Update.2022.09.29

チャネル・プロダクト・フィットとは?〜チャネルの発見と最適化を目指す〜

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今回は、想定顧客にリーチするためのマーケティングチャネルを最適化させる「チャネル・プロダクト・フィット」についてみていきます。本記事を読むことで、自社に適したマーケティングチャネルを発見する術、そのマーケティングチャネルをさらに最適化する術を学ぶことができます。見込み顧客の数を増やし、コンバージョンにつなげることを目標としている方は必読です!

 
Contents
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    1.マーケティングチャネルの最適化

    Young businesswoman analyzing data information of market

    1-1.チャネルを機能させる

    マーケターは多種多様なチャネルを開拓することが成長を最大化させると考えがちですが、それは誤りです。開拓しすぎてしまうと経営資源が薄く広く分散してしまい、効果の大きなチャネルに絞って最適化することができなくなってしまいます。つまり、プロダクトの販売促進チャンネルと流通チャネルをみつけるためには、「分散」という戦略は適しません。

    フェイスブック初の外部投資家である、ピーター・ティールもスタートアップ企業の創業者たちに向けて次のように語っています。「ほぼ例外なく、チャネルは一つにするのが理想的だ。しかし現実にはほとんどの企業が流通チャネルを一つも機能させられていない。プロダクトよりも流通の貧弱こそが最大の失敗の要因だ。流通チャネルを一つでも機能させられれば素晴らしいビジネスはあなたの手の中だ。チャネルをいくつも試して結局絞り込めなければゲームオーバーだ。」 

    チャネルを上手く昨日できていない企業のなかには、他社も使っているという理由でペイド広告やフェイスブック広告などに捉われ、他の選択肢を試していないという企業も少なくありません。より自社に適したチャネルがあるかもしれないにもかかわらず、他社に倣っているのはとてももったいないことです。

    1-2.チャネルの特定

    注力すべきチャネルを特定するには大きな困難が伴います。徹底的な試行錯誤が必要ですし、選択肢も以前よりはるかに増加しています。しかし、DXのプロセスに従って実験することで、チャネルを1つか2つに絞り込むという作業を比較的簡単に行うことができるようになります。

    最適なチャネルを特定する過程には「発見」「最適化」というふたつのステップがあります。

    「発見」のステップでは幅広い選択肢をテストします。ただしここでも手当たり次第に試すのではなくて、優先順位の高いものだけを対象としていきます。そうして最適なチャネルを発見できたら、「最適化」のステップに進んでいきます。このステップでは費用対効果の最大化に取り組むことになります。

     

    2.チャネル・プロダクト・フィット 発見と最適化

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    チャネル・プロダクト・フィットのステップを見ていきましょう。最初に行うことは検討に値しそうなチャネルの把握です。明らかにプロダクトに合わないものもあり、そのようなチャネルは選択肢から外してよいでしょう。

     

    2-1.チャネルの分類

    DXの専門家らは広がり続ける選択肢を整理するために、主要なチャネルを3つに大別しています。

    ・「バイラル/クチコミ」

    ・「オーガニック(自然流入)」

    ・「ぺイド(有料施策)」

    の3つです。

    バイラル/クチコミで一般的なチャネルはSNSでしょう。友達紹介プログラムもそのうちのひとつですし、クラウドファンディングなどもバイラルにあたります。

    オーガニックは自然流入で、SEOによってコンバージョン率を向上させたり、コンテンツマーケティングを利用したりという方法があります。

    ペイドは一般的に「広告」といわれるもので、オンライン・オフライン広告が主なチャネルです。現在ではインフルエンサーキャンペーンも多く目にすると思われます。

    次に効率的に実験していくために候補の絞り込みを行います。手始めに、ビジネスモデルに特に必要なモノに着目すると考えやすいです。事業拡大が続いていくならなおさらで、eコマース企業がバイラルチャネルのコミュニティ構築によってさらに勢いを伸ばす可能性もありますし、波に乗っているSNSならバイラルだけでなく、テレビや出版物に広告をうっても良いでしょう。ただ、まずは費用対効果の高いチャネルを最適化することに集中すべきです。

     

    2-2.それぞれのビジネスモデルに合ったチャネル

    例えばプロダクトを企業向けに販売しているBtoB企業なら、実働部隊となる営業チームと営業サポート体制、見込み客に出会える見本市への出展、会社の専門性を発信するコンテンツマーケティング戦略などが必要となるでしょう。

    他方でネットショップのビジネスモデルは見込み客を大量に呼び込むことが重要なので、検索広告とSEOが必須のチャネルとなるでしょう。

    マーケットプレイスビジネスであれば、商品の提供者と利用者を呼び込むチャネルを別々に設ける必要があります。

     

    2-3.ユーザーの特徴と行動の把握

    選択肢を絞り込み、最適化を可能にする二つ目のカギはユーザーの特徴と行動です。検索の種類、買い物をする場所、利用するSNSなどユーザーの行動から逆算していくのです。
    多くの人が困っている問題を解決するプロダクトやサービスであるのなら、解決法を探すのによく使われているチャネルに着目するのが良いでしょう。逆にプロダクトそのものを探している人が多くないのならば別のチャネルで認知を高める必要があります。下図にはユーザーの行動に応じて開拓すべきチャネルの例が載っています。

     

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    2-4.ドロップボックスの例

    ドロップボックスというワークスペースを提供するアプリはユーザーの特徴と行動を把握して業績を伸ばした良い例です。発表当初、オンラインでファイルを簡単に共有・保管できるサービスは前例がなく、そのようなサービスをグーグルで検索している人はいませんでした。したがってペイド検索広告は効果が上がらず、既存ユーザーの紹介プログラムが打開策となりました。 

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    3.最後に

     本記事では、チャネルの発見と最適化を目指すチャネル・プロダクト・フィットについて解説してきました。チャネルを友好的に機能させるためには、他社に追随するのではなく、自社独自のチャネルを開拓することが重要であるのを理解していただけたでしょうか。

    チャネルの絞り込みが成功すれば、プロダクトが認知され、プロダクトを最適なキャッチコピーで紹介すれば顧客獲得・売上につながります。このように、チャネル・プロダクト・フィットと前項までで解説したランゲージ・マーケット・フィットはつながっているのです。

    マーケティング効果を上げるためにチャネルを有効活用したい、自社だけでは最適なチャネルが見つけられるか不安だ、という場合は外部に相談するのも一つの手です。お気軽にお問い合わせください。

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。