この記事では、「パイプラインミーティング」について説明します。
営業部門の役割は売上目標を達成することです。達成のためには、パイプライン、つまり見込みを作り上げなくてはなりません。どんな組織であってもパイプライン以上の売上をあげることは出来ません。成果をあげる組織というのは、売上に結びつきそうな商談のみを追いかけるのではなく、常に少し先を見据えてパイプラインの数字を気にしています。
この記事を通して、パイプラインを正しく理解し、成果をあげることが出来る組織に近づきましょう。
パイプラインに関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
(正しいフェーズ管理は商談における効率的な業務への近道!?)
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.パイプラインに対する感度を高める
ここからは、パイプラインの数字に対する感度はどのように高めていくことが出来るのか見ていきます。
1-1.パイプラインの時間軸
まず1つ目は、「時間軸」についてです。
仮に平均商談日数が60日だとします3月1日に初回訪問をする案件があったら、受注出来るのは理論上4月30日になります。受注率が25%だとすると4件初回訪問が入っていて、1件受注できることになります。もし3件だったら4月30日に受注できるものはゼロかもしれません。
3月にリード獲得活動に励み、4月上旬のアポを4件取ったとしても、それは差異夕的には5月末に受注できる1件となります。4月に1件の受注をするのであれば、少なくとも3月の上旬には初回訪問が終わっていないとなりません。
この時間軸の感覚を持っている営業は非常に少ないですが、大変重要なものになります。
この感覚を持っていない営業は、月末や期末間近になると慌てて訪問を増やしますが、受注までの商談日数がある以上、せっかく行動しても月内、期内の数字にはならないので、月内、期内の数字が足りないのに、来月、来季のための活動をするという奇妙な結果になってしまうのです。
1-2.パイプラインの確率
2つ目は、「確率」についてです。
「3月1日の時点で20件の商談を持っているとします。その中から1件の商談が受注できた時、残りのパイプラインは何件ですか」と質問すると、ほぼ全員「19件」と答えます。
しかしこの答えは確率を考慮していない答えです。受注率が25%だとすれば「1件の受注」は「3件の失注」を意味しています。つまり、この場合の正解は、残りの商談は「16件」となります。
多くの営業がコンスタントに数字を達成するのに苦しんでいるのは、この事実に気づかず、自分のパイプラインが実際よりも多くあると勘違いしているからです。気づいた時にはすでに遅く、反対にこのような計算が出来る営業はパイプラインの積み上げをしっかりしているため、コンスタントに数字を達成していきます。
1-3.パイプラインの考え方
これまでに紹介した、2つのパイプラインの数字に対する感度を高める考え方は必ずしも受け入れやすいものではありません。このような考え方に抵抗を覚える営業も多いです。
確かに短期で大型商談を受注することもあるし、連戦連勝で商談を受注することもよくあることです。年度の最後に大きな商談を受注すれば全てが帳消しとなり、結果にはなるかもしれません。
しかし、それは理想的な話で、実際は年間を通して見ると結果は自分の実力に見合った平均値に落ち着きます。
途中、受注の額がとても大きくなったり、反対に小さくなってしまうというようなことがあり、大きくなった時はこのまま順調にいくのではないかと思うこともあるかもしれませんが、最終的にはいつも通り自分の実力に落ち着くのです。
2.パイプラインミーティング
管理者が営業組織に浸透すべき考え方の一歩としては、今までに述べてきたような論拠ある営業見込みの積み上げです。この前提が浸透していない組織ではフェーズを作ろうともSFAを導入しようとも目標の達成は難しいでしょう。これが個人ではなく、チーム全体の話になおればなおさらこのようになります。
実績をあげている営業はパイプラインの数字に敏感である。これらを踏まえて「パイプラインミーティング」は次の項目に注目すると良いです。
2-1.パイプラインの情報はクリーンかどうか
1つ目は、「パイプラインの情報はクリーンかどうか」です。
・受注予定日が過去の日付になっているもの
これは予定日が過ぎているということなので、予定自体の設定がおかしいかタスクが漏れているか案件が思わぬトラブルを抱えているかを示唆しています
・受注予定日が期末最終日に集中するなど、根拠なく入力されているもの
顧客の稟議スケジュールを把握できていない場合が考えられるとともに、受注までのタスクスケジュールが見えていないことを示唆しています。
・商談のネクストステップが過去2週間更新されていないもの
先方社内で確認してご連絡というように、自分のネクストステップではなく相手マターの受け身スケジューリングになってしまっていたり、タスクが漏れていることを示唆しています。
・平均商談日数が極端に長いもの(平均商談日数の2倍が目安)
ネタレベルの案件を無理矢理商談に登録していたり、決裁ルートに載っておらずただの情報提供で止まってしまっていることを示唆しています。
・フェーズ滞納日数が極端に長いもの(平均商談日数より長い)
決裁者同席によるミーティングが組めていなかったり、競合の動きを把握出来ていないため自分よがりのフェーズ管理になってしまっていることを示唆しています。
・受注予定日が3回以上スリップしているもの
営業が導入スケジュールを把握できておらず、また然るべき顧客とも話が出来ていないことを示唆しています。
これらの条件に合致しているものがあったら修正する必要があります。
2-2.目標に対して十分なパイプラインがあるかどうか
2 つ目は、「目標に対して十分なパイプラインがあるかどうか」です。
目標から逆算して、到達に十分なパイプラインがあるかを検討します。
・パイプラインの総額は売上目標に比べて十分か(目標数字の3倍)
・当四半期+翌2四半期をめどに、売上目標に必要なパイプラインが作成されているか
・過去四半期の同時期と比較する
・各フェーズの分布は適正か。総額が同じでも初期フェーズの商談が多すぎる場合はリスクが高い
・新規と既存のミックスは適正か。極端に既存ビジネスに依存していると、将来にリスクがある
・特定の営業に偏っていないか。集中しすぎると商談をこなす時間がなくなり、リスクが大きくなる
・営業、インサイドセールス、代理店経由などそれぞれのソースから期待通り作成されているか
これらに注意しながらパイプラインをみていくことで、正しくパイプラインを認識することができ、安定した数字を維持していくことができるようになります。
まとめ
パイプラインに関する数字の感度を、時間軸・確率の2つの面から高めていくことで売上目標達成により一層近づきます。また、パイプラインの情報が最新のものかどうかや、目標達成のために十分なパイプラインであるかどうかなども合わせて確認していくことが重要になります。営業部門全体で取り組むことで、チームの目標を達成しましょう!
SFAを導入すると、営業に関する情報を一括管理でき、より営業の成約を上げることが可能になります!少しでも興味のある方は下のボタンの資料からSFA導入事例などをご覧いただけます!