためにLINEアプリ内に広告を表示する機能です。
エリアや性別、年齢など充実したターゲティング機能により、安価で効果的にLINE公式アカウントの友だちを集めることができます。
5-6.LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信とは、公式アカウントの友だちの属性をもとにオーディエンスの作成や、そのオーディエンスへのターゲティング配信をする機能です。
オーディエンスの作成は、アカウントの友だち(ターゲットリーチ)とブロック中の友だちの2つの作成が可能となっています。
また、このオーディエンスをもとに類似オーディエンスも作成できるため、未接触のユーザーへも広告配信が可能となっています。
5-7. リエンゲージメント配信
リエンゲージメント配信とは、アプリを既にインストールしているが現在は利用していないユーザーを対象に広告を配信し、アプリを再度利用してもらうように促進する機能です。
アプリ内で商品を購入した人、商品をカートに追加した人、商品を閲覧した人といったようにユーザーを絞ることができるため、そのユーザーに合った広告を出すことが可能です。
5-8. 自動最適化配信
自動最適化配信とは、機械学習とLINEのデータベースを利用して自動的に広告入札の最適化を行うという機能です。
目標に近づくように自動で調整しながら配信するため、効率の改善や運用工数の削減が期待できます。
6. LINE広告のフォーマットの種類とサイズ
次に、LINE広告で配信できるフォーマットについて解説します。
広告の目的に合わせて適切なフォーマットを選択しましょう。
6-1. Card
Cardは静止画(1200×628ピクセル)と動画(画面比率16:9)で、横長の形式で表示されるフォーマットとなっています。
トークリストやLINENEWSをはじめ、ほとんどの配信面に対応しているフォーマットです。
6-2. Square
Squareは静止画(1080×1080ピクセル)と動画(画面比率1:1)で、正方形の形式で表示されるフォーマットとなっています。
画面に大きく表示されるのが特徴であり、Cardと同様にほとんどの配信面に対応しているフォーマットです。
6-3. Vertical
Verticalは動画専用(画面比率9:16)で、大きく画面表示されるLINE VOOMに対応しているフォーマットとなっています。
LINE VOOM上では比率が3:4となり、上下が省略されてしまうため、画面下部に文字などを入れる際は注意が必要になります。
6-4. カルーセル
カルーセルは静止画専用(1080×1080ピクセル)で、スライド式で画像を最大10点まで表示できるフォーマットとなっています。
LINE NEWSやLINE VOOM、LINE BLOG、LINEポイントクラブに対応しています。
掲載面は限られていますが、複数の商品を表示させたい場合や、ストーリー式にしたい場合に使いやすいフォーマットです。
6-5. 画像(小)
画像(小)は静止画専用(600×400ピクセル)で、画像とテキストで構成されたシンプルなフォーマットとなっています。
アクティブ率の高いトークリストなどで表示されるため、シンプルでわかりやすいクリエイティブを意識しましょう。
6-6. 画像(アニメーション)
画像(アニメーション)は静止画専用(600×400ピクセル)で、イラストやテキストなどのモーション再生が可能なフォーマットとなっています。
ファイル形式はAPNGで、最大データサイズは300KBです。
画像(小)と同様に、アクティブ率の高いトークリストで表示されます。
7. LINE広告の費用
次に、LINE広告を出稿する際にかかる費用について解説します。
7-1. 課金方式
LINE広告の課金方式はクリック課金(CPC)、インプレッション課金(CPM)、友だち追加課金(CPF)の3つに分かれています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
7-1-1. クリック課金(CPC)
クリック課金とは、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて費用が発生する課金方式です。興味を持ったユーザーがクリックした際に課金され、広告が表示されるだけでは課金が発生しないため、費用対効果が高いというメリットがあります。
費用は1クリックあたりおよそ40〜150円ほどが相場となります。
7-1-2. インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金とは、ユーザーに広告が表示された回数に応じて費用が発生する課金方式です。多くのユーザーに見てもらえる可能性が高く、認知拡大に適しているというメリットがあります。
費用は1000回表示あたりおよそ400〜1000円ほどが相場となります。
7-1-3. 友だち追加課金(CPF)
友だち追加課金とは、ユーザーが広告を通してLINE公式アカウントの友達を獲得した際に費用が発生する課金方式です。関心度の高いユーザーであるため費用対効果が高い点や、公式LINEで継続的にアプローチできる点がメリットです。
費用は友だち追加1件あたりおよそ100〜400円ほどが相場となります。
7-2. 入札方法
LINE広告の入札方法は自動入札と手動入札の2つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
7-2-1. 手動入札
手動入札とは、担当者が手動で入札価格を調整する方法です。
運用状況を踏まえてその都度細かく調整することができますが、知識やスキルが求められる方法であり、調整には手間と時間がかかります。
7-2-2. 自動入札
自動入札とは、機械学習や過去のデータをもとにAIが自動で入札価格を調整する方法です。
手動入札と違って自分で調整できませんが、どのくらいの価格で入札を行えばいいのかわからなくても自動で設定してくれるため、知識やスキルが無くてもやりやすく、手間や時間もかかりません。
運用の初心者は自動入札を選択することがおすすめです。
8. LINE広告の運用のコツ
最後に、実際にLINE広告を運用する前に知っておきたいコツを解説します。
8-1. クリックしたくなるクリエイティブの制作
LINE広告の効果を向上させるためには、ユーザーがクリックしたくなるようなクリエイティブの制作が重要になります。具体的には、
・指先を止めてもらう
・パッと見て印象に残る
・ユーザー起点のメッセージ
といった要素を意識して、魅力的なクリエイティブを制作しましょう。
8-2. 自動最適化配信の活用
自動最適化配信は、機械学習やLINEのデータベースによって自動的に入札の最適化を行います。
目標に近づくように自動で調整してくれるため、初めてLINE広告を運用する人には自動最適化配信の活用がおすすめです。
8-3. クリエイティブのABテスト
常にクリエイティブのABテストを実施し、何が刺さっているのか検証しましょう。
高い成果を得たクリエイティブも次第に成果が落ちていく可能性があります。現状に満足せずに、分析と改善を繰り返すことが重要です。
9. まとめ
LINE広告の特徴やメリット、種類、費用、運用のコツをご理解いただけたでしょうか。
LINE広告とは、日本国内の「ライフプラットフォーム」として定着しているコミュニケーションアプリ「LINE」に配信できる運用型広告です。
LINE広告には、他の広告では実現できないような効果を期待することができます。
しかし、既に述べたようにLINE広告は運用工数がかかります。
LINE広告のメリットやデメリット、費用、広告出稿の目的などをもとに、本当に自社に合った手法であるのか注意深く検討した上で導入しましょう。
株式会社H&Kでは、マーケティングで様々な企業様に携わり、支援させていただいております。
記事を読んでLINE広告だけに関わらず、マーケティングについてもっと知りたくなった方は是非H&Kまでお問い合わせください。