はじめに
メールの効果に限界を感じていませんか?
シナリオメールはメールマーケティングの手法の中でも効果が高いと言われる手法の1つです。しかしながら、メールは一般的に実施されているにも関わらず、シナリオメールを実施している企業は少ないのも現実です。
効果が期待できるのに何故実施されていないのか、どうしたら実施しやすく効果が期待できるのか、本記事ではそういった疑問にお答えします。
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1.シナリオメールとは
1.1.メールマーケティングの手法
メールマーケティングには以下の3つの手法があります。
・メールマガジン(メルマガ)
・シナリオメール
・ステップメール
メルマガは配信許可リストに対して一斉に同じ内容(コンテンツ)を配信する手法で、メールマーケティングの手法の中では最もポピュラーな手法と言えます。ただし、One to Oneマーケティングが主流になりつつある現在では、送信相手(見込顧客)の関心毎や特性などを一切考慮しない手法でもあります。
その為、One to Oneマーケティングの概念を反映した手法としてシナリオメールがあります。
シナリオメールは、あるアクションをWebサイト等で行った人に対して、予め設計しておいたシナリオに沿ってメールを一通一通配信する手法です。
似たような概念にステップメールがあります。
ステップメールは、あるアクションを行った人に対して、予め設計しておいたステップでメールを配信する手法です。
シナリオメールやステップメールはリピート通販業界や不動産業界などのLTVが特に求められる業界では一般的な手法になりつつあります。
1.2.メルマガとの違い
メルマガとシナリオメールの違いは、目的や効果性などにおいて以下の違いがあります。
メルマガ |
シナリオメール |
|
目的 |
主にブランディングを目的とし企業側が伝えたいことを伝える |
主にコンバージョンを目的としターゲットとなる見込客のアクションに併せて設計する |
効果性(※) |
開封率 10%~20% クリック率 0.5%~3% クリックスルー率 5%~15% |
開封率 15%~30% クリック率 3%~10% クリックスルー率 20%~33% |
配信の手間 |
文面は1つ用意すれば良い |
シナリオ毎×ターゲット毎に文面が必要 |
※効果性は一般的な水準を記載していますのでブランド好感度等により変動します。
※開封率とクリック率は「開封数・クリック数÷配信数」で計算しており、クリックスルー率は「クリック数÷開封数」で計算しています。
1.3.ステップメールとの違い
シナリオメールとステップメールの違いは、目的や効果性などにおいて以下の違いがあります。
シナリオメール |
ステップメール |
|
目的 |
主にコンバージョンを目的としターゲットとなる見込客のアクションに併せて設計する |
主にコンバージョンを目的としターゲットとなる見込客の関心事や特性に合わせて設計する |
効果性(※) |
開封率 15%~30% クリック率 3%~10% クリックスルー率 20%~33% |
開封率 20%~40% クリック率 5%~13% クリックスルー率 25%~30% |
配信の手間 |
シナリオ毎×ターゲット毎に文面が必要 |
ステップ毎×ターゲット毎に文面が必要 |
※効果性は一般的な水準を記載していますのでブランド好感度等により変動します。
※開封率とクリック率は「開封数・クリック数÷配信数」で計算しており、クリックスルー率は「クリック数÷開封数」で計算しています。
2.シナリオメールのメリット
2.1.反応率を高めることができる
上記のとおり、一般的なメールと比べて、見込顧客が何かしらのアクションをした/しないタイミングで自動配信されるメールなので、特にアクションした直後にメールを送ると「これは何だろう?」と思って開封される率は高くなります。
また、ステップメールとの組み合わせで、あるアクションをしたら4ステップのメールを送る、といったシナリオを組むと更に効果が期待できます。
2.2.見込顧客と継続的なコミュニケーションができる
何かしらのアクション直後に受け取るメールなので開封される率が高く、かつ、ネクストアクションとして適切なアクションを促すコンテンツであればクリックされる確率(クリックスルー率)も高くなり継続的なコミュニケーションを促すことができます。
2.3.嫌われにくいメールコミュニケーションができる
開封されないのに似たようなメールを何回も送ると嫌われる可能性が高いです。メールが開封されない、クリックされないのであれば、違う切り口のコンテンツを送った方が嫌われないコミュニケーションができます。
3.シナリオメールのデメリット
3.1.シナリオを設計する難易度が高い
シナリオを構造的に設計する必要があるので顧客にして欲しいアクションを整理するのに、一定程度の知見や経験が求められます。
過去の顧客の購買やリピートまでにいたった経緯を想像し、顧客にして欲しいアクションを構造的に整理しておきましょう。
3.2.ステップメール機能のある専用のツールが必要
シナリオメールを配信する機能を搭載した専用のツールが必要です。
それなりの費用がかかるメール配信ツールやマーケティングオートメーション(MA)であれば一般的に機能が搭載されています。
安価なメール配信ツールに比べて費用は掛かりますが高い効果が期待できるので是非ご検討ください。
3.3.効果測定をしないと効果が出ない
どのシナリオメールが効果が高く、どのシナリオメールが効果が低いのか、開封率・クリック率・クリックスルー率をしっかり確認し、効果が出てないシナリオメールはコンテンツや配信日時などの設定を変えることで改善できる可能性があります。
効果測定はしっかりやりましょう。
4.効果の出るステップメールの作り方
4.1.顧客のアクションポイントと顧客心理を整理する
シナリオメールで使用される一般的な顧客のアクションポイントは以下の4つがあります。
①メールを開封した/しない(配信後〇日以内に開封されない)
②メールをクリックした/しない(配信後〇日以内にクリックされない)
③フォームに登録した/しない(フォーム画面まで来たが離脱した)
④Webサイトに訪問した/しない(前回訪問から〇日訪問がない)
上記以外でも商品やサービスによっては顧客のアクションポイントがあるかも知れません。
例えば人材紹介会社でしたらキャリアアドバイザー相談後〇日以上、仕事を紹介できていないとかが考えられます。
自社の商品やサービスに合わせて洗い出し、アクションポイント毎に、何を思って(考えて)顧客はそのアクションをしたのか、を整理しましょう。
4.2.アクションポイント毎にメッセージとゴールを明確にする
上記で整理したアクションポイントと顧客心理を踏まえて、どんなメッセージを送るのか、次にどんなアクションを取ってもらいたいのか(ゴール)を明確にしましょう。
いきなり文面を作成する前にメッセージの目的を明確にすることで、より反応してもらえる文面を作成することができます。
4.3.アクションポイント毎に文面を作成する
ゴールを明確にしたら、それに合わせた文面を作成します。
文面の書き方にはいくつかの重要なポイントがあります。以下に、効果的なメールの書き方のガイドラインをいくつかご紹介します。
■見出しと件名の魅力的な作成
メールの見出しや件名は、受信者の関心を引く必要があります。興味をそそるキャッチーな見出しや件名を作成しましょう。具体的なテーマや特典を示すことで、開封率を向上させることができます。
■価値のあるコンテンツを提供
メールは、読者に価値のある情報を提供するための手段です。読者のニーズや関心に合わせた内容を提供し、役立つ情報や有益なアドバイスを共有しましょう。読者がメールを読んで得られるメリットを明示することが重要です。
■短くて読みやすい文章
メールは、一般的に短くて読みやすい文章が好まれます。長すぎる文や複雑な表現は避け、要点をわかりやすくまとめましょう。パラグラフや箇条書きを使用して、情報を整理し、読みやすさを向上させます。
■目的とコールトゥアクションの明確化
メールを作成する際には、明確な目的を持つことが重要です。読者に対して、具体的な行動を促すコールトゥアクションを設定しましょう。例えば、特定のリンクをクリックする、製品を購入する、イベントに参加するなどです。
■デザインとレイアウトの工夫
メールの見た目も重要です。読みやすいフォント、適切な行間、適度な箇条書きやヘッダーの使用など、デザインとレイアウトに気を配りましょう。また、メール内の画像やビジュアル要素を適切に活用することも効果的です。
頻度とタイミングの調整: メールを定期的に送信する頻度や送信タイミングを調整しましょう。読者が過剰なメールを受け取らないよう、適度な頻度を設定します。
また、テキストメールとHTMLメールの2つの作成方法がありますが、テキストメールは技術的に開封率が測定できないというデメリットがあるのと、レイアウトデザインの自由度を考えてHTMLメールで作成することをお勧めします。
4.4.配信設定をする
配信設定は以下の3つが必要です。
・配信日時(アクション後〇日以内に〇〇した(しない)場合、当日〇時)
・文面
・配信リスト(アクション対象者)
配信日時と文面は開封率やクリック率に大きく影響します。
特に配信日時は適当に設定する方が多いかも知れませんが、例えばWebサイトへの訪問数が多い曜日や時間帯などを参考にA/Bテストをして検証していくことをお勧めします。
文面についても上記を参考にA/Bテストを繰り返し反応率の高い文面のレイアウトパターンやキャッチコピーを検証していくことをお勧めします。
4.5.効果分析をして改善する
一般的にメールマーケティングの効果分析は以下の3つのKPIで行います。
・開封率(=開封数÷配信数)
・クリック率(=クリック数÷配信数)
・クリックスルー率(=クリック数÷開封数)
他にも到達率をKPIにするケースもあります。メールは届いて当たり前と思われがちなので、到達率は一般的にあまり意識されないかも知れませんが、最も重要かつ基本的なKPIとも言えます。
メール配信サーバーのIPレピュテーションという問題があり、極端に言えば、到達率が低くIPレピュテーションの低いメール配信サーバーから配信されたメールはプロバイダーやメーラーからブロックされたり迷惑メールフォルダに入ってしまう、といった事象が起きます。そうなると折角良い文面を作成しOne to Oneマーケティングを実践しても読まれることはないので機会損失になりますので、気を付けましょう。
5.シナリオメールの成功事例
鵜山リゾート様ではマーケティングオートメーション(MAツール)であるHubSpotを導入しステップメールの施策を実行されました。
その結果、開封率58%という驚異的な成果を上げられました。
いくつポイントはありますが特徴的なポイントはGoogleアナリティクスを見てWebサイトへのアクセスが最も高い曜日や時間に送信設定したのがポイントでした。
詳しいことを知りたい方はこちらをご覧ください。
https://www.handk-inc.co.jp/case/resort
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事ではメールマーケティングで効果が期待できる手法であるシナリオメールについてご紹介してきました。
シナリオメールは設計の難易度が高いために、まだ一般的なメールマーケティング手法とは言えないのが現状ですが、設計さえしてしまえば、効果は各段に上がることが期待できますし、売上に直結する施策の1つだと言えます。
本記事をきっかけにステップメールを始める方が増えれば幸いです。
皆様もまだステップメールを始めてないようでしたら是非チャレンジしてみてください。
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