Facebookは2019年時点で国内2,600万人ですがユーザー数は減少傾向にあります。とは言えユーザー数が多い代表的なSNSの1つで特定の業種であれば有効な広告メディアになります。特にSNSの中でも実名でユーザー登録されている、という特徴があり、仕事関係の人や家族・友人などの面識のある人たちで繋がっているので、一定のユーザーではアクティブに利用しているSNSでもあります。
本記事ではそんなFacebookを利用したFacebook広告の基本から出稿方法などを解説します。この記事を読めば明日からでもFacebook広告を始められます。
1.Facebook広告とは
Facebook広告とはMETA社が提供するSNSに出稿する広告サービスで日本国内であれば約2,500万人(2019年時点公式発表は2,600万人)以上のユーザーに対してターゲティングをして広告を配信できます。Facebookユーザーの属性は30代~40代の男性が多いと言われており、特にIT業界のミドル層・経営層にユーザーが多いのが特徴で、広告メディアとしてはBtoB企業が相性が良いと言われています。
1.1.Facebook広告の基本
Facebook広告はMETA社が提供するSNS全体に配信ができるので、Facebookのみならず、InstagramやMessengerなどにも配信が可能です。基本的な構造として第1階層にキャンペーン、第2階層に広告セット、第3階層に広告という構造で配信設定をすることになっています。
1.2.Facebook広告の掲載場所と広告フォーマット
Facebook広告の掲載場所は以下の通りです。
配便媒体 |
端末 |
掲載場所 |
|
PC |
・ニュースフィード ・右側広告 |
スマートフォン |
・ニュースフィード ・インスタント記事 ・インストリーム動画 ・ストーリーズ |
|
|
スマートフォン |
・フィード ・ストーリーズ ・発見タブ |
Messenger |
スマートフォン |
・受信箱 ・ストーリーズ ・広告メッセージ |
オーディエンス ネットワーク |
スマートフォン |
・バナー広告 ・ネイティブ広告 ・インストリーム動画 ・インタースティシャル ・リワード広告 |
オーディエンスネットワークを持っているのはFacebook広告の特徴になります。
また、広告フォーマットとしては以下の種類があります。
・画像
・動画
・カルーセル広告(1つの広告に2~10枚の動画をセットできる)
・コレクション広告(1つの広告に複数の商品・サービスが紹介できる)
・インスタントエクスペリエンス(モバイルでタップするとフルスクリーンで表示できる)
1.3.Facebook広告の特徴
Facebook広告には以下の特徴があります。
【ターゲティング精度が高い】
Facebook広告の最大の特徴としてターゲティング精度が高いことが挙げられます。
Facebookはユーザーが実名で登録しており、他にも年齢・性別・居住地・勤務先など、他者とつながることを意識して自分のプロフィールを丁寧に登録している人が多いのが特徴です。
また、Facebook広告には「類似オーディエンス」という配信方法があります。類似オーディエンスとは既存顧客の年齢や性別といった属性や行動特徴が似ているユーザーをターゲティングできる機能で、自社商品やサービスに興味が高いであろうユーザーにリーチすることができます。
【少額での広告配信が可能】
Facebook広告は1日数百円から出稿が可能です。初めての方でもリスクを最小限にして配信を始め、慣れてきたら徐々に広告費を増額していきながら大きな効果を狙っていくことが可能です。
また、Facebook広告はリスティング広告と比較してCPC(クリック単価)が低くなる傾向があります。ターゲティング精度が高いため同じ広告費用でもクリック率が高くなり、結果としてCPCを低く抑えることが可能です。
【広告形式が多様】
Facebook広告には、画像広告、動画広告、カルーセル広告(複数の画像や動画をスライドショー形式で表示)、コレクション広告(商品カタログを活用した広告)、ストーリーズ広告など、さまざまな広告形式が用意されています。
【リマーケティング】
リマーケティングは、ウェブサイトやアプリを訪れたことがあるユーザーや、特定のアクションを実行したユーザーに対して再度広告を表示する機能です。これにより、興味を持っているユーザーに対して再接触し、コンバージョンの機会を増やすことができます。
関連記事
→【Web広告とは?】Web広告の種類からコンテンツ制作のコツ、分析するデータまでを一挙解説
→【初めての方へ】SNS広告とは?その特徴や相場費用を徹底比較!
2.Facebook広告の出稿方法
Facebook広告の出稿方法は非常にシンプルで「キャンペーンの設定(広告目的の登録)」→「広告セットの設定(予算や掲載期間など)」→「広告(コンテンツなど)」の3ステップで出稿できます。
2.1.出稿前に準備しておくこと
広告の出稿設定をする前に「広告クリエイティブの作成」と「ビジネスマネージャーの設定」をしておく必要があります。
【広告クリエイティブの作成】
広告フォーマットに合わせてクリエイティブを作成しておきます。
■画像広告
魅力的な画像を選び、テキストやキャプションを追加します。広告のテキストは短くわかりやすく、ユーザーに興味を引く内容にすることが重要です。
■動画広告
動画コンテンツを作成してアップロードし、キャプションやテキストを追加します。動画は視覚的なインパクトを持つため、ストーリーをうまく伝えることが重要です。
■カルーセル広告
複数の画像や動画を組み合わせてスライドショー形式で表示します。各カードにタイトル、テキスト、リンクなどを追加します。
■コレクション広告
複数の商品画像をまとめて表示し、タイトル、説明、リンクを追加してコレクションを構築します。
【ビジネスマネージャーの設定】
Facebookのビジネスマネージャーとは、広告やマーケティング活動を一元管理する機能のことです。公式アカウントの管理や投稿などもビジネスマネージャーで管理します。
新しい広告アカウントはビジネスマネージャーから作成し、広告運用を行うチームメンバーや外部委託メンバーの権限を設定します。
2.2.キャンペーン設定
広告の購入タイプ(課金方法)と出稿目的を設定します。
出稿目的は以下から選択する形になります。
購買プロセス |
目的 |
ビジネス目標 |
認知 |
ブランディング |
ブランドや製品の認知度を高める |
リーチ |
数多くのユーザーに広告を表示させる |
|
検討 |
トラフィック |
Facebookからリンク先にユーザーを誘導 |
エンゲージメント |
いいね!やシェアする可能性が高いユーザーにリーチする |
|
アプリインストール |
アプリストアにユーザーを誘導 |
|
動画の再生数アップ |
動画コンテンツでユーザーの興味を引く |
|
リード獲得 |
製品に関心を持つユーザーの情報を収集 |
|
メッセージ |
潜在顧客や既存の顧客とコミュニケーションを行う |
|
行動 |
コンバージョン |
Facebook上で特定のアクションを促す |
カタログ販売 |
カタログ商品を掲載して売上を増やす |
|
来店数増加 |
近隣ユーザーに実店舗の所在地をPR |
2.3.広告セットの設定
広告セットでは以下の項目を設定します。
・トラフィック
・ダイナミッククリエイティブ
・クーポン
・オーディエンス
・ターゲット
・掲載場所(配置)
・予算と掲載期間
その中でもターゲティングの設定は非常に重要になります。ターゲットは以下の属性情報から設定することができます。
【ターゲティングできる要素】
地域:住んでいる、最近いた、旅行した地域
年齢:15歳~65歳以上
性別:男・女
言語:日本語、英語等
つながり:「ページにいいね!した」「あなたのアプリを利用した」「イベントに回答した」等
利用者層:学歴、仕事、収入、家族など
興味・関心:スポーツ、映画、旅行など
行動:Facebookの決済、ゲームプレイ、メール使用、デバイスOS、ブラウザ、最近旅行した等
また、コスト設定も重要な項目になります。
Facebook広告は入札制度になっているので競合に対して入札金額が低いと広告は表示されません。
入札金額は以下の3項目で設定できます。
【入札金額の種類】
・平均目標達成単価上限
・入札価格上限
・ターゲット単価
他にも推定アクション率と広告品質の2要素も加味されて表示する広告が選択されます。
2.4.広告の設定
最後に広告の設定をします。広告の設定は以下の項目を設定します。
・広告名
・広告形式の選択
・クリエイティブ設定
・トラッキング設定
3.Facebook広告の課金方法
Facebook広告の課金方法には「クリック課金」と「インプレッション課金」の2種類が選択できます。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット |
デメリット |
|
クリック課金 |
ユーザーのクリック動作があるまで、何度表示されても課金されない |
軽い気持ちによるいいね!でも課金される |
インプレッション課金 |
表示を繰り返して認知を獲得できる |
効果のないまま予算が消費される可能性がある |
3.1.クリック課金
クリック課金は名前の通りクリックすると課金されます。クリックされなければユーザーには何度も表示されます。コンバージョンを目的とした広告でよく選択されます。
3.2.インプレッション課金
インプレッション課金は広告の表示回数に応じて課金されます。表示回数の単位は1,000回単位になります。ブランディングを目的とした広告でよく選択されます。
4.Facebook広告の効果測定方法
Facebook広告の効果測定方法は5つあります。基本は広告マネージャーですが、他にもピクセル、A/Bテスト、ブランドアンケート、ホールドアウトテストがあります。
以下にそれぞれの特徴を解説します。
4.1.Facebookの広告マネージャー
Facebook広告マネージャーは、Facebook広告を作成、編集、モニタリング、最適化するためのオンラインツールです。広告キャンペーンの設定やクリエイティブの作成、広告の配信状況の確認など、広告運用全般を管理するためのプラットフォームです。
Facebook広告マネージャーは、広告運用の中心となるツールであり、効果的な広告キャンペーンを展開するために欠かせないリソースです。
4.2.Facebookピクセル
Facebookピクセルは、Facebook広告のトラッキングと分析を支援するためのツールです。ウェブサイトやアプリ内でのユーザーの行動を追跡し、広告の効果を測定し、ターゲティングを最適化することでコンバージョンを最大化するために使用されます。
Facebookピクセルは、広告キャンペーンのコンバージョン成果を最大化するために重要なツールです。ウェブサイトやアプリ内のユーザー行動をトラッキングして、より的確な広告ターゲティングと最適な配信を実現できます。
Facebookピクセルを上手に活用することでコンバージョンを最大化することができます。
4.3.Facebook A/Bテスト
Facebook A/Bテストは、異なる要素や戦略をテストし、広告キャンペーンの効果を最適化するための手法です。A/Bテストでは、2つ以上のバージョン(AとB)を比較して、どのバージョンがより優れているかを確認することで、広告のクリック率、コンバージョン率、収益などのパフォーマンスを向上させることができます。
Facebook A/Bテストは、広告キャンペーンのパフォーマンスを向上させるための重要な手法です。データに基づく意思決定を通じて、より効果的な広告戦略を展開することができます。
4.4.Facebook ブランドアンケート
Facebookのブランドアンケートは、広告主が広告キャンペーンの効果やブランドの認知度を測定するために利用されるツールです。この機能を使用することで、ユーザーの意見や感想を収集し、広告キャンペーンの改善やブランド戦略の最適化に役立てることができます。
Facebookブランドアンケートは、広告主がユーザーとのコミュニケーションを強化し、製品やサービスを改善するための貴重なツールです。ユーザーの意見を取り入れて、より効果的な広告戦略やブランド戦略を展開することができます。
4.5.Facebook ホールドアウトテスト
Facebookのホールドアウトテストは、広告キャンペーンの効果を測定するための一種の実験設計手法です。このテストは、広告を一部のユーザーには表示せずに別のグループには表示することで、広告の影響を評価するために使用されます。ホールドアウトテストの目的は、広告の効果を正確に測定することと、他の外部要因の影響を制御することです。
Facebookホールドアウトテストは、広告の効果測定に高度な信頼性を提供する方法です。正確なデータに基づいて広告戦略を評価し、最適な結果を得るための重要なツールとなります。
5.まとめ
いかがだったでしょうか?これからFabook広告を始めようという方にはちょっと専門用語が多かったかもしれませんが直ぐに慣れます。マーケティングは全般的にアルファベット3文字略語が多いので慣れましょうね。
最後にH&Kの事例をご紹介します。
H&Kでは多くのウェビナーを開催しているのですが、普段は広告なしで、プレスリリースとメルマガだけで集客しています。
しかし、H&Kの顧客にも2社登壇してもらい、HubSpotからも登壇してもらう共催ウェビナーを開催した際にFacebook広告を回しました。詳しい数値は言えませんが、その結果、普段の集客数の10倍以上の成果を出しました。
そのイベントはこちらです。
イベントは終わってしまいましたが、もしご興味がありましたら、どんなイベントだったのか、LPを見てみてください。
また、最後に当社がFacebook広告運用を支援している事例をご紹介します。
ECCベストキャリア様は総合教育機関ECCグループで人材派遣・人材紹介を担っている企業で、BtoB向けに日本語研修サービスの拡販するために、費用対効果の高いアプローチとインバウンドマーケティングでコンスタントに集客できる仕組が必要でした。Facebook広告だけで全てを解決している訳ではないですが集客部分で大いに成果が出せました。
ご興味ある方は是非ご覧ください。
デジタルマーケティングに関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。