Update.2023.07.14

4C分析とは?概要から4P分析、3Cとの違いまで幅広く解説

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今回は「4C分析」について解説します。4C分析とは、マーケティング戦略に用いられる手法です。

デジタル化が進む時代、顧客の発信力は高まり、顧客と緊密な繋がりが持てるようになりました。

今回紹介する4C分析はそういった顧客の目線で自社の問題分析を行う手法です。

今後企業のマーケティング戦略を高めるためにはどう4C分析を用いたらよいのでしょうか。本記事では4C分析の詳しい概要から4P分析、3Cとの違い、活用方法まで詳しく解説します。

 

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Contents

    4C分析とは

    4C分析とは?

     

    4C分析とは「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客の負担)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の4つの英単語の頭文字を取った言葉です。


    これまで用いられていた4P分析は「企業視点」の考え方であり、それを転換した考え方、つまり「顧客視点」の考え方が4C分析となります。

    では、4C分析とはどういった構成になっているのでしょうか。以下が4つの要素の概要となります。

    Customer Value(顧客にとっての価値)

    顧客にとっての価値とは、顧客が抱いている会社や企業に対するイメージです。商品の品質はもちろん企業のサービスやカスタマーサービス、ブランドイメージなどあらゆる観点から見た顧客の企業に対する価値を示しています。

     

    例えば以下のようなものがあります。

    ・商品デザイン

    ・ブランド力

    ・希少性

    ・アフターサービス

    ・手軽さ


    Cost(顧客の負担)

    顧客の負担とは、企業の商品やサービスに対し顧客が払うコストを指します。ここでいうコストとは価格だけでなく顧客が支払う移動費や時間なども含まれます。企業は顧客目線で自社製品にはコストをかけるだけの価値や妥当性があるかを考えなければなりません。

     

    Convenience(利便性)

    利便性とは顧客が商品を購入するプロセスの利便性を指します。ここでは商品自体の使いやすさではないことに注意してください。利便性の例として、店舗のアクセスの良さや決済サービスの充実度などが挙げられます。

     

    Communication(コミュニケーション)

    最後は顧客とのコミュニケーションを意味し、顧客と企業の接点を設け、顧客に認知してもらうことを指します。SNSやイベント、WEB広告などを用いて顧客が知りたい情報を届けることは企業にとって大切な事です。

     

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    4C分析が生まれた背景

    マーケティング画像3

    4C分析は1990年にアメリカのロバート・ローターボーン氏によって提唱されました。

     

    市場が激化し商品やサービスの差別化が必要となった近年、より商品を購入してもらうために企業目線での4P分析ではなく、顧客からの目線でマーケティング戦略を行うという4C分析の概念が生まれました。

     

    またあらゆる情報が行き交い、情報に懐疑性を持つ人が増える中で、顧客は友人の勧めや口コミ機能を頼るようになってきています。そしてSNSなどで商品の情報を発信するアーリーアダプターの増加もあり、企業からの目線である4P分析ではカバーできない領域が広まって来ています。こうした背景からも4C分析を行う必要性が見えてきます。

     

    では従来の4P分析とはどのような考え方なのでしょうか。以下で4C分析との違いを含め詳しく解説します。

     

     

     

    4P分析とは?4C分析との違いを解説

     

    4P分析

     

     

    4P分析とは

    4P分析とは企業目線で行うマーケティングのフレームワークを指します。

     

    1960年にマーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏によって提唱され、構成要素として以下の4つがあります。

     

    ・Product(製品)

    品質やデザインなどを決め、どのような商品・サービスを提供するかを指します。

     

    ・Price(価格)

    その商品・サービスをいくらで提供するのかを指します。

     

    ・Place(流通)

    その商品・サービスをどのように提供するのかを指します。

     

    ・Promotion(販売促進)

    その商品・サービスをどのように認知させ購入してもらうかを指します。

     

    これらの4つの頭文字を組み合わせたのが4P分析であり、マーケティングの基本といわれて来ました。

    4C分析と4P分析との違い

    4C分析、4P分析ともにマーケティング戦略で用いられる手法です。違いは企業目線のマーケティング戦略か顧客目線のマーケティング戦略かの違いがあります。

    そして4C分析と4P分析は互いの各構成要素が対応しています。

     

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    混合しないように!4C分析と3C分析、5C分析との違い

     

    4C分析と3C分析との違い


    ・Customer(顧客)

    ・Competitor(競合他社)

    ・Company(自社)


    3C分析とは、上記の3つの頭文字からなるフレームワークで自社の置かれている環境を分析する際に用いられます。3C分析は顧客のニーズ理解やペルソナ、競合他社と比べた自社の強みや弱みを知る際に役立ちます。


    いい商品を生み出すことも大事ですが、適切な市場選択や競合企業との差別化もマーケティングにおいて重要な要素です。


    この3Cに「Co-Prerator(協力者)」を加えた4Cという概念やBtoB向けに3Cに「市場分析」「競合分析」「自社分析」を加えた6Cというフレームワークも存在するので混合しないように注意してください。

    4C分析と5C分析との違い

     

    市場や顧客(Customer)

    ・競合(Competitor)

    ・自社(Company)

    ・顧客の顧客(Customer’s Customer)

    ・顧客の競合(Customer’s Competitor

     

    5C分析とは上記の5つの頭文字からなるフレームワークで、基本的には3C分析から派生したものといわれています。

    3C分析の要素に、顧客視点での妥当性を定める「顧客の顧客(Customer’s Customer)」と業界の外部要因を広義で扱う「顧客の競合(Customer’s Competitor)」を加えたのが5C分析となります。

    またこれら2つの代わりに「社会背景(Context)」「協力者(Collaborator)」を加える考え方も存在します。

    これらの似たような用語を理解し、違いを知っておきましょう。

     

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    4C分析の活用方法

     

    競合他社の分析に活用

    いくらいい製品を開発しても、競合企業が同じような製品を作っていたら競争激化や販売の抑制に繋がります。

    4C分析を活用することで競合他社との比較ができ、差別化などより効率的にマーケティングが可能になります。

     

    自社製品・サービスに活用

    いい製品はいつまでもいい製品でいられるかというとそんなことはありません。市場が変化し続ける中で、顧客のニーズは日々変わって行きます。

    4C分析の活用によってニーズの変化に対応し、既存製品の定期的見直しや新商品の開発を行うことができます。

     

    自社リソースに活用


    4C分析で顧客からの客観的な視点で企業を見ることによりSWOT分析のように、その企業の強みを知ることができます。強みを生かした競合他社との差別化はマーケティングにおいて非常に強力な武器となります。


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    4C分析を導入する際のキーポイント

     

    ペルソナ分析

     

    まず顧客のニーズを満たす商品を生み出すためにはターゲットの明確化をすることが前提にあります。明確化をすることでより顧客のニーズを満たすことができ、結果としての企業価値の向上に繋がります。

     

    ペルソナとは対象とする市場の年齢や性格、仕事、役職などを考え、想定される代表的な人物像を描くことです。1人の人格に絞ることで方針に軸ができ、ターゲットの明確化に繋がります。

     

    STP分析

     

    STP分析を行うことで市場のセグメンテーションや自社の立ち位置を分析することができます。

     

    STP分析とは

     

    セグメンテーション(市場の細分化)

    ・Targeting(市場の決定)

    ・Positioning(立ち位置の把握)

     

    これら3つの頭文字を取ったマーケティング手法です。

     

    4C分析を行う際はその顧客視点が自分の市場に適した人の視点でないといけません。適切な市場のニーズを把握し、自社の価値をより引き出すためにSTP分析を活用しましょう。

     

    セグメンテーションやSTP分析の詳細はこちらに

    セグメンテーションとは?

     

    4P分析との併用利用

     

    これらの準備が終わったらいよいよ実践戦略です。商品をどのようにマーケティングしていくかを定めることをマーケティングミックスと言います。

     

    マーケティングミックスでは、顧客目線での4Cと企業目線での4Pを用いて、双方向から戦略をたてます。

     

    またこれらの分析が終わっても油断してはいけません。コストだけを気にしてサービスをないがしろにしてないかなど、4C分析の4つの要素できちんと整合性が取れているかを確認する必要があります。

    また4C分析をしていたつもりでも、マーケティングをする上でどうしても企業側の視点になってしまいがちです。常に顧客視点で価値を提供しているか確認する必要があります。

     

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    実際の事例

     

    スターバックスの4C導入例

     

    人気飲食店スターバックスも4C分析を取り入れ、企業成長を実現しています。

     

    ・Customer value

    顧客価値実現のため、顧客が思わず行きたくなるようなメニューや空間を創造し、家庭でも仕事でもない第三の場「サードプレイス」を作りあげました。

     

    ・Cost

    比較的リーズナブルな値段でドリンクやフードを楽しむことができる。

     

    ・Convenience

    人の多い場所に店舗を構え、交通量の多い場所にはドライブスルーを併設するなどの立地戦略「Main&Main」を取り入れています。

     

    ・Communication

    ドリンクカップへのメッセージなどオフラインの面で顧客とのコミュニケーションをはかるとともに、SNSを用いてオンラインの面でも同様にコミュニケーションを行い、認知やブランドイメージを高めています。

     

     

    株式会社H&Kが4C分析を行った株式会社Stock

     

     

    株式会社Stockは、ITに詳しくない60代の方でも、何の説明もなく使える程シンプルな情報共有ツール「Stock」の開発・運営をしています。

     

    このStockは「世界中の非IT企業の業務・情報共有ストレスをなくす」ことをミッションに掲げ2018年4月に正式ローンチして3年で50,000社以上に導入されており、現在日本で最も注目されている情報共有ツールの一つです。

     

    この企業は、顧客目線で問題を分析して顧客獲得向上をしました。

     

    具体例は

    ・既存顧客の属性と課題分析から顧客が求めている顧客の価値を分析

    ・利便性を高めるため、対面イベントからオンラインのウェビナーにシフト

    ・ウェビナーを開くことで顧客との接点を確保

     

    詳しくは以下の記事をご覧ください。

    株式会社Stock成功事例

    これらの分析・企画などは我々H&K株式会社が行いました。以下のサイトにて他の成功事例も紹介しています。

    株式会社H&K成功事例

     

    まとめ

     

    この記事では4C分析について解説を行いました。4C分析は顧客目線のマーケティング手法で企業の見えていなかった課題や強みを知ることができます。そして市場が常に変化する近年、4C分析の重要性は日々高まっています。ぜひ4C分析を行う際に本記事を参考にしてみてください。

     

    H&Kでは、マーケティングコンサルを行っています。4C分析やその他マーケティングに関して興味がある方やお困りの問題がある方はお気軽にお問い合わせください。

     

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。