近年の新卒採用では従来の企業側が受け身の採用手法ではなく、「スカウト採用」「逆求人」といったいわゆる「ダイレクトリクルーティング」という攻めの採用手法を取る企業も増えています。
そこで今回の記事では、新卒採用でダイレクトリクルーティングが注目される背景から、メリット、デメリット、実際に行う際におすすめのサービスや、ダイレクトリクルーティングを成功させるためのコツまでを一挙に公開します。「新卒採用にダイレクトリクルーティングを今年から取り入れたい」という採用担当者の方はぜひ読んでみてください!
そもそもダイレクトリクルーティングとは?
そもそもダイレクトリクルーティングとはどのようなものなのでしょうか?
新卒採用におけるダイレクトリクルーティングとは、求人を応募している企業が直接、学生に対してアプローチする採用手法のことをいいます。従来の採用手法は、企業が求人を採用サイトなどに掲載してから求職者が応募するのを待つ「受け身の採用手法」でした。
その一方、ダイレクトリクルーティングでは、自社にあった学生に対して直接アプローチをする「攻めの採用手法」として注目を浴びています。
新卒採用でダイレクトリクルーティングが注目される背景
では新卒採用においてこのダイレクトリクルーティングが注目される背景にはどのようなものがあるのでしょうか??
新卒採用活動の早期化、通年化
近年の新卒採用は「新卒一括採用」から「通年採用」へ移行する風潮が強まっております。このような新卒採用の自由化は、いかに早いタイミングで優秀な学生を取ることができるかどうかで採用成果が大きく変わっていきます。新卒採用の早期化・通年化における優秀な学生は「早い者勝ち」なのです。そういう理由から、学生に積極的にアプローチすることができる「ダイレクトリクルーティング」という手法が注目されているのです。
少子高齢化社会における人口減少
日本では少子高齢化による人口減少が進んでいます。それに伴い労働力人口は今後もどんどん減っていくと予想されます。つまり人口減少の進行により、会社に勤める従業員の数も減っていくのです。しかし、仕事の量などは変わらずあるので、今後数十年で現状より少ない人数で、現状と同等、それ以上の仕事を回さないといけなくなっていきます。
そこで「優秀な従業員、学生を確保すること」が今後さらに重要になってきます。一人ひとりの生産性が高ければ、企業の生産性の低下を免れることができます。しかし、ただでさえ少子高齢化で就活生の奪い合い続く中、「会社の未来を担う優秀な学生」を獲得するためには、受け身の採用姿勢では到底うまく採用することはできません。そこで企業側から「会社の未来を担う優秀な学生」に積極的にアプローチすることができる「ダイレクトリクルーティング」という採用手法が注目されているのです。
学生のニーズ変化
学生優位の「売り手市場」が継続していること、通年採用といった従来の採用スタイルから徐々に変化していることは、学生も感じ取っています。そこで、新卒の学生も「求人サイトを見てから企業に応募する」という方法ではなく、「逆求人サービスなどといったダイレクトリクルーティングサービスへと登録してから、企業からの連絡を待つ」といった新しい就活方法へと徐々に移行していっているのです。実際、逆求人サービスへ登録している学生の数は年々、増加傾向にあります。
今後も増加する可能性は非常に高いので、学生のニーズにあったダイレクトリクルーティングをすることは採用を行う上でもとても効果的なのです。
新卒ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
では実際に新卒採用でダイレクトリクルーティングを行うにあたって、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?ここからは、新卒ダイレクトリクルーティングを行うにあたってのメリットとデメリットを3つずつ、具体的に説明していきます。
ダイレクトリクルーティングのメリット3選
新卒採用でダイレクトリクルーティングを行うメリットとしては
- ・優秀な学生に直接アプローチできること
- ・使いこなせれば、採用にかかる時間やコストを抑えられること
- ・多種多様の様々な人材と出会えること
の3点があげられます。
優秀な学生に直接アプローチできること
まず1つ目のメリットは、優秀な学生に直接アプローチできることです。ダイレクトリクルーティングが注目される背景で書いた通り、少子高齢化などで会社の従業員の取り合いになることが予想されます。ダイレクトリクルーティングではそんな採用における競争率が激しい環境の中で、自社にあった優秀な学生に対して、直接アプローチして自社の魅力を伝えることができるのです。また、自社の環境に合う学生に対して直接アプローチをかけられるので、入社後の離職率も低く抑えることができることも期待できます。
使いこなせれば、採用にかかる時間やコストを抑えられること
使いこなせれば、採用にかかる時間やコストを抑えられることもメリットの1つです。新卒ダイレクトリクルーティングサービスは、人材紹介サービスよりも安価に設定されていることが多いです。そのため、使いこなして安定的に採用することができるようになれれば、自社にあった人材を直接アプローチすることができる上に、学生1人あたりの採用コストをおさえることもできるのです。
多種多様の様々な学生と出会えること
最後に、多種多様の様々な学生と出会えることがメリットとしてあげられます。従来の採用方法は、受け身の採用手法のため、自社に興味関心を持ってくれた学生としか出会うことができませんでした。一方で、ダイレクトリクルーティングではまだ自社に興味を抱いていない学生に対してもアプローチすることができるので、より多種多様な学生と出会うことができるようになります。まだ自社に対して関心を持っていない学生の中にも、自社にあった優秀な人材は沢山、存在します。従来の採用手法では出会えなかった多種多様な人材に対してアプローチしてみてください。
ダイレクトリクルーティングのデメリット3選
新卒採用でダイレクトリクルーティングを行うデメリットとしては
- ・ある程度のノウハウや情報が必要なこと
- ・採用担当者の業務負荷が増えること
- ・長期的な目線で取り組まなければならないこと
の3点があげられます。
ある程度のノウハウや情報が必要なこと
まず1つ目のデメリットはダイレクトリクルーティングを行うにあたってある程度のノウハウや情報が必要なことがあげられます。日本におけるダイレクトリクルーティングの歴史は浅いです。そのためダイレクトリクルーティングを行いたくても、行うためのノウハウが自社の中にない場合も多いと思います。情報不足や経験不足により、ダイレクトリクルーティングを行なってみたものの、結果的に優秀な学生を採用することができずに採用失敗となってしまうケースもあるのです。初めてダイレクトリクルーティングを行う場合は、ダイレクトリクルーティングについてプロに相談してみることや、外注してみることをお勧めいたします。
採用担当者の業務負荷が増えること
また、採用担当者の業務負荷が増えることがデメリットとしてあげられます。ダイレクトリクルーティングでは、スカウト文章を送って候補者に対してアプローチすることが一般的です。スカウトメールを送るターゲットの選定からスカウト文章の作成、面接などのやり取りまで行わなくてはいけません。ターゲットに対して直接アプローチはできる一方で採用担当者の業務負荷が増えるので注意が必要です。
長期的な目線で採用に取り組まなければならないこと
最後に、長期的な目線で採用に取り組まなければならないことがあげられます。これはダイレクトリクルーティングでは、自社に興味をまだ持っていない層にもアプローチすることになるからです。ダイレクトリクルーティングを行う際には、面接を行う前にカジュアル面談を行い、お互いの理解を深めるといった様々な工夫をすることが重要となります。早急な人員補充などには向かない手法と言えるでしょう。
おすすめの新卒ダイレクトリクルーティングサービス6選
ここまで新卒ダイレクトリクルーティングのメリット、デメリットについて解説してきました。しかし、実際に新卒ダイレクトリクルーティングを行うとなると、ダイレクトリクルーティングサービスは数多くあるためどれにしようか迷う方も多いと思います。そこで今回は弊社がおすすめする6つの新卒ダイレクトリクルーティングサービスをご紹介します。
OfferBox
OfferBoxは2017年卒実績で学生のオファー開封率95%を誇る採用媒体です。導入企業はベンチャー企業から大手老舗まで多種多様となっており、成功報酬型であること、登録学生の多さ、AIによる採用工数削減などが特徴としてあげられます。具体的にはAIが膨大な登録学生の中から、自社の特徴へマッチングしやすい学生へと精査してくれるので、効率よく採用業務を行うことができます。
Wantedly
Wantedlyは中途採用のイメージが強いかもしれませんが、インターンを探す際に利用している学生も多く、新卒採用を行う際にも利用することができます。企業の文化やビジョンへのの共感を重要視する媒体なためミスマッチを防ぎやすく、入社後も会社に馴染みやすい学生を採用することができます。給与や待遇面には自信がない企業でも、学生にアプローチしやすい媒体と言えるでしょう。
CheerCareer
CheerCareerは、ベンチャー企業を志望する学生が多く登録しているダイレクトスカウトサービスです。登録学生の多くは自己成長や働きがいを重視しているため、給与や待遇面には自信がない企業にもおすすめです。また、スカウト開封率80.7%ととても高く、1社あたり平均して4.5名の採用に成功しています。
dodaキャンパス
中途採用で有名なdodaの新卒採用媒体です。dodaキャンパスの特徴として、学生は大学1年生から媒体に登録可能、大学2年生からはダイレクトリクルーティングも可能となっていることがあげられます。早くから就活を行う優秀な学生が数多く登録しているため、そのような学生に、自社の魅力を直接伝えることができるのです。
iroots
irootsは登録学生の70%以上がMARCH以上の学生といった選ばれた学生のみが登録できる逆求人サイトです。スカウト開封率は82%ととても高く、優秀な学生に対して直接アプローチすることができます。irootsを利用するためには「商品・サービスに公益性があり身の回りの人に喜んで薦められること」「企業はもちろんのこと、個人の成長も可能な環境であること」「口コミサイトであるカイシャの評判と連携することに同意し、口コミに対する見解や気になる点の改善状況を開示すること」の3点をクリアする必要があります。審査に通れば良い採用ができるチャンスが増えますし、とりあえず審査に通るかを試してみるのもありでしょう。
キミスカ
キミスカは登録学生の60%以上が国公立、MARCH以上の採用媒体で、学生のスカウトの返信率は70%を誇る採用媒体です。スカウトには、「気になるスカウト」「本気スカウト」「プラチナスカウト」といった3種類があり、選考の免除度合いを選ぶことができます。また登録学生の選考状況を確認することができるため、学生の状況に応じて、例えば「プラチナスカウト」を使って2次面接までを免除にするといった柔軟な採用をすることができます。
ダイレクトリクルーティングで採用成功するためのコツ
ここからはダイレクトリクルーティングで扱う媒体を決め、実際にダイレクトリクルーティングを行う際に重要となる3点について解説します。
採用課題を明確にすること
まずは、そもそも自社の採用課題に対してダイレクトリクルーティングという手法が解決方法として適切であるのかを考えてみましょう。ダイレクトリクルーティングは、企業の価値観にマッチした人材に直接アプローチする、質が重要視される採用手法のため「母集団の数は十分に確保できているので、自社の価値観にあった人をもっと採用したい」という場合はとてもあっている手法といえるでしょう。しかし「母集団の質は担保できているので、採用人数を増やしたい」という場合は他の手法を試すのをお勧めします。
ノウハウを蓄積し、すぐに結果を求めないこと
ダイレクトリクルーティングを行う際には「どの学生にどのようなスカウトメールを送ればよいのか」を考えなければなりません。最初はうまくいかないかもしれませんがすぐに結果を求めずに、ノウハウを蓄積しながらPDCAを回していくことが重要です。
母集団を形成する際、求職者要件を細かく設定しすぎないこと
社内でターゲットの詳細のイメージ感を共有することはとても大切ですが、採用要件を細かく設定しすぎてしまうと「会ってみたらターゲットにとても当てはまるのに、プロフィール内容からはあまり読み取れなかった」といった層を取り逃してしまいます。アプローチできる求職者の数も減ってしまいますし、ダイレクトリクルーティングにおいて、あまりにも細かく採用要件を設定することはあまりおすすめしません。
まとめ
ここまで新卒採用でダイレクトリクルーティングが注目される背景から、メリット、デメリット、実際に行う際におすすめのサービスや、ダイレクトリクルーティングを成功させるためのコツまでを説明してきました。ただ、実際にダイレクトリクルーティングを行うのは簡単なことではありません。近年になって普及してきた採用手法のため、まだノウハウが蓄積されていない企業も多いと思います。
またダイレクトリクルーティングを行なってみたいけど、人手が足りないという企業もあるのではないでしょうか?H&Kでは、お客様企業にあったダイレクトリクルーティング方法の提示から実行まで一気通貫で行なっております。まずは、お気軽にご連絡ください。