現在、求職者側が多くの企業の中から就職先を選べる「売り手市場」となっています。そのため、求職者に向けたアピールが重要であることに加え、少子高齢化社会を見据えた、労働人口の減少も視野に入れておく必要がありと言えます。
減少していく若年層の人材をどれだけ確保できるかが、自社存続のカギになるかもしれません。
そこで今回は、採用イベントのメリットや成功の秘訣についてまとめていきたいと思います。
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採用イベントとは
採用イベントとは、企業が求職者と接点を持ち、事業内容や求める人物像など自社について深く理解してもらうために開催されるイベントです。
会社説明会やインターシップなど、種類は多岐にわたります。
採用イベントは新卒採用を中心に開かれますが、中途採用でも大規模なイベントが行われることがあります。
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採用イベントの種類
採用イベントは大きくわけて9種類あります。新卒採用向けや中途採用向け、企業が合同で行うものや自社のみで実施するものなど様々です。
そこで、採用イベントの種類を1つずつ紹介していきたいと思います。
2-1 合同企業説明会
合同企業説明会とは、複数の企業と合同で行う説明会で、新卒採用でも中途採用でも実施されています。全業界を対象とした総合型のものや、業界を限定したもの、学部・学科限定のものもあります。
大規模なものが多いため、多くの求職者と出会える機会であり、自社を知ってもらうチャンスでもあります。しかし、埋もれてしまう可能性もあるので差別化を図ることが重要となります。
2-2 個別企業説明会
個別企業説明会は、自社のみで行う企業説明会です。新卒採用では選考を始める前に行われます。
自社への志望度が高い求職者と接点を持ったり、自社について丁寧に説明したりできるところが合同企業説明会との大きな違いです。
時間的にも自由度が高く、質疑応答の時間を経て、求職者との距離を縮めやすいことも利点の1つです。
2-3 学校訪問・学内説明会
学内説明会とは、企業が学校を訪問して開催する説明会です。学校で行われることで学生にとっても参加しやすく、本格的に就職活動を行っていない学生にも自社を知ってもらうきっかけとなります。
これを開催するにあたって重要なのが、大学と信頼関係を構築することです。良好な関係を築ければ、翌年度の開催や優秀な学生の紹介につながります。
まずは採用実績のある大学や活躍している社員の出身大学など、身近なところから始めるのがおすすめです。
2-4 オリエンテーション
オリエンテーションは、主に新卒採用で面接の前段階に実施され、内容は会社説明会とほとんど同じですが、質疑応答の時間が長めに設けられることが多いです。
また、説明会のように参加者が大勢いるわけではなく、企業の採用担当者数人と学生5名~10名程度のグループで実施されるのが一般的です。少ない人数のため、学生の反応が見やすく、接点が持ちやすい貴重な機会となります。
2-5 座談会
座談会とは、求職者と社員が気軽に交流できる場のことです。
人事担当者だけでなく、現場で働く社員や役員などを交えることで、社風や社員の人間性、会社の雰囲気などを求職者に感じ取ってもらいやすくなります。
参加者にとっても不安や疑問を伝えやすく、働くイメージがつきやすい場になっているため、自社にマッチした人材を獲得するために効果的な採用イベントだと言えます。
2-6 インターンシップ
インターンシップは新卒採用において、主に大学3年生を対象に行われる就業体験です。場合によっては、既卒や1.2年生も参加可能です。1~3日程度の短期のものと1ヶ月以上の長期のものがあります。実際に業務を体験してもらい、その過程・結果をもとに学生の適性を見定められる点が特徴だと言えます。
また、本格的に就職活動を始めていない優秀な学生を早い段階で確保できるという利点もあります。ただし、インターンシップの内容によって参加する学生の傾向が大きく変わるため、他社のインターンシップを参考にしてみるのもいいと思います。
説明会では伝えきれなかった実際の業務内容を参加者に体験してもらうことで、働くイメージをつかんでもらいやすくなります。
📍短期と長期のインターンシップの特徴まとめ
【短期】
✔ ワークショップ、職場見学、座談会、GDなど実務を伴うものは少なく、求職者の適性を判断する場や、事業を知ってもらう機会として設けられる
【長期】
✔ 実務を担うことが多く、有償
✔ 学生が長い間企業に触れる機会であるため、志望度を高めたり、ミスマッチを防いだりする効果がある
2-7 セミナー
セミナーは会社説明会と違って社員との座談会やワークショップが含まれており、主に新卒採用で実施されます。企業が個別で実施する場合もあれば、合同で実施されることもあります。
特定の職種に必要な知識や、就職活動に役立つ情報を提供し、求職者と交流を図るイベントを指します。
2-8 ミートアップ
ミートアップは簡単に言えば交流会のようなもので、社員と求職者が交流を図り、情報交換を行う場です。中途採用で実施される場合が多いですが、説明会として新卒採用に用いられることもあります。
転職を検討している人にもアプローチが可能な点はメリットだと言えます。
2-9 スカウトイベント
スカウトイベントは、企業側が合同企業説明会の参加者の中から採用したい人を見つけるためのイベントです。
開催元によって異なりますが、参加者側と企業側が簡単に自己PRを行い、質疑応答をした後、マッチする参加者と面談をするケースが挙げられます。
場合によっては、質疑応答までで終了し、後日企業側が採用候補者にコンタクトを取って面接・選考を行う例もあります。
他のイベントに比べてスピーディに欲しい人材とマッチできる点がメリットだと言えます。
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採用イベントのメリット&デメリット
では次に採用イベントのメリットとデメリットをご紹介していきたいと思います。
3-1 メリット
採用イベントのメリットは、求職者や学生に直接アプローチできることです。また、求人サイトを用いた採用活動では出会えない求職者とも接点を持てることも利点だと言えます。
このほかにも4つメリットがあるのでぜひ参考にしてください!
- ブランディング効果
今後の展望や理念、求める人材などを発信することで、自社のブランディングを図ることができます。
ブランディングは採用活動だけでなく、自社の発展にも大きく影響を与えるので効果的です。
- 競合企業との差別化
自社主体で行う採用イベントでは、競合他社との差別化を図ることができます。
多くの企業は説明会や面接のみを実施しています。そのため、採用目的やターゲットを明確にし、自社に合ったやり方を見極め、より効果的なイベントを運営することが重要だと言えます。
- 採用コスト削減
採用イベントを実施することで採用コストを削減することができます。
1人1人を面接する場合、時間も費用もかかりますが、採用イベントで説明会から面接までを一括して行えば、限られた時間の中でスムーズに進めることが可能です。
採用を担当されている方の中には、他業務を兼任されている方も少なくないと思います。そのため、他業務に支障をきたすことや効率の面から考えて、採用イベントの実施をおすすめします。
- 求職者との早期接触
大学1, 2年生など、就職活動を本格的に始めていない学生と早い段階で接触できることも大きな利点です。
様々な業界で人材不足が叫ばれている中、優秀な人材をどれだけ早い段階で確保できるかが採用を成功させることに繋がります。
したがって、自社の魅力が十分に伝わる採用イベントを実施することが大事になるでしょう。
3-2 デメリット
採用イベントのデメリットは、準備に時間がかかることです。会場やパンフレットに加え、ノベルティの準備が必要な場合もあります。
また、効果が未知数であることもリスクだと言えます。たとえ合同企業説明会に向けて準備を行っても、自社のブースにどのくらいの求職者が訪れるのかは予測できません。
📍【補足】採用イベントの規模別のメリット&デメリット
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オンラインで採用イベントを実施するメリット
新型コロナウイルスの影響により、オンラインでインターンシップや採用イベント、面接などの採用活動を行う企業が増えています。
そこで、オンラインで採用イベントを実施するメリットや押さえておくポイントを紹介します。
4-1 オンラインで採用イベントを実施するメリット
オンラインで採用イベントを実施する企業側のメリットは、全国各地または海外にいる求職者と容易に接点を持てることです。
出会える求職者の数が増えたことで、優秀な人材を獲得しやすくなったとも言えます。
また、求職者にとっても身近にない企業や地元企業の情報を自宅にいながら手に入れられるため、採用イベントの参加率が上がっていると考えられます。
4-2 オンラインで採用イベントをするときの工夫とは
実際にオンラインで採用イベントを開催する際は、1時間以内に収めるのがいいと思います。休憩の時間を設けたとしても、オンラインは集中力が持続しにくい環境であるため、要点を絞って端的に説明する必要があります。
また、開始前にアイスブレイクの時間を設けることをおすすめします。対面であれば開始前や終了後に会社の雰囲気を知ったり、社員と会話したりでき、メインコンテンツ以外の時間にコミュニケーションをとることが可能です。しかし、オンラインでは特に求職者側にとって気軽にコミュニケーションをとりづらいと思います。そのため、説明会の前後に参加者と交流する時間をつくることが重要だと言えます。
4-3 面白い採用イベントを企画するには
採用担当者は採用イベントだけに時間や労力を割けないため、毎年当たり障りない企画になり、他社との差別化もしにくいと思います。
しかし、それでは求職者の興味を引くことはできません。
では、どのようにして求職者の興味を引く採用イベントを考えればいいのでしょうか?
それは「マンネリ化を防ぐ」ことです!
無理に採用イベントを一新しようとせず、今の採用イベントを少し変化させてみましょう。
例1)参加賞配布
採用イベントの参加者に参加賞をプレゼントしてみるのもいいと思います。
SNSが普及していることから、便利なものや変わったもの、フォトジェニックなものをプレゼントすることで一気に拡散されて話題作りに役立つ可能性があります◎
例2)エントリー条件を工夫
採用イベントのエントリー条件を「○○が好きな人」「月に○回△△をする人」など変わった条件を付ければ、話題になって応募者が増えるかもしれません。
社員の共通の趣味などを取り入れることで、それに反応した求職者と入社後に信頼関係が築きやすくなり、早期退職を防ぐ効果も期待できます。
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採用イベント成功の秘訣
採用イベントを成功させるためにはポイントがあることをご存知でしたか?
今回は4つに分けてご紹介していきます。
- 求める人物像を明確にする
- 目的にあった採用イベントを選ぶ
- 採用イベントに向けた事前準備を行う
- 参加者へのフォロー体制を充実させる
5-1 求める人物像を明確に
先程から何度か触れていますが、やはり「求める人物像を明確にする」ことは準備に欠かせないものです。採用担当者だけでなく、配属先の管理者も連携し、現状の課題を洗い出したり、不足している人材について確認したりしておきましょう。
また、その人に任せたい業務内容や、必要なスキル・経験の種類なども事前に明確にすると良いでしょう。
5-2 目的に則したイベントを選択
採用目的にそぐわないイベントを選ぶと、せっかくお金と時間をかけて準備しても効果が期待できません。そのため、例えば人物重視の採用をしたい場合は、総合型企業説明会のような大規模なイベントで多くの求職者にアプローチし、ITエンジニアやデザイナーなど、専門性の高い職種に携わる人を採用したい場合は、業界特化型企業説明会に参加する方が自社にマッチした人材に出会いやすくなります。
また、新卒採用で毎年目標採用人数に足りていない場合は、早い段階からインターンシップを開催し、学生と接触できる機会をできるだけ増やす対策をしましょう。
5-3 事前準備
参加する採用イベントもしくは自社で開催する採用イベント概要が確定したら、それに向けて準備を行います。個別でやるために会場を借りる必要がある場合は会場探しから始めます。
その次にイベントの詳細、タイムスケジュール、質問に対する返答などをあらかじめ考えておきます。
もしノベルティを配布する際は早めに手配を済ませておく方が良いでしょう。
5-4 参加者へのフォロー
採用イベントだけで確実に応募につながるとは言いきれないので、参加者へのアフターフォローを積極的に行いましょう。参加者に感想を聞いたり、不安や疑問点がないかをヒアリングしたりすることでつながりを継続していくことが可能です。
きめ細かいフォローを行えるよう、担当者を事前に決めておくのがおすすめです。
📍補足ポイント
| 採用コンサルティングの利用
採用活動の経験が浅かったり、ノウハウが蓄積されていなかったりと、採用に関して懸念事項がある場合は採用コンサルティングを活用してみるといいかもしれません。
その会社が抱える課題を解決するための一部的なサポートや、採用に関する事柄全般を補えるサービスもあるため、必要なサービスを見極めて活用することをおすすめします。
採用活動だけでなく、今後の企業経営のことまで考え、得られるメリットが大きい手段を検討しましょう。
| 学生のニーズを把握
新卒採用の場合、イベントに参加する学生が求めるものを理解しておくことが重要なポイントです。
例えばインターンシップを開催する際、「本選考のための練習」なのか「早期内定」のためなのかという違いによって、イベントの内容が大きく変わります。
また、早期内定を求める学生の中には、本命企業の選考が始まる前に内定を獲得しておこうと考えている学生もいるため、もし内定を出したとしても入社する可能性が高くないことを頭に入れておきましょう。
学生が求めているものを把握することは、採用活動全体にも効果的です。そのため、自社の採用計画をもとに「学生が求めるイベント」を意識してみると良いかもしれません。
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まとめ
ここまで採用イベントの種類やメリット・デメリット、成功させるためのポイントなどについてまとめてみましたが、いかかでしたでしょうか?
採用イベントは、求職者とコミュニケーションがとれる場でもあり、自社のことを求職者に深く知ってもらえる場でもあります。
求める人材に出会える1つの機会として、ぜひ採用イベントの活用を検討してみてください!