Update.2022.09.29

チャネル・プロダクト・フィットを達成するための優先順位付けと実験

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前項のチャネル・プロダクト・フィットとは?-チャネルの発見と最適化を目指す-では、チャネル・プロダクト・フィットにおけるチャネルの発見と最適化について解説しました。チャネルとは、ウェブサイトや広告、キャンペーンなど、見込み顧客を増やすための媒体を指します。

今回は、チャネルごとの具体的な実験と戦術について解説していきます。本記事を読むことで、チャネルが自社のサービス・プロダクトに適すかどうかを見極めて効果があるのかを実験する段階に移行することができるようになります。集客をするための効果的なチャネルの絞り込みを時間をかけずにしたい方は必読です。

 
Contents
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    1.最適なチャネルを見つけるための優先順位

     Businessman standing with hands on hips against low angle view of skyscrapers at sunset

    自社にとって有望であろうチャネルを発見し、それを上手く機能させる重要性は理解していただいてると思います。しかし、実際に有望なチャネルを見つける手法が分からないという方もいるかと思われます。以下でチャネルの発見・最適化を行う際に必要な考え方について解説していきます。

    1-1.チャネルの優先順位付け

    まずは実験を行うチャネルの優先順位付けです。ここで紹介するのはハブスポットの元グロース責任者であるブライアン・バルフォア氏のアイディアをもとにしています。彼が考案したのは次の6つの要素からチャネルを順位付けするシンプルな手法です。

     

    ・コスト

    ・ターゲット

    ・コントロール

    ・インプット時間

    ・アウトプット時間

    ・スケール

     

    コストやターゲットは言葉のとおりであり、費用と顧客の明確化を意味しています。コントロールは実験の調整が可能であるかという点です。インプット時間は実験の準備にどれほど時間がかかるか、アウトプット時間は実験開始から成果が得られるまでにかかる時間です。スケールは実験によってリーチできる人数を意味しています。

    1-2.チャネルを高・中・低で評価する

    上で挙げたチャネルの各要素を「高」「中」「低」で評価するのが次のステップです。同じ要素でもプロダクトや業種が異なれば評価は異なってきます。この手法を発展させ、各要素を10段階評価するという方法もあります。全ての要素を評価したら単純平均してチャネルのスコアを算出し、結果が実験の優先順位となります。

     

    2.チャネルの優先順位付けと実験を実例に当てはめると?

    ここで伝統的な広告キャンペーンを大々的に打っていた企業が、より効果的な新しいチャネルの開拓に踏み切った場合を考えて見ましょう。

    Proficient young male employee with eyeglasses and checkered shirt, explaining a business analysis displayed on the monitor of a desktop PC to his female colleague, in the interior of a modern office-2

     

    2-1.ステップ1:ユーザーデータの精査とチャネルの優先順位付け

    DXチームはまず、ユーザーデータを別の角度から分析し始めるのが良いです。重点領域をシフトする際にはデータを新鮮な目で分析し、新たな洞察を得ることが大事です。分析の結果によってどうアプローチするかは異なると思いますが、1つのチャネルに固執することなく、新たなチャネルの実験をして新規顧客の獲得も試みましょう。

    さらに詳しく調べるためには業界レポートを探し、潜在顧客が何にどれほど時間を使っているのか、競合の資金投入の状況といったベンチマークデータを入手するのが良いです。ユーザーの行動が明らかになってくるにつれて、広告の有望度やそれぞれのチャネルの利点と欠点を知ることができ、優先チャネルの候補を絞ることができます。

    自社のサービス・プロダクトについてのフィードバック調査と既存ユーザーへの聞き取り調査も推奨されます。これらの調査から顧客の動向や顧客が何に満足しているのか、何に不満を持っているのかという情報が集まります。


     

    2-2.ステップ2:チャネル施策の検討

    ユーザーデータを深く調べ上げた後は、施策を検討する段階に移ります。データの分析結果と企業の目標によって、様々な施策が考えられると思います。DX施策の種類としては、

     

    ・オーガニック

    ・ペイド

    ・バイラル

     

    の3つが代表的です。オーガニックな手法は、自社サイトが検索結果の上位に来るようにSEO対策を施して顧客の獲得を目指す方法です。ペイドとは、”paid”から想像できるようにお金を支払って広告などの媒体を通して顧客の獲得を目指す手法です。バイラルな手法は、クチコミやメールを用いて不特定多数に広まるように仕掛ける方法です。それぞれに良さがあり欠点もあります。

    どの施策から試したらよいかは、ユーザーデータの結果からの強い論拠や、他社での成功事例を参考にしましょう。上でも解説した通り、6つの要素を3段階で評価、もしくが10段階で評価するという手法を用いて優先順位付けすることも一つの手です。また、表にしてまとめることで顧客獲得のための有力なアイディアがどれか分かりやすくなります。他のアイディアに関しても、調査結果から大きな効果が見込まれそうなものは実験する価値があります。

    2-3.ステップ3:実験と結果の精査

    初期実験が完了したとします。実験の結果により今後の実験の方針は定められ、着実に進めていけば新規顧客を獲得できるアプローチが見つかるはずです。実験の結果もそのまま受け入れるのではなく、さらに良い方向に改善できないかを考えることも大切です。

     

     

     

    3.最後に

     ユーザーとつながるチャネルの選択肢は年々増加しています。つまり、チャネル活用戦略も同時に数が増えているということです。アイディア生成のステップをもとに有望チャネルを最大限に活用するための発想もし続けなくてはいけません。

    重要なのは効果的なチャネルや戦略を確立した後も、新たな選択肢の存在とその活用法に常にアンテナを張っておくことだということを常に意識しておきましょう。

    また、効果的なチャネルを見つけたとしても、その後の行動次第でチャネルを最大限活かせるかどうかが決まります。マーケティングオートメーション(MA)を展開し、顧客関係管理(CRM)のデータを分析することで、リードの獲得が進み、コンバージョン率の向上に繋がる可能性は大きいです。チャネルと他ツールの連携運用に関しては当社などのマーケティングコンサル会社に委託するのも一つの手です。

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。