あなたの企業では最近、新規顧客の獲得が難しくなっていませんか?
人口の減少が進み、顧客の獲得が難しくなった現代では、安定した収益を得るために既存顧客との関係を維持していくことが重要なのです。
しかし、頭ではわかっていても、実際に何をすればいいのか分からない人が多いと思います。
そんな人にもわかりやすく本記事では、リテンションマーケティングのメリットや成功のコツ、手法、成功事例をじっくり紹介していきます。
1.リテンションマーケティングとは?
リテンションとは英語で「維持」という意味で、マーケティングとは「販売・提供にいたるさまざまな活動」を意味します。
この2つを掛け合わせたリテンションマーケティングは、
既存顧客である企業や個人との取引継続やリピートなどを目的としたマーケティング施策です。
2.リテンションマーケティングのメリット
2.1「1:5の法則」
新規顧客を獲得するためのコストは既存顧客を維持するためのコストよりも5倍かかるといわれています。これが「1:5の法則」です。
新規顧客を獲得するためには、企業の認知から始まります。
その後、アカウントの作成や商品の詳細などを調べる必要があるため、商品購入までのステップが多くなり、その分のコストが発生します。
また、競合他社との価格競争や差別化を図るためにコストを必要とし、収益が結果的に下がっていくと新規顧客を獲得するためのコストも捻出が困難となってしまいます。
対して既存顧客は、以前に自社の製品やサービスを利用したことがあり、興味関心も既にあるので、少ない投資でリピートしてくれる可能性が高くなります。
2.2「5:25の法則」
5%の顧客離れを改善することが出来れば、利益が25%改善されるというのが「5:25の法則」です。
上記した1:5の法則より、既存顧客は新規顧客に比べて1/5しかコストがかかりません。
つまり、既存顧客の維持率をあげることが出来れば、新規顧客の獲得が出来なくても、結果的に利益率が改善され、5:25の法則が成り立ちます。
2.3 優良顧客の育成
優良顧客とは…
- 購入頻度が高い顧客
- 購入金額が高い顧客
- 来店回数の多い顧客
イタリアの経済学者であるビルフレッド・パレートが提唱したパレートの法則(80:20の法則)がありますが、
多くの企業では顧客全体の約20%の優良顧客が売り上げの80%を占める傾向にあるといわれています。
2.4 既存顧客からのフィードバックの活用
リテンションマーケティングの実施は、自社製品・サービスへ対する顧客からのフィードバックを積極的に受けて分析できます。
実際に使用してきた生活者ならではの意見をもらうことで、サービスの向上や品質向上のヒントになり得ます。
また、口コミやSNSによって第三者に紹介してくれる可能性があり、既存顧客の維持だけではなく、新規顧客の獲得にもつながります。
2.5 休眠顧客・離反顧客へのアプローチ
「休眠顧客・離反顧客」とは、過去に製品購入やサービス利用があったものの、その後しばらく取引のない状態が続いている顧客のことを指します。
これらの顧客が、利用をやめてしまった理由を探し出し、適切なアプローチをすることで、再び自社とやり取りしてくれる可能性があります。
2.6 LTVが向上する
LTVとはLife Time Valueの略で日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
ある顧客が、自社の製品やサービスを購入し、利用から終了までの間にどれだけ自社に利益をもたらしたかを示す指標です。
LTVは「購入単価×購入頻度×契約継続期間」で求められ、顧客の購入頻度が高ければ高いほど、契約継続期間が長ければ長いほど、LTVは高くなります。
リテンションマーケティングによって、顧客と良好な関係を維持し、LTVが上がれば、収益性の高い企業へと成長できます。
3.成功させるためのコツ

3.1顧客について知る
効果を出すためには顧客について深く知ることが大切です。
その時に活用できるのがCRMツールです。
CRMとは
Customer Relationship Managementの略で「顧客管理システム」を意味します。
CRMツールは、顧客の連絡先や過去にどのようなサービスや商品を購入したのか、会社との接触の記録の管理などを行うことが可能で、効率よく情報を収集する事が出来ます。
そして、この収集されたデータをもとに新たな施策の提案や、売れ筋商品の傾向を予測し、顧客との良好な関係を構築できます。
3.2KGI,KPI設定
リテンションマーケティングを行う際には指標を立てておくことが重要です。
そこで重要となってくるのがKGIとKPIです。
(KGIとは)
KGIとは、Key Goal Indicator (キーゴールインジケーター) の略称で「重要目標達成指標」や「経営目標達成指標」を意味します。最終的な目標やゴールの指標です。
(KPIとは)
KPI とは、Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケーター)の略称で「重要業績評価指標」を意味します。最終的なゴールに到達するために行う活動の行動指標です。
KPIツリーKGIを頂点として、KPIがトップダウン式に設定されているのが「KPIツリー」です。
KPIツリーを立てることにより、
最終的なゴールの内容や、その達成に向けたプロセスを可視化できるようになり、やるべきことを筋道立てて定めることが出来ます。
3.3 PDCAサイクルを回す
PDCAサイクルとは業務の管理や品質の管理などの効率的な改善方法です。
- PLAN(計画)…誰がどこでなにを、なぜやるのか(5W1H)
- DO(実行)…計画に沿った行動
- CHECK(評価)…どの行動が効果があったのか、または効果がなかったのかを評価
- ACTION(改善)…評価をもとに、改善していく
以上4つの頭文字をとってPDCAサイクルと呼ばれます。
課題解決のために、CRMツールを活用して情報を収集し、施策を計画して実行、評価をし、改善という一連のPDCAサイクルを速く回すことが重要です。
4.リテンションマーケティングの手法
4.1メールマーケティング
メールを活用し、既存顧客に対して、リテンションを図る手法です。
メールアドレスはほとんどの人が所持しており、多くの人に情報を届けることが出来ます。
また、低コストで始めることが出来るため、導入しやすいというメリットもあります。
マールマーケティングの主な手法は以下の4つが挙げられます。
- メールマガジン
- ターゲティングメール(セグメントメール)
- ステップメール
- リターゲティングマール
メールマーケティングでは、顧客全員に同じメールを送るのではなく、顧客と自社との関係や、顧客の購入状態などを考慮し、それぞれに対応した内容を送信します。これらの方法を適切に使い分けることが出来れば、高い効果を発揮します。
4.2レコメンド
インターネット上で閲覧した商品や、購入した商品などを基に、顧客の趣味嗜好に合わせ、オススメの商品やサービス、コンテンツを表示する手法です。
それにより、自分のニーズに合わせた情報を見つけやすくなるため、購入意欲を高め、購入単価や顧客単価の向上につなげることが出来ます。
4.3SNS
メールだけではなく、SNSを活用するケースがあります。
スマートフォンの利用率が上がると共に、SNSの利用率も急激に上昇している現在では有効な手段と言えます。
SNSの主な種類
- YouTube
- TikTok
- LINE
これらのアプリケーションから情報を発信することで顧客の満足度や、商品への興味関心を引くことが出来ます。
また、SNSでは意見をくれた顧客に対して、ダイレクトに回答やお礼をすることが出来るので、顧客の維持にもつながります。
4.4アプリのプッシュ通知
プッシュ通知とは、スマートフォンの画面に、クーポンの情報や、キャンペーン情報などのメッセージを表示する機能です。
メールでは、自分からメールボックスを開封する必要がありますが、プッシュ通知ではそのステップが必要ないため、開封率が高いといわれています。
アプリをインストールしているにも関わらず、長い間開いていない休眠顧客などに対してプッシュ通知を行えば、自社とのやり取りの再開を期待できます。
4.5リテンション広告
リテンション広告とは既存顧客に対しては商品やサービスをさらに利用してもらう事を目的とし、休眠顧客に対しては商品やサービスを再び利用してもらうことを目的としてアプローチする手法です。
リテンション広告はターゲットを明確に定め、価値ある情報の提供が重要となってきます。
例えば、1か月以上アプリを開いていない顧客に対しては、クーポンの情報やキャンペーンの情報などを広告配信することで、復帰を目指します。
4.6カスタマーサポート
カスタマーサポートとは、顧客の問い合わせに対応する業務、およびそれを行う組織の名称で、自社の商品やサービスに対する顧客の疑問点や不満を拾い上げるだけではなく、顧客が抱える課題を解決に導く役割を果たしています。
カスタマーサポートによって顧客の満足度を上げることが出来、自社への信頼感・安心感を得ることで顧客の維持にもつながります。
最近では、電話やメールだけではなく、チャットやSNSでの問い合わせも可能となっているため、誰でも簡単にお問い合わせする事が出来ます。
4.7カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは顧客の成功体験を創り出し、利益の拡大を促進する活動や戦略のことです。
カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせを受動的に対応し、必要以上に顧客に関わることはしませんが、カスタマーサクセスは顧客の成功を実現することを目指しているため、能動的に顧客に関わり、顧客の成功に向けて並走している関係と言えます。
そのため、顧客のデータを基に、様々なアドバイスを行います。
5.成功事例
5.1 ネットフリックス
ネットフリックスはサブスクリプション型動画配信サービスで、顧客が長期契約をしなければビジネスを拡大していくことはできません。
ネットフリックスではユーザーが…
- どのようなジャンルを視聴しているのか
- どの時間帯に多く視聴しているのか
- 視聴時間はどれくらいか
これらの要素のデータを収集・分析し、サービスの品質向上につなげています。
また、ネットフリックスは、オリジナリティーあふれるコンテンツも配信しているため、一部のユーザーにも深く刺さるコンテンツです。
それにより、長期契約につなげることや、口コミなどによる新規顧客の開拓が可能になっています。
その他にも解約してしまった顧客について分析することで新たな施策や改善につなげていくことが可能になっていま
5.2 星野リゾート
星野リゾートは日本を代表する総合リゾート運営会社です。
星野リゾートはリピート率20%以上を達成していて、5人に1人がリピートしています。
星野リゾートでは、アンケートによって顧客の意見を積極的に取り入れ、サービスの改善へと繋げています。
その他にも、顧客情報のデータ化によって、顧客の嗜好や要望などをあらかじめ把握しています。それにより、一人一人に最適な「おもてなし」を提供でき、リピート率が上昇しているのです。
5.3H&Kの成功事例
①鵜山リゾート株式会社様
鵜山リゾート様は以下の課題点を抱えていました。
- 顧客のリストがかなり蓄積されていた
- データの整理や分析が行われていなかった
そこで、弊社がHubSpotのマーケティングオートメーションを導入し、既存顧客ごとにパーソナライズ化したり、キャンペーンを行ったことによって、メール開封率が平均18%から25%のところ、御社の場合、58%以上を達成できているメールがありました。
今後はユーザーからのフィードバックや感想などを活用し、サービスの改善や集客施策に生かしていきたいと考えています!
【MA設計】顧客のデータ分析と集客キャンペーンの実行|メールマーケティングの開封率は驚異の58%越え (handk-inc.co.jp)
②株式会社Cheer様
Cheer様では、お客様の「顧客満足度」と「継続率」を一気に上げにいくというところを重要視し、 1万社や2万社に「あったらいいよね」と思われるサービスよりも、100社200社300社といった会社に「なきゃ困るよね」と言われるような熱狂的なファンを作れるサービスを目指しています。
お取引の「売上」だけではなく、「お客様の満足度」であったり、「運用状況(Cheercareerの運用をうまくできているか)」などを一緒に設定し、よりお客様への提供価値を高めていくためにスコアリングを刷新しました。
お客様の運用状況は日々変化するので、HubSpot内でどのように値が変化していくのかあったり、運用状況を見てお客様の年間のスケジュールを立ててご支援するなど、これからは数値をもとにしたよりサービス価値を高めていきます!
最先端のカスタマーサクセス設計|顧客満足度を最大化し、熱狂的なファンを作り出すサービス展開へ (handk-inc.co.jp)
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
当記事では、リテンションマーケティングのメリットや成功のコツ、手法、成功事例を紹介しました。
リテンションマーケティングは顧客の維持を目指しています。そのために今出来ることを行い、人口減少に負けない施策を目指していきましょう!
是非リテンションマーケティングを実施したいと考えている方はH&Kまでお問い合わせください!