Update.2024.06.05

HubSpotとSalesforceの違いを比較 自社に合うCRMプラットフォームはどっち?

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HubSpot(ハブスポット)とSalesforce(セールスフォース)はどちらも世界的に評価の高いCRMプラットフォームです。

「自社でどちらのツールを導入すれば良いかわからない。」という方に向けて、HubSpotとSalesforceを「価格・機能・導入とサポート」の3つの観点から比較をしました。CRMプラットフォームをお選びの際に、ぜひお役立てください。

CRMツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください

CRMとは?その意味から導入するメリット・選び方まで詳しく解説!

Contents

    HubSpotとSalesforceの特徴

    初めに、HubSpot(ハブスポット)とSalesforce(セールスフォース)の特徴を解説いたします。

    操作性が一貫しているHubSpot

    HubSpotとは、2005年にアメリカで開発されたインバウンドマーケティングのプラットフォームです。現在では、世界の120を超える国と地域、128,000社以上が導入している、マーケティング・営業・カスタマーサービスの統合型クラウドサービスです。

    HubSpotは、無料のCRM機能と複数の有料機能によって構成されています。そのため、自社の課題や、行いたいマーケティング施策に合わせてツールを組み合わせることができます。

    顧客対応を行うチームが顧客との関係を強化し、優れた顧客体験を提供するために必要な情報を一元管理できます。HubSpotは1つのコードベースで自社開発されているため、プラットフォーム全体の操作性が一貫しており、社内への定着も活用もスムーズです。

    カスタマイズの自由度が高いSalesforce

    Salesforceは、アメリカのSalesforce.com.incが提供するCRMツールです。全世界で185,000社が利用していて、シェア数は世界一位を誇っています。

    営業、カスタマーサービス、マーケティング向けの各種アプリケーションにより、顧客と企業を結び付けることができるツールです。

    HubSpot と同様に複数の機能を提供しており、中小企業から大企業まで幅広い企業が利用できるサービスを提供しています。また、このうちSales Cloudが中核となる機能で、これを軸に他の機能を利用していくイメージとなります。

    HubSpotとSalesforceの違い

    ここから、HubSpotとSalesforceの違いは主に

     

    ・料金体系

    ・機能

    ・導入とサポート

    の三点があります。

    料金体系

    HubSpotとSalesforceは異なる料金体系になっています。

     

    HubSpot

    HubSpotには、「Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hub、Operations Hub」の5つの機能それぞれに「Starter、Professional、Enterpris」のプランがあります。そのため、それぞれのサービス契約時に自社に合わせたものを選択することができるのです。

     

    Free

    Starter

    Professional

    Enterpris

    Marketing Hub

    料金(利用可能なマーケティングコンタクト件数)

    5,400円

    (1,000件)

    96,000円

    (2,000件)

    432,000円

    (10,000件)

    Sales Hub


    料金(有料ユーザー数)

    5,400円

    (2名)

    54,000円

    (5名)

    180,000円

    (10名)

    Service Hub


    料金(有料ユーザー数)

    5,400円

    (2名)

    54,000円

    (5名)

    144,000円

    (10名)

    CMS Hub

    2,700円

    54,000円

    180,000円

    Operations Hub

    5,400円

    86,400円

    240,000円

    *表記は月額料金です。

    *料金プランは2024年5月現在のものです。

     

    HubSpotの価格には、必要な主要機能がすべて含まれています。営業活動を担当する有料ユーザー数を増やす場合にのみ、追加料金が発生します。レポートの閲覧など一部の機能のみをご利用いただくユーザーであれば、無料でご利用いただけます。

     

    HubSpotの強みはやはり無料の機能があることでしょう。CRM+インサイドセールス機能をいくつか付けた初期導入パッケージは無償であり、「試しに導入してみたい」という中小企業のニーズにも答えることができます。この無償パッケージで、小さい会社であればたいていのことが数人の営業担当者でも対応可能です。

     

    HubSpotの料金プランについては以下の記事で詳しくまとめております。

    →【2024年最新】HubSpotの料金プランを徹底解説!費用対効果を比べよう!

     

    Salesforce

    Salesforceは年間契約で、ユーザー1人につき決められた月額料金がかかります。メインとなるSales Cloudの料金プランは「Essentials、Professional、Enterprise、Unlimited」の4つに分かれており、プランによって使用できる機能が変わります。

    プラン

    料金

    Essentials

    3,000円(利用人数が10名限定)

    Professional

    9,000円

    Enterprise

    18,000円

    Unlimited

    36,000円

    上記のプランの中で、Sales Cloudのすべての機能が含まれているのはUnlimitedになります。また、さらにサポートプランや導入支援、アドオンの追加で料金が発生します。

    Salesforceはユーザー単位で課金され、主要機能の追加には別途料金がかかります。マーケティングチームと営業チームの連携強化、経営幹部の可視性を高めるレポート、営業担当者向けの受信トレイの共有にも、追加のコストが発生します。

    加えて、Salesforceはカスタマイズを前提に設計されているので、初期導入からすぐに数百万円単位の導入費用となりうることが予想されます。

     

    結論、 Salesforceには、時間の経過とともに加算される追加コストが多くあります。それに比べてHubSpotの価格設定は、自社のビジネス・規模に合わせて無料機能と有料機能・料金プランを細かく分けています。総額は、時間の経過とともにSalesforceの数分の1になります。

    よって、大規模な成長企業にとっては、HubSpotの方が圧倒的に透明性が高く、スケーラブルな価格設定モデルとなっています。しかし、HubSpot使用時であってもアドオン・カスタマイズが必要な場合は、費用も多額になるので注意しましょう。

     

    機能

    CRMツールを導入する際に最も重要となってくるのは機能面です。なぜなら、営業プロセスの基盤となるのがCRMだからです。CRMは日々の案件整理に役立ち、業務の生産性を高められる必要があります。さらに、組織の収益を向上させると共に、企業の成長に合わせて拡張できなければなりません。

    ここでは、

    ・機能の方向性

    ・機能性

    ・拡張性

     

    の3つの観点から比較を行います。

     

    ・機能の方向性

    まずは、両ツールに設定されている機能の方向性について比較します。

     

    ・ユーザーの操作性・定着に優れている「HubSpot」

    ・カスタマイズ性・多様な機能の「Salesforce」

     

     HubSpotは、管理者、営業担当者、マネージャーの使いやすさを重視して設計されており、最も使いやすいCRMおよびBtoBソフトウェアとして評価されています。HubSpotを使用するユーザー間では、特に利用の定着率の高さを評価する声がよく聞かれます。

    よって、導入にかかる時間と費用を抑え、CRMシステムを誰でも管理できるようになっています。なので、CRMの設定や管理に際して専門家の手を借りる必要はありません。

     

    Salesforceは、HubSpotと比較してカスタマイズ性に優れており、自社に適したカスタマイズを行うことにより、CRMとして活躍します。無限にカスタマイズできる堅牢なレポート機能を備えたきわめて強力なツールです。

    しかし、カスタマイズには時間がかかり、導入・メンテナンス・理想のカスタマイズを行うためには、トレーニングを受けた経験豊富な開発者が必要となります。

     

    ・機能性

    次は、機能性について比較を行います。

     

    ・自社に合わせて自在にカスタマイズすることができる「Salesforce」

    ・無料という強みと機能豊富でありながらも営業担当者が簡単に使用できる「HubSpot」

     

    ダッシュボード・レポーティングの場面においては、優れた機能とそれらを支える分析機能を兼ね備えたSalesforceが優れています。HubSpotの場合、ダッシュボードとレポーティングのアドオンをプレミアムプランで追加することで、200種以上のダッシュボードが作成できます。しかし、Salesforceはそれをはるかに上回る分析とダッシュボード機能を持っています。導入と使いこなすための訓練にはそれなりの労力が必要になりますが、ダッシュボード・レポーティングにおいてはSalesforceが有利な状況です。

     

    しかし、リードジェネレーションの場面においては、圧倒的にHubSpotの方が優れています。Salesforceの場合、Pardotを導入しない限りMAの機能は使えませんが、HubSpotではEメールやフォーム、広告連携が無料で使用できます。また、シーケンス機能があり、営業からステップメールを送信することも可能です。今までステップメールはマーケティングのものとなっていましたが、HubSpotではセールスでも扱えるように工夫しています。



    しかし、SalesforceはUIや機能が複雑であるため中小企業やノウハウ、経験者がいない企業には難しいといえるでしょう。そのため、シンプルなUIと管理者、営業担当者、マネージャーの使いやすさを重視して設計しているHubSpotをお勧めします。

     

    ただ、自社の規模やスタートアップなどのフェーズによって最適なCRMツールは異なるため、本記事を参考に、自社にあったCRMプラットフォームを選ぶことが必要です。

    ・拡張性

    CRMには、ビジネスの成長に応じて拡張したり、ビジネスニーズに合わせて変更していく必要があります。そこで、CRMをカスタマイズできる柔軟性と管理性が非常に重要です。

    ここでは、拡張性について比較を行います。

     

    ・アップグレードの容易さと柔軟性を求めるのであれば「HubSpot」

    ・細かいカスタマイズにより自社のあらゆる要求にこたえることができる「Salesforce」

     

    HubSpotでは、自社の規模とフェーズに合わせた料金プランと機能を提供しています。無料プランから始めて、成長に合わせてアップグレードを行っていくことが可能です。よって、アップグレードしていくことで、機能面で不都合を感じることはありません。カスタムオブジェクトを使用して柔軟なデータ構造を実現できるため、カスタム実装も容易です。

    ただし、高度なカスタマイズが必要な場合は、対応できない状況が発生する可能性もあります。

     

    その点においては、Salesforceは非常に高い拡張性を備えています。あらゆる要求にも対応できるように設計されており、自社が求めるカスタマイズにも対応することできます。

    導入とサポート

    実際導入するとなったら、そのためのノウハウや仕組みを理解する必要があります。導入支援やサポート体制が充実しているのと充実していないのでは大きな違いになります。

    ここでは、導入支援とサポート体制の比較と、2つのCRMツールの連携について解説します。

    ・導入実績

    まずは、HubSpotとSalesforceの導入実績について比較します。

     

    HubSpotは、現在世界の120を超える国と地域で、128,000社以上が導入しています。

    一方、Salesforceは、185,000社以上の採用実績がありシェア数世界一を誇るCRMツールです。日本でも約6,000社の企業が利用しています。

    どちらも世界を代表するCRMツールであり、一長一短の特長があります。現在では導入実績はSalesforceの方が多いという状況です。

     

    ・導入サポート体制・トレーニング

    次に、それぞれのサポート体制について比較します。

    HubSpotは、カスタマーサポートチームおよびカスタマーサクセスチームによる丁寧なサポートを提供しています。また、「Professional、Enterprise」を利用している場合、追加料金なしで電話・メールサポートを利用することができます。また、HubSpotアカデミーでオンライン学習を無料で利用することができます。

     

    よって、サポート面は十分に充実し、ビジネス成長や規模の変化によっての追加料金が発生しない点が特長です。

    対してSalesforceでは、24時間365日体制のPremierサポートを利用するには、契約価格の20%の追加料金を支払う必要があります。

    また、追加機能へのアクセスを希望する場合は、契約価格の30%の追加料金が必要です。しかし、Salesforceにはオンラインコミュニティがすでに多数あり、日本語でもアクセスが可能なものが数多くあります。そのため、ユーザー間のサポートは充実しています。

    よって、Salesforceのサポートプランを選択する場合は、チームのニーズをあらかじめ正確に予測しておくことが必要です。

    HubSpotとSalesforce両者ともCRMツールという難易度の高い製品を扱う上で、充実したサポートによって導入支援を行っています。しかし、導入後のサポートに対する料金面で言うと、追加料金がなく無料のオンライン学習などでサポートを受けられるHubSpotは選ぶ際に重要になってくるでしょう。 

    比較のまとめ

    HubSpotは、無料の機能と豊富な料金プランにより、安価で誰でも操作が可能なCRMツールを提供しています。しかし、高度なカスタマイズと拡張性には劣ります。

    Salesforceは、カスタマイズ性に優れており、あらゆる要求にも対応できるCRMツールとして活躍します。しかし、時間の経過とともに加算される追加コストが多く、導入・メンテナンス・理想のカスタマイズを行うためには、時間と労力・ノウハウを持った経験者が必要になってきます。

    HubSpotとSalesforceの連携

    HubSpotとSalesforceは容易に連携・移行することができるので、「二つの強みを取り入れたい」「Salesforceを使っていたけどHubSpotに移行したい」という悩みも解決することができます。

     

    HubSpotとSalesforceの連携は、とても容易に行うことができ、データの同期はわずか数分で実行でき、またこの連携により複数のチームで両方のプラットフォームを利用できるのです。

    SalesforceからHubSpotへの移行をする際は、専門の移行チームが業務への影響を最小限に抑え、将来にわたって拡張可能な最適なシステムを新規で設計できるようサポートする体制が備わっています。

    HubSpotとSalesforceを連携することのメリットについて詳しく書いている記事があるのでご参考にしてください

    →HubSpotとSalesforceを連携することで得られるメリットとは

    まとめ

    本記事では、HubSpotとSalesforceを

    ・価格

    ・機能

    ・導入とサポート

    の3つの観点から比較をしました。どちらも世界トップクラスのCRMツールであることには変わりありません。

     

    情報化が進み、激しい変化と競争に対応するためには、CRMは非常に重要な武器となるでしょう。企業の規模・フェーズによっても合うサービスが変わるため、本記事を参考に、二つのサービスをしっかりと比べて自社に合ったサービスを選定しましょう。

    また、初めてのCRMで導入を検討中という方は、まずはHubSpotを導入することをお勧めします。上記でも述べた通り、HubSpotは無料の機能・安価・ユーザーの操作性に特化したツールとなっているからです。

     

     

    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。