Update.2022.12.05

生産性を最大化し、トレードオフに適応する最適な投資について徹底解説!

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今回は「営業生産性を最大化させる「トレードオフ」を考慮した最適な投資」についてお話しします。

マネジメントにおいて、セールスキャパシティを向上させることは企業が成長するうえで時重要なポイントです。このセールスキャパシティに関しては、営業の人数だけでは測れません。これは裏を返せば、中小企業が大企業に対抗するためのポイントでもあります。

もし営業の人数だけがセールスキャパシティに関係する変数であれば、営業の人数を確保できる大企業のみが圧倒的に優位となってしまいます。

このような単純物量作戦での勝負にならないために、生産性を最大化するためのレバーを探す必要があります。今回の内容では、こうした生産性を最大化にする手段について触れていき、その中でトレードオフに適応した検討・計画について説明していきます。

Contents

     

    このブログのライティング者

    スライド1

    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役
    株式会社H&K 代表取締役CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
    @KOK1ANDO Youtube

    <目次>

    1.生産性とは

    1-1.生産性の定義

    2.営業の生産性を計る方法

    2-1.「見込み客数×受注率×案件単価」を最大化する方法

    2-2.「営業人数×商談期間」を最大化する方法

    3.営業の生産性を最大化した人材採用とは

    3-1.少数精鋭化した人材採用

    3-2.生産性を最大化させる「キャパシティ」と「レバー」の分類

    4.「トレードオフ」に適応した営業の生産性を最大化させる計画とは

    4-1.トレードオフの定義

    4-2.トレードオフのメリット

    5.トレードオフを考慮した投資計画のステップ

    5-1.投資する内容を決める

    5-2.トレードオフを考慮して投資する優先順位を決める

    5-3.トレードオフに適応した投資の具体的な検討方法

    6.最後に

     

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    1.生産性とは

     

    営業の生産性を上げることは、リソースマネジメントを行っていくうえで欠かせないものです。この章では、生産性の定義から始まり、営業の生産性をの生産性について知る方法、そして生産性の分類について説明していきます。

     

    1-1.生産性の定義

     

    生産性とは、投入したリソース(労働者の人数や労働時間)に対してどの程度の生産量(企業が生み出したものの量や価値)があったのかを表したものです。値が大きくなるほど、効率よく生産できていると言えます。

    生産性の計算するかは、「時間当たりの労働生産性」がわかりやすいです。具体的には、以下の式で計算します。

    「企業が一定期間で生み出した利益」÷「のべ労働時間(労働者数×労働時間)」

    分母にあたる数値は、従業員の勤怠情報などを集計すれば割り出すことができます。分子にあたる利益は、経営状況の把握にも用いられる数値なので、月次の損益計算書などで把握できます。

     

    2.営業の生産性を計る方法

    上記の生産性を計算する方法を応用して、営業の生産性を計るにはどうすれば良いでしょうか?その場合、まず営業プロセスを因数分解します。生産性のついて、以下の式で表すことができます。

     

    生産性=(見込み客数×受注率×案件単価)/(営業人数×商談期間)

     

    分母は投入するリソースとして「営業人数×商談期間」が入ります。

    分子は売上を因数分解した「見込み客数×受注率×案件単価」となります。

     

    2-1.「見込み客数×受注率×案件単価」を最大化する方法

    分子を最大化する方法として、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスというリソースを使う方法があります。

    ・マーケティングとインサイドセールスによって見込み客数を上げ、営業が商談に注力し、商談のフォーキャストとパイプライン管理を徹底することで取りこぼしを減らす

    ・カスタマーサクセスの考え方に基づき、顧客に対して全社で徹底的にサポートしていくことで解約を防ぎアップセル、クロスセルを狙い案件単価を引き上げていく

     

    2-2.「営業人数×商談期間」を最大化する方法

    続いて生産性を表す式の分母について検討します。売上先行で考えてまず最初に思いつくのが、営業のキャパシティを早期に増やす方法です。営業生産性を向上させる際、即効性においてはこの方法一番早いです。しかし営業活動だけ熱心に行っても製品を導入した企業がうまくいかなければ意味がありません。以下に理由を二つ挙げます。

     

    ・売上先行で進めていくと、売上を作るために値引きを行ってしまったり、過度な無料オプションをつけたり、本来のオンボーディング期間を短く設定したりして営業が受注した後工程に悪影響を及ぼしかねない


    ・分母は上がっても、分子の要素であるカスタマーサクセス部分が下がってしまうので結果生産性は変わらず、場合によっては下がってしまう

     

    このような背景から、初期段階では営業を少数精鋭として、コンサルタントやカスタマーサポート、プロダクトマネージャーなどの人材を採用するという方法が現実的になります。

     

    3.営業の生産性を最大化した人材採用とは

    無形の商材の場合、コンサルタントやカスタマーサポート、プロダクトマネージャーは納品を担う、まさに「商品」です。この納品力を徹底的に上げることによって顧客を成功に導きます。では、この納品力を向上させるにはどうすればよいのでしょうか?この章では、そうした人材採用を成功させるポイントについて説明します。

     

    3-1.少数精鋭化した人材採用

    コンサルタントやカスタマーサポート、商品開発で磨いたノウハウは、顧客との折衝でも非常に有効です。商品のことや事例、使い方を熟知している人間に顧客は相談したいものです。そうした場合、部隊を少数精鋭化することが重要です。また、少数精鋭の営業組織にはセールスイネイブルメントの早期導入が有効です。

    人数が10人に満たない状況で先行してセールスイネイブルメントを採用しようとすると、まだ必要のない規模ではないかと思われますが、営業人材の育成時間はキャパシティを左右する大きな要素です。営業時間の育成時間の短縮、つまりランプタイムをわずかでも短縮できれば、営業1人分の採用コストをセールスイネイブルメントにあてても、中期的に見れば十分に釣り合います。

    では、コンサルタント、カスタマーサクセス、プロダクトマネージャーのどれを強化するのが最も効果的なのでしょうか?

    自社製品を持っている場合、プロダクトマネージャーの強化が一番効果的です。顧客の生の声を聞き、製品に反映させることは重要性は想像以上に大きいのです。

     

    3-2.生産性を最大化させる「キャパシティ」と「レバー」の分類

    組織では、プロフィットセンターコストセンターという分け方があります。売上を作ってくる部署コストを使う部署という分け方です。

    これまで、営業のみが売上を作り、他の部署はコストセンターとされていました。しかし、現代ではマーケティングインサイドセールス、そしてカスタマーサクセスも売上に貢献しています。それに、顧客を全社でサポートして長くお付き合いしロイヤリティを高めていくという現代の環境下では、営業至上主義のような分け方は組織の運営観点でも成立し得ません。ですから、採用する時の考え方としては、「売上」「コスト」で分けるのではなく、常に「キャパシティ」と「レバー」という分け方をすることが重要になります。

    業務量や顧客対応数に応じて増やさなければならない営業やコンサルタントなどの役割はキャパシティです。そして、キャパシティの生産性を最大限に向上させるレバーとなる役割が他の人材という考え方です。この2つにバランスよく配分できているかは、投資計画において重要な指標になります。

    マネジメントにおいて、短期の売上だけの計画ではなく事業全体の事業計画を策定し、目標までの時間軸を踏まえ

    ・営業とエンジニアの比率はどうするか?

    ・顧客数の伸びに対してカスタマーサポート人員の比率は適正か?

    などを見つつ、利益計画と照らし合わせながら人員の人員計画、採用計画を立案していきます。

     

    【テンプレ】マーケ分析資料

     

    4.「トレードオフ」に適応した営業の生産性を最大化させる計画とは

     

    次に計画が決まったら成長を加速する戦略的な投資についてリストアップしていきます。

    ここで、投資のトレードオフという考え方に触れていきます。

     

    4-1.トレードオフの定義

    トレードオフは日本語で「両立できない関係性」を意味します。ビジネスや仕事におけるトレードオフには、「何かを達成するために他の何かを犠牲にしなけらばならない関係」のことを指します。

     

    4-2.トレードオフのメリット

    「トレードオフ」を認識せずに業務を行うと、かえって非効率になってしまうケースがあります。

    例えば作業スピードを上げると多くの成果物が得られますが、その成果物の品質を下げてしまうといった事例です。トレードオフの関係のにある業務や作業を行う際にバランスを考えた計画を立てることで、業務・作業を効率的に進めることができます。

     

    5.トレードオフを考慮した投資計画のステップ

    トレードオフについて説明したところで、トレードオフを考慮した具体的な投資計画について、詳しく解説していきます。その投資計画のステップは以下の通りです。

    ①投資する内容を決める

    1. ②トレードオフを考慮して投資する優先順位の決定
    2.  
    3. ③トレードオフに適応した投資の具体的な検討方法
    4.  

    5-1.投資する内容を決める

    企業における投資の具体例をあげたいと思います。例えば以下の項目があります。

    ・海外拠点の立ち上げ

    ・新製品開発

    ・データセンターの新設

    ・他社との提携

    ・大規模イベントの開催

     

    こうした投資対称の具体例は、何かしらの投資に関する要素を含んでいます。以下にその投資に関する要素を事前にまとめておきます。

    ・必要なコスト

    ・人材

    ・人員

    ・投資対効果

     

    この投資に関する要素の分類をしたら、次に投資の優先順位を決めます。

     

    5-2.トレードオフを考慮して投資する優先順位を決める

    投資をする際、もちろん全てに投資するわけにはいきません。何を選んで何を捨てるか、トレードオフを考えて優先順位をつけることになります。優先順位は必ずしも実行する順番とは一致しません。なぜなら、リターンが出るタイミングに時間差があるからです。企業である以上、中長期的な結果だけでなく1年といった短期スパンでの成果も求められます。そうした背景から、投資するものの優先順位に時間軸の考慮は最も必要な要素の一つになります。

     

    5-3.トレードオフに適応した投資の具体的な検討方法

    トレードオフを考慮した投資の優先順位を決めたら、最後に投資の検討方法を決めます。具体的な検討方法として、以下の手順を踏みます。

    1.時間軸を短期(半年未満)、中期(半年以上1年半未満)、長期(1年半以上)とわけてる

    2.リストアップした投資案件がリターンをうむまでの時間に該当する箇所に振り分けている。

    3.短期に偏りすぎていないか、あるいはその逆になっていないか見直す

    継続的な成長のためには、こうしたバランスの良い投資になっていることを確認することが重要になります

     

    6.最後に

    今回は「生産性を最大化し、トレードオフに適応する投資計画」について説明しました。

    これらの考え方のもと、営業の生産性と「トレードオフ」を考慮したバランスが整っている事業計画を立てることで今後の事業がより一層良くなります。

    H&Kではこうした生産性向上や業務改善に関するご相談を承りまわっております。是非お気軽にご相談ください。

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。