Update.2022.09.26

【5分でわかる】営業における数字とは?主観が入る数字には注意が必要

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よく数字の「見える化」「可視化」という言葉を耳にすると思いますが、数字を計測することと実態を理解することは全く別の話です。そんな数字には「客観的な数字」と「主観が入る数字」の2種類が存在します。

そこで今回は、「主観的な数字とは何か?」ということとその解決策について解説していきます。主観的な数字について理解することで、標準化が難しい数字に対してどのように注意する必要があるのかがわかり、数字や指標の管理が適切にできるようになります。

Contents

     

     

    ︎︎BtoBの商談管理を「SFA」で行う方法



    1. 主観的な数字とは?

     

    営業にまつわる数字には、「主観が入りえない数字」と「主観が入る数字」があります。「主観が入りえない数字」とは、ウェブサイトのトラフィック、広告に費やしたマーケティング予算、営業の人数、受注件数、売上などの数字で、「主観が入る数字」とは、インサイドセールスが営業にパスしたアポイントの数、商談件数、パイプラインの金額などの数字のことです。つまり全体の業務フローの中に存在し、そして人が介在する業務に多く見られる数字です。

     

    例えば、「インサイドセールスが営業にパスするアポイント」の内容は人によってばらつきがあります。BANT情報(予算・決裁権・必要性・導入時期)を全て確認できているものもあれば、「ヒアリングしたんですが、訪問した時に説明すると言われているのでまずは訪問してください。アポは取れました。」と言うものもあります。

    しかし、この2つはいずれも営業にパスしたアポイントの数としては同じ1件としてカウントされます。そのため商談件数も、営業ごとに何をもって商談としてみなすかはいくら基準を決めても主観が入ることは避けられません。

     

    また「パイプラインの金額」も、最終的な受注金額は動かしようがありませんが、商談進行中はコンサバに見る人もいれば、反対に着地の数字より常に大きめに入力する人もいます。人が関与する限り、すべてを標準化して同じ基準にすることは不可能です。

     

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    2. 主観的な数字に対するリーダーの解決策

     

    組織のリーダーは「主観的な数字」に対して、主観が入るからこそ数字から「現場で何が起きているのか」を想像する力が求められます。

    例えば、営業部門の売上の見込みが厳しくなったため、マーケティング部門に「パイプラインが足りない」とプレッシャーを与えたとき、どのようなメカニズムが働くのでしょうか?以下で説明します。

     

    2-1. 営業部門とマーケティング部門の軋轢は解決すべし

    ・マーケティング部門の考え

    マーケティング部門は、まずリード数を増やそうとします。なぜなら売上にインパクトを与えるためには、短期的にリードを獲得しなくてはいけないからです。

    そうすると当然リードの数は増えるが質は下がり、その後にフォローするインサイドセールスからの商談化率も下がります。リードが増えているのにもかかわらず、パイプラインが足りなければ、プレッシャーの矛先はインサイドセールスに移ります。

    そしてインサイドセールスは、無理にでも営業にパスしようとして、今までよりも営業に渡す基準が下がり、確度が低いものが多くなります。「とりあえず会社の説明をさせていただきたい」というような、挨拶目的程度のアポイントを獲得したり、時には一度資料ダウンロードや展示会で個人情報を獲得したものの、その後全く温度感の上がっていないようなコールドリストにテレアポをしたりします。

     

    ・営業部門の考え

    数字の苦しい営業部門は、喉から手が出るほどに商談が欲しいので、少しでも可能性があれば訪問します。しかし、これらのアポイントはなかなか商談化できない上に、商談化したとしても受注率は下がります。仮に提案まで行ったとしても、顧客の発注ニーズよりも営業の受注ニーズの方が高いため、営業は定価での訴求ではなく値引きに頼った提案になることが多く、そもそも商談数が多いため提案活動にも集中できません。

    そこで営業部門は、受注が追いつかないなら、せめて商談作成だけでも目標を達成しなくてはいけないと考え、今までは商談にしていない基準のものまで商談化するようになってしまいます。例えば、過去の失注顧客にその失注した理由が何も解決できる術がないのに、「状況伺い」という名目でアポイントを取ったり、代理店との協業という名目で実質は商談があるかもわからないアポイントを取ったりします。

    このような状態で経営陣から、KPIを分析してどこが課題なのかを明らかにしろと言われると、マーケティング部門は「営業の受注率が落ちていることは明らかです。これではいくらリードを作成しても無理です」と言い、営業は「質の悪い商談を渡してくるインサイドセールスのせいで、現場の効率が下がっている。彼らのスキルの問題ではないか」と言い出しかねません。

     

    こうなってしまうと、部門間で軋轢が生じ、状況の改善どころか悪化してしまいます。

    そういうことにならないように、マーケティング・営業部門全体を率いるリーダーは各部門が自分のやらなくてはならないことや、基準を再確認し、最終的な着地に支障をきたさないようにKPIを設定していくことが重要になります。その上で、あらためて問題が生じた時には、どこの部分の数字が足りないのか、また、主観が入る数字に、無謀な数字がないかを再確認し、状態を改善していく必要があります。

     

    2-2. 解決すべきボトルネックは一つしかない

    このような状況に陥った時に最もやってはいけないことは、部門ごとに「課題を解決せよ」と言うことです。

     

    ここまで説明してきた、売上を上げるためのプロセスがループ状にすべて繋がっているとすれば、ボトルネックの場所は変動したとしても1つしか存在し得ません。工場でボトルネックとなっている生産工程があるのに、その直前の工程を担当するマシンをフル稼働させてしまったら仕掛品がどんどん積まれていくように、部分最適は全体の生産性を落とします。

    受注率の改善のために行うべきことは、採用の見直し、営業教育、提案内容の見直し。あるいは、「どの顧客プロファイルが案件に結びつきやすいのか」、「どこに営業がターゲットとして時間を使うべきなのか」を深く検討して、マーケティングと予算とターゲットを絞り込んだり、インサイドセールスのアウトバウンドリソースを確保することの方が正解ということもあります。

    つまり、どのような場合であったとしても、ボトルネックは1つであり、それを見つけ出すためにパフォーマンス指標を管理することが大切です。「こんな指標を管理してますと」山ほどKPIを並べて、綺麗なレポートを出すことで満足してはいけません。

     

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    3. まとめ

    以上、「主観的な数字とは何か?」ということとその解決策について解説してきました。この記事が少しでも参考になっていただければ幸いです。

    最後に覚えておきたい要点についてまとめます。

     

    ・主観的な数字とは、サイドセールスが営業にパスしたアポイントの数、商談件数、パイプラインの金額などの数字で、人が介在する業務で用いられています。

    ・組織のリーダーは「主観的な数字」に対して、「現場で何が起きているのか」を想像する力が求められます。

    ・どのような場合でもボトルネックは1つしかなく、リーダーはそれを見つけるために指標を管理することが必要です。

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。