Update.2023.01.19

顧客管理システム(CRM)とは?機能・比較軸・導入後の検討項目を一挙解説

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近年はIT化が加速する中、DX化を進める企業が増えており、DX化の一環として、顧客管理システムである「CRM(Customer Relationship Management)」のツールを導入する企業も多くなっています。

しかし、CRMツール導入にはコストが必要なこともあり、十分な知識がなければ、そのコストに見合った効果を生み出すことは非常に難しいでしょう。

そこで今回は、基本的な顧客管理システム(CRM)の情報を整理した上で、導入のメリット・デメリット、最適なCRMツールの選び方、そしてCRMツールを導入した後の注意点までを解説します。

Contents

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    1.顧客管理システム(CRM)とは

    Hand with marker writing the word Do You Know Your Customers?

    1-1.顧客管理とは

    そもそも顧客管理とはなんでしょうか。顧客管理とは、名前、住所、メールアドレスといった顧客の情報そのものを保存し、管理するだけではなく、顧客との関係も管理(=マネジメント)することを指します。さらに広義には、顧客との関係性を良好にし、マーケティング効果を大きくしていく施策という意味も持っています。つまり顧客管理は、次の3つのキーワードが重要となります。

    ・顧客情報の管理

    ・顧客情報の活用

    ・顧客から得られる利益の最大化

    これら3つのキーワードを全て包括しているのが、顧客管理です。

    1-2.顧客管理の重要性

    従来は、アウトバウンドマーケティングによる顧客獲得、商談化が主流でしたが、現在では、顧客が主体的に情報収集をすることができるため、アウトバウンドマーケティングのみでは利益を上げることが難しくなっています。そのため、インバウンドマーケティングを行うことが必要になってきますが、そこで重要となるのが顧客管理です。顧客情報を活用することにより、ユーザーがどのようなサービス、製品を求めているか(=製品の質の向上)、あるいはどのような層に宣伝を行えばリード獲得できるか(=宣伝の効率化)などがわかるようになります。そのためにも、顧客管理は必須で行うべき重要な施策です。

    インバウンドマーケティングに関する記事はこちら→

    1-3.CRMとは

    CRM(Customer Relationship Management)は、顧客管理システムのことを指し、顧客情報を一元的に管理し、顧客との関係を良好に保つことを目的としたシステムです。特にBtoCの企業ともなると、その顧客のデータは非常に膨大な量となり、管理が難しくなってしまうため、顧客のデータをデジタル化することにより、それぞれの顧客に対して適切なアプローチをすることが可能となります

    1-4.CRMツールの機能

    CRMのツールは、顧客管理に関する多くの機能が備わっています。実際に使用するCRMツールの種類によって機能は様々ですが、ここでは基本的な機能を紹介します。

    ・顧客の基本的な情報の管理

    CRMツールはその基本的な機能として、顧客に関する以下のようなあらゆる情報を管理することができます。

    -氏名

    -家族構成

    -住所

    -連絡先

    -名刺情報

    -金融情報

    -過去の問い合わせ、購入の履歴

    etc…

    これらの情報は、「リード」「既存顧客」に分類することもでき、それぞれで蓄積できる項目が変化する場合もあります。

    ・蓄積データの分析機能

    これらの基本情報や商談の履歴をもとに、分析を行ったり、レポートが出力される機能があります。これらのデータを参考にすると、より顧客のニーズに合ったサービス、製品を提供できる可能性が上がります。

    ・メール配信機能

    顧客情報を分析した上で、CRMツールはメーマガジンなどを配信することができます。配信の時期や、配信の対象となる顧客に対して自動で送信できるため、非常に効率が良くなります。

    ・営業進捗管理機能

    商談の開始から、成約するまでのプロセスがリアルタイムで反映され、可視化されます。各メンバーとの連携もスムーズになり、担当者が変更になった場合の引き継ぎも滞りなく進めることができます。

    ・ファイル連携機能

    CRMツール内で、メールで送られてきたファイルなどを共有することができます。ツール内での共有・閲覧なので、外部にデータが漏えいする可能性が低くなるため、セキュリティの観点において優れた機能です。

    ・外部サービスとの連携機能

    CRMツールは、GMailなどの外部サービスとの連携が可能です。自社がすでに利用しているサービスと連携するのが良いでしょう。

    1-5.CRM・SFA・MAの違い

    よくCRMと混同されるシステムとして、SFA(Sales Force Automation)、MA(Marketing Automation)の2つが挙げられます。ここでは、CRM、SFA、MAの違いについて解説します。

    ・SFA(Sales Force Automation)

    SFAは営業支援システムのことを指します。 CRMと管理する情報は非常に似ていますが、基本的にそれらは営業を支援するために使用されます。

    ・MA(Marketing Automation)

    MAは、商談に至るまでの顧客へのアクションを自動化するシステムのことを指します。ターゲット層の中から、リードを育成する際に利用されることが多いです。

    これら3つのシステムに関して、CRMは、各部門を横断して情報の基盤となるのに対して、MAはリードの獲得、育成の面を、SFAは営業における商談、成約までを担当する、といった関係を持っています。

    SFA・MAとの関係に関する記事はこちら→

    1-6.CRMツールを導入するメリット・デメリット

    それでは、実際にCRMツールを導入することによって生じるメリット・デメリットを解説します。

    ・メリット

    1.顧客情報を一元的に管理

    -顧客に関する情報が、CRMツール内に集約されるため、詳細な分析が可能となる。

    -CRMツール内でデータのやり取りが完結するため、情報漏えいのリスクが下がる。

    2.顧客への最適な対応

    -詳細な分析、レポートなどの機能により、顧客に対して最適な対応をすることが可能となる

    3.リアルタイムで反映されることによるスピーディーなアクション

    -商談の経過などがリアルタイムでCRMツールに反映されるため、スピーディーなアクションを行うことができる。

    4.他部署との連携が容易

    -CRMツールは、社内の他部署とも共同で利用することが可能であるため、連携力が向上する。

    -一元管理、リアルタイム反映の観点から、他部署との連携によって生じるリスク(セキュリティ問題、連携のスピード問題)も軽減される。

    ・デメリット

    1.コストがかかる

    -CRM ツールの導入には、多くの場合初期コスト継続コストが発生する。

    2.社内にCRMツールが浸透するまで時間がかかる

    -CRMツールを利用する習慣を社員が身につけ、定着するまで時間がかかる。

    3.効果が出るまで時間がかかる

    -浸透までの時間に付随して、CRMツールを導入したことによる効果が現れるまでの時間もかかる。

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    2.最適なCRMツールの選び方

    Pretty young lady taking a decision with scale above her head-4

    2-1.自社のニーズ

    実際にCRMツールを選定する前に、まずは自社がなぜCRMツールを導入したいのかを確認しましょう。ここでは、CRMツールを選ぶにあたって確認しておきたい項目を紹介します。

    1.費用対効果

    CRMツールは基本的にコストがかかるため、事前にどれくらいの予算を立ててどれくらいの効果を得たいのかを設定しましょう。必要ない高いコストをかけてしまうと、本末転倒になってしまうため、必ず確認しましょう。

    2.企業の大きさ

    企業の大きさによって、CRMツールの求める機能は変化するため、確認しましょう。大企業と中小企業それぞれにおいて、特に注目したい機能の違いは以下のようになります。

    ・大企業

    -規模が大きいため、データの種類、量を多くしたい

    -部署が多いため、多機能かつ柔軟性を重視したい

    -取り扱う情報の量、取り扱う人が多いため、セキュリティを重視したい

    ・中小企業

    -規模が小さいため、コストを重視したい

    -事業に応じたカスタマイズ性を重視したい

    -自社のITリテラシーが不安な場合は、操作性とサポートの有無を重視したい

    3.BtoB or BtoC

    顧客が企業か個人かによって、商談の内容は異なるため、CRMツールに求める機能も必然と変わってきます。自社の形態に応じて、以下のように機能を確認しましょう。

    ・BtoB

    -ひとつの顧客に対して、詳細かつ複雑な情報が必要

    -長い期間の関係維持が必要

    →関連データを一元管理する機能が必要

    ・BtoC

    -膨大な数の顧客情報を管理する必要

    -短い期間の関係性のため、ニーズに基づく適切なアプローチが必要

    →大量のデータを管理する機能が必要

    4.自社の課題

    最後に、CRMツール導入によって解決したい自社の課題を明確にしましょう。課題が明確になると、よりCRMツールに求める機能も明確になり、スムーズにCRMツールを選ぶことができます。

    2-2.CRMツールが持つ特徴・比較軸

    1.機能

    自社のニーズに基づいて、必要な機能が十分に備わっているCRMツールを選びましょう。自社が解決したい課題と、CRMツールの機能を結びつけることが重要となります。ここでは、CRMツールを選ぶにあたって、特に重要な機能を3つ紹介します。

    ・問い合わせ管理

    メールやフォームなどからの問い合わせは、CRMツール内で自動的にカテゴライズされ、問い合わせをした顧客の情報も確認できるため、スピーディーかつ適切な対応が可能となります。

    ・商談管理

    CRMツールでは、商談の進行状況などがリアルタイムで反映されるため、円滑な営業活動、そして他部署との連携に効果的です。

    ・マーケティング管理

    その他、マーケティングに関する情報などを管理する機能があります。1-4.CRMツールの機能の項目も合わせて確認しましょう。ここでは、以下の例を紹介します。

    -フォームの自動生成機能

    -SNS管理機能

    -その他自動配信機能

    2.操作性

    実際に導入した際は、現場の社員も利用するため、使い続けていく上で操作性は重要なポイントです。CRMツールのメリットを活かすために、必ず確認しましょう。

    3.サポート体制

    特にこのようなツールを初めて導入する企業は、サポート体制があるかどうかを確認しましょう。サポートを受けることにより、運用体制をスムーズに整えることができ、CRMツールのメリットを存分に受けることができます。

    4.他機能との連携

    DX化を進めるにあたって、使用するITツールがCRMツールのみになることは少ないため、SFAツールやMAツールなどの他のツール、あるいはEC、POS、アプリなどのシステムと連携が可能であるか確認しましょう。既に自社で導入済みのツールがあれば、確認は必須です。

    DX化に関する記事はこちら→

    5.セキュリティ

    当然、CRMツールは多くの機密情報を取り扱うため、セキュリティ性に目を向けることは重要となります。そのCRMツールがどのようなセキュリティ対策をしているかをしっかり確認しましょう。具体的には、暗号化、アクセス権限、過去のトラブルに関する情報開示の有無などが挙げられます。

    6.コスト

    CRM ツールは、無料のものから購入する際の初期費用が必要なもの、さらに継続する際にもランニングコストがかかるものがあります。導入するCRMツールがどれくらいの費用がかかるものなのかを確認しましょう。

    7.クラウド型かオンプレス型か

    CRMツールには、インターネット経由で利用できるクラウド型、自社内でシステムを運用するオンプレス型の2つに分けられます。ここでは、それぞれ2つのメリット・デメリットを解説します。

    ○クラウド型

    ・メリット

    -コストが比較的低い傾向

    -インターネットに接続できれば、どのような場所・デバイスでも利用可能

    ・デメリット

    -機能の自由度が低い

    -セキュリティ性がやや低くなる

    ○オンプレス型

    ・メリット

    -機能を自社に合わせてカスタマイズしやすい

    -セキュリティの安全性が高い

    ・デメリット

    -費用が高い

    -導入に時間がかかり、担当者を立てなければならない場合がある

    それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自社に合うシステムを選択しましょう。

    8.その他各CRMツールごとの特徴、専門性

    その他、CRMツールごとに独自の特徴がある場合は、そちらも確認しましょう。自社のニーズと合わせて確認すると、より最適なCRMツールを選択することができます。

    以上の各機能と、自社の状態を加味して、自社に最適なCRMツールを選びましょう。

    3.CRMツールを導入した後に検討するべきこと

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    3-1.費用対効果は出ているのか

    CRMツールは、費用対効果が直接的な数字で現れにくいため、運用を取りやめてしまう原因となってしまいます。CRMツールの費用対効果を検証する際は、以下の項目を指標としましょう。

    ・顧客獲得効率

    ・顧客満足度

    ・顧客維持効率

    ・口コミ効果

    ・顧客1人当たりの売上

    ・残業時間

    以上の項目を参照にし、効率化できているか商談の質が上がっているかを中心に確認しましょう。

    3-2運用は適切に行えているのか

    社内の運用率が低い場合、せっかくのメリットが適用されなくなってしまいます。そのため、メインユーザーとなる営業部門の理解を確実に得て、積極的な利用を求めるようにしましょう。

    3-3.SFA、MAなどをCRMツールと連携して導入するのか

    DX化を進めるにあたり、他のITツールも作業の効率化を手助けしてくれます。そして、導入したCRMツールが、もしSFAツールやMAツールへの拡張、連携が可能なのであれば、是非2つのツールを拡張しましょう。もちろん、他の機能への連携、拡張でも構いません。

    SFAに関する記事一覧はこちら→

    MAに関する記事一覧はこちら→

    3-4.CRMツールのサポートや外部のコンサルティングを依頼するのか

    CRMツールが上手く運用できていない、効果が感じられないといった際には、サポートを利用するのもひとつの手です。各CRMツールによってサポート内容は異なりますが、導入支援から、その後の課題の解決までをサポートしてくれるものもあるので、導入前にサポート内容を確認しておきましょう。

    H&Kは、HubSpot CRMの構築から実装までのワンストップ支援を行っております。お気軽にお問い合せください。

    CRM構築に関するお問い合せはこちら→

    4.CRM支援成功事例

    Idea exchange concept. Ideas agreement Investing in business innovation and financial commerce backing of creativity. Open lightbulb icon with gear mechanisms. Funding potential innovative growth

    最後に、CRM支援に関して2つの成功事例を紹介します。

    4-1.VALUENEX株式会社様:HubSpot MA導入&SFA・CRM移行

    KPI可視化と顧客情報の一元化を目的として、MAツール「HubSpot」を新規導入し、「Salesforce」から「HubSpot」へSFA・CRMの移行を実施いたしました。

    詳細はこちら→

    4-2.シャトルロックジャパン株式会社様:HubSpot CRM体制構築

    顧客単位における、リード獲得から受注までの情報を統合し、一貫して運用することを目的として、HubSpot CRMを軸とした体制構築を実施いたしました。

    詳細はこちら→

    まとめ

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    マーケティング施策において、顧客管理は必要不可欠となります。そして、その顧客管理を効率化してくれるCRMツールは非常に利便性の高いものです。しかし、導入までの手順を誤ってしまうと、運用後に望ましい効果が見込めなくなってしまいます。そのため、導入する際は、自社の課題をしっかりと見極め、サポートも活用しながら、最適なCRMツールの運用を目指しましょう。

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。