「採用が上手くいかない」
「なかなか人が集まらない」
とお困りの方はいませんか?
採用活動が上手くいかないのは採用計画の立て方に問題があるのかもしれません。
この記事では採用計画の立て方やポイントについて詳しく解説していきます。
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1.採用計画とは
採用計画とは経営方針や事業計画に基づいた、新しい人材の採用や既存社員の異動・配置についての計画のことです。
具体的には、
・どの部署に
・いつまでに
・何人
・どのような人を
・どのような方法で
採用するのかということを明確にし、採用活動の指標とします。
1-1.採用計画が必要とされる理由
採用計画は採用を成功させるために不可欠です。そして採用が成功した状態とは、入社してくれた人が自社が求める人材条件に合致しており、さらに入社後に成果を発揮してその後も働き続けてくれるという状態を指します。
これを実現するために採用計画が必要とされるのには以下のような理由があります。
・自社の人材条件を明確にすることで、求める人材を採用しやすくなる
選定方法や評価方法を確立し、「採用する人材条件」について選考者全員が共通の認識を持ってから採用活動を始めることで、評価のズレが生じにくくなるというメリットがあります。
・採用活動の進捗を測れる
立てた計画通りに採用活動が進んでいるのか、採用コストに無駄は生じていないかなど、計画とのズレを認識でき、予定通りに採用できないという事態を回避しやすいというメリットがあります。
・課題の解決につながる
計画と実態に乖離がある場合、何らかの課題があります。それらを早期に発見できることで、どこに原因があるのか素早く課題を特定し解消することができるというメリットがあります。
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2.採用計画を立てる前にやるべき準備
具体的に採用計画を立てるためにはどのような手順を踏んでいく必要があるのでしょうか。自社に適した採用計画を立てるために、前もって準備するべきことは、以下の3点です。
・事業計画・採用人数を把握する
・採用課題の把握
・競合他社の調査
それでは以下でそれぞれについて詳しく解説したいと思います。
2-1.事業計画・採用人数を把握する
まずは部署や部門、職種ごとにどのような人材が何名必要かを把握します。
急成長フェーズにある組織においては、必要な人員数をつい過剰に見積もってしまう可能性がありますが、即戦力人材を期待する中途採用においても、入社直後は、その会社のルールを学び、業務に慣れる時間と教育の場が必要です。
「採用したが、教える社員が足りない」といったことがないよう、入社後の受け入れ体制を十分加味したうえで、採用人数を決定しましょう。
2-2.採用課題の把握
次に、これまでの採用実績を振り返り、採用課題を把握します。
たとえば、内定辞退の人数が予想よりも多かった場合、内定後のフォローに課題があると考えられるでしょう。
また、入社後の定着率が低い場合には、オンボーディング施策や研修制度の見直しや、社内コミュニケーションに問題がないかを調査・改善するといった課題が見えてきます。
そのほか、これまでに入社した人材が期待通りに活躍できているかを振り返り、採用の評価基準やロールモデルを検討し直す必要が出てくる可能性もあるでしょう。
このように、過去の採用活動を振り返ることで、改善すべき採用課題がないかを把握しておくことが重要です。
2-3.競合他社の調査
最後に、競合他社の調査です。
採用市場全体の動向だけでなく、業界ごとのトレンドなどについても収集・分析を行い、自社の状況を客観的に把握することが大切です。また、求職者の動向を把握することも忘れずに行いましょう。
競合との差別化を図ることで、自社の魅力をアピールして求職者に選ばれやすくなるというメリットがあります。
他社との差別化を図るためには、競合リサーチが必要となります。まず、自社の競合を知るために求職者が「自社をどの企業と比較しているのか」を知ることから始めましょう。
具体的な競合リサーチのポイントとしては以下の3つがあります。
・採用競合の調査
・企業口コミサイトなどの利用
・採用を専門とする代理店の利用
【採用競合の調査】
新入社員がいる環境であれば、入社前に比較をした企業についてヒアリングを行いましょう。
・応募時に何を重視したか
・どのような企業に応募したのか
・最終的に比較検討した企業について
・自社に入社を決めた理由
・印象的だった説明会や面接
など、調査対象を絞り込む項目についてヒアリングすると良いでしょう。
【企業口コミサイトなどの利用】
企業口コミサイトなどを見ると、現職者や退職者、そしてエントリーを検討している方々の声が確認できます。
具体的には下記のような項目に注目してみると多くの情報を得ることができます。
・応募を辞退した理由
・内定を辞退した理由
・退職した理由
・エントリーを検討している理由
・入社前と入社後のギャップ
【採用を専門とする代理店の利用】
中小企業の場合は新入社員がいなかったり、口コミが少なかったりすることもあるかもしれません。
そのような時は採用を専門としている代理店などへ競合がどこにあたるのか相談してみましょう。
リサーチしていた採用競合が的外れだった場合、時間だけを浪費し、結果が伴わないということになりかねません。
DigHRでは競合他社の調査から採用全般まで幅広く採用に関わる業務をお手伝いさせていただいております。
採用についての相談はDigHRまでお問い合わせください。
3.採用計画の立て方5ステップ
採用計画を立てる事前準備を終えたら、続いては具体的な計画です。採用計画の立て方を紹介します。
採用計画を立てる際には以下の5ステップがあります。
①採用目標、目的の明確化
②中長期的な採用ニーズの把握
③選考方法の検討
④スケジュールのシミュレーション
⑤募集媒体の選定
それでは、以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
3-1.①採用目標、目的の明確化
計画の第一歩として決めるべきことは、目標と目的です。経営方針や事業計画に基づき、具体的には
・どの職種で何人必要か
・どんな仕事に対してか
・どんなスキルが必要か
・どういった行動特性を持っている人か
を明確にします。
採用目標が明確になっていないと、採用活動が進むにつれブレが生じてしまい、採用が失敗する要因となってしまいます。
3-2.②中長期的な採用ニーズの把握
続いては、中長期的な採用ニーズの把握です。
欠員募集など目先のものだけではなく、会社の目指す方向に向けて、どのような組織づくりをしていかなければならないかを踏まえ、3年、5年、10年程度のスパンで想定される採用ニーズを把握していきます。
例えば、中長期的な採用ニーズは組織強化、組織拡大、技術やノウハウの継承などを目的としていることが多いため、主に新卒などの若手人材が対象となることが多くあります。
中長期的な観点で採用計画を立てておらず、このまま少子高齢化が進行していくと「そろそろ若手の人材を入れたいな」と思った時には今よりも格段に若手採用が難しくなっているということも考えられます。
顕在化している目先の採用ニーズだけではなく、中長期的な計画を立てておくことは後回しにできない重要な項目です。
3-3.③選考方法の検討
選考方法は会社が求める人材かどうかを見極めるために非常に重要なプロセスとなります。主な選考方法には以下の三つが挙げられます。
・書類選考
・筆記選考
・面接選考
【書類選考】能力や意欲などを測る
・履歴書/職務経歴書
・エントリーシート
・自己PRなど
【筆記試験】知識や適性などを測る
・一般常識試験
・適性検査
・小論文
・専門知識試験など
【面接選考】総合的な人物像の評価
・個人面接
・集団面接
・グループディスカッションなど
以上のようなさまざまな選考方法を検討し、採用基準となる合格ラインを設定します。選考はターゲット像、採用コストなどを総合的に検討するため、企業によって異なります。
それぞれの特性を理解し、求めるターゲット像となる応募者を見極めましょう。
3-4.④スケジュールのシミュレーション
採用スケジュールのシミュレーションも実は採用を成功させるためには非常に重要なポイントとなります。
近年、新卒・中途問わず採用のスピード化、短期化が進んでいます。
その背景には、
・複数社検討している際、先に内定が出た会社を優先する
・とりあえずエントリーするのではなく、数を絞ってエントリーする
といった方が増えているためです。
このような環境で、
・想定していたよりも応募が多かったので、通過の連絡が遅くなってしまった。
・優秀な人材が多く、すべて面接してから合否を決めたい
と想定よりも対応が遅くなると、良い人材と出会ったとしても、だれも入社につながらなかったということが起きてしまいます。
したがって、採用スケジュールを作成した後、計画に無理がないかしっかりとシミュレーションを行うことが重要となります。
3-5.⑤募集媒体の選定
最後は、募集媒体の選定です。人材採用難が続く昨今、求人メディアもかなり増加しており、媒体選びも採用の成功にかかわるポイントとなっています。
ターゲットの属性、性別、年齢、経験年数など採用目標にあった媒体選びができるよう、以下のような募集媒体の中から、採用ポジションに合うものを比較検討しましょう。
・自社Webサイト、公式SNS
・求人広告(就職サイト・転職サイト)
・スカウトサービス
・人材紹介会社、ヘッドハンティング
・ソーシャルリクルーティング(ビジネスSNS)
・転職フェア、合同企業説明会
・ハローワーク
・学校へのアプローチ(求人票、学内合同企業説明会、推薦など)
・リファーラル採用(社員からの紹介)
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4.採用計画を立てる際の2つのポイント
ここまで、採用計画の立て方について解説してきましたが、ここではその際にポイントとなる点について解説したいと思います。
採用計画を立てる際には、以下の2つのポイントがあります。
・計画通りに進んでいるかチェックする
・前回の採用を振り返る
4-1.計画通りに進んでいるかチェックする
「うまくいっていない」ことがわかっていても、プロセス管理ができていないと、具体的な改善に移しにくいものです。
壁にぶつかった際にも、改善策を出しやすい採用活動をするには、プロセスごとに、エントリー者数、説明会参加者数、応募者数、面接設定数、面接通過者数、内定者数、辞退者数など具体的な数字を管理・確認することが大切です。
計画通りに進んでいない場合は、どのプロセスで問題が起きているのかを確認し、改善策を実行しましょう。
また、採用計画を最後まで遂行するためには、「途中での見直し」についてもあらかじめ視野に入れておきましょう。
そのためにも、それぞれの行程で「振り返る時間」を採用計画立案時から設けておくと、不要な混乱を回避できます。立案時に設定した目標採用人数に達していないなど計画通りに進んでいない場合は、計画のどこでつまずいているのか、理由は何かを確認し、早期改善につなげます。
4-2.前回の採用を振り返る
2回目以降の採用計画策定では、必ず前回の採用について振り返りを行いましょう。過去の実績を振り返り、分析することで次の採用計画の質が上がります。スケジュールに問題がなかったか、採用方法は適切だったか、辞退者の理由はなんだったのかなど、課題だと感じた点を中心に分析を行います。
・スケジュールに無理はなかったか
・面接をはじめ採用活動中に候補者との間でクレームや事故はなかったか
・求人媒体やツールの費用、その配分は適正だったか
・候補者が最終的に自社を選んだ理由は何か
・内定辞退者の理由は正確に把握しているか
・採用した人材は入社後、期待通りの活躍をしているか(求める人材の定義・選定基準は適切だったか)
これらのチェックポイントは、特に重視して振り返ることをおすすめします。振り返るタイミングについては、採用活動が終了した直後に行うのが良いでしょう。次の採用計画をスムーズに行うことができます。
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5.採用計画に沿ってスピーディーな採用を実現するには
新卒採用においては採用時期が決まっていますが、中途採用は欠員した人材を補充するために求人を募ることが多いため、スピーディーな採用活動が求められるでしょう。また、競合他社との人材獲得競争に勝つためにも、スピード感は重視すべき点といえます。
ここからは、スピード感をもって採用計画を進めていくためのポイントについて解説します。これには主に以下の5つがあります。
・採用プロセスごとの期間
・応募者への対応
・選考と評価
・内定者フォロープログラム
・採用代行の活用
5-1.採用プロセスごとの期間
まずは採用プロセスごとの期間です。書類選考から、面接、内定とプロセスを進める中で、スピード感に欠けてしまうと、候補者が早々に他社の内定を承諾し、自社の内定を辞退してしまうかもしれません。
求める人材に確実に自社へ入社してもらうためにも、採用スケジュールが決定したらプロセスごとにそれぞれにかける期間を設定し、スピード感を意識して動いていくことが重要です。
5-2.応募者への対応
続いては、応募者への対応です。応募が多数集まっても、候補者に対し適切な対応ができなければ、入社には至りません。採用活動の目的は「母集団を形成すること」ではなく、あくまでも「活躍する社員を採用すること」です。
候補者への連絡手段や内容、頻度、タイミングなどをあらかじめルール化し、担当などを明確にすることで、漏れなく適切な対応ができる体制づくりを進めましょう。
そうすることで自社への信頼にも繋がります。
5-3.選考と評価
さらに、面接での「候補者体験」をできるだけよいものにすること、採用活動におけるオペレーションの精度を向上させることも、採用計画における重要な要素です。
準備が不足した採用活動によって候補者の入社意欲を下げてしまうこともあります。オペレーションがスムーズに進むよう、連絡スピードなどの対応ルールに加え、面接における質問、面接官があらかじめインプットすべき情報や心得などを候補者視点でチェックし、候補者からの印象をできるだけよいものにしましょう。
また、選考時のルールだけでなく、評価も社内で標準化することが大切です。面接官の主観的な評価によって不公平・不適切な判断が下されることがないよう、共通の基準を設けることが不可欠です。また、評価方法の選定や評価シートの準備、面接官向けのトレーニングなどを、必要に応じて導入しましょう。
5-4.内定者フォロープログラム
新卒採用、中途採用どちらの場合も、内定通知から入社までに一定の期間が空いてしまいます。入社するまでの間、内定者にモチベーションを高く保ち続けてもらうため、この期間にすべき「内定者フォロープログラム」も検討するとよいでしょう。
内定通知や採用決定をゴールとするのではなく、入社後いかにスムーズに組織や業務に慣れてもらい、活躍までの期間を短縮するかという観点が大切です。
この期間を上手く活用し、入社後の負担を軽減させましょう。
5-5.採用代行の活用
最後に、採用代行の活用です。
ここまで、採用計画の立て方から実際の採用に繋げるまで詳しく解説してきましたが、正直ここまでの余裕がない、と思われた方も中にはいるのではないでしょうか。
そんな時には、これらを請け負ってくれる採用代行の活用をお勧めします。
H&Kでは、求める人材を採用できるような採用業務の代行をしております。
採用についての相談はH&Kまでお問い合わせください。
6.採用代行(RPO)の成功事例
6-1.新卒採用コンサルティング事例:ベンチャー特化型採用媒体Cheer Careerの導入/運用支援
株式会社コラボテクノ様(本社:東京都港区新橋、代表取締役:吉田光哉 様)
6-2.新卒採用コンサルティング事例:採用マーケティングを導入した最先端の採用とは|採用基準・採用戦略・コンテンツ設計について
株式会社セレブリックス様(本社:東京都江東区 、代表取締役: 江川 利彦)
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7.まとめ
以上、採用計画の立て方から、実際に採用するまでの流れについて解説しました。正しい採用計画を立て、採用成功に繋げてください。この記事が少しでも参考になっていれば幸いです。
採用についての相談がありましたら、H&Kまでお気軽にお問い合わせください。