今回は、「新製品開発プロセス」を「製品コンセプトの開発」「戦略仮説の検討」「製品化」「市場導入」の4つの段階に分けて説明していきます。
企業は成長するために新たな市場を開拓し続ける必要があります。そのため、新製品開発は企業の将来に大きく関わるものなのです。
これらのプロセスを踏んで適切な新製品開発を行いましょう!
このブログのライティング者
安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.新製品コンセプトの開発段階
新製品のコンセプト作りは、マーケティングミックス戦略の中でも重要度が高い項目です。そのため、「製品コンセプトの開発段階」を以下の3段階に分けて詳しく説明します。
・新製品アイデアの研究
・新製品アイデアのスクリーニング
・新製品コンセプトの開発
1-1.新製品アイデアの研究
ここでは様々な情報を駆使してより多くのアイデアを出すことが求められます。求められるアイデアには、大きく分けて「シーズ型」「ニーズ型」の2つあります。シーズ型のアイデアは、「自分たちの強みをどうしたらいかせるだそうか」という問いか けから生まれます。例えば、スマートフォンやアプリ開発など「新しさの提案」です。
それに対して、ニーズ型のアイデアは、「このニーズを解決するにはどうしたらいいだろうか」という問いかけから生まれます。
例えば、スキンケア用品のような消費財など「世の中の不の細分化」です。
一般的には、新製品や新規事業を成功させるためには、市場のニーズを無視できません。
しかし、最も有名な開発者でありながらマーケターの「スティーブ・ジョブズ」は、「多くの場合、人は形にして見せてもらうまでは、自分はなにが欲しいのか分からないものだ」とニーズ発想だけでは不十分だとしています。
そのため、アイデア開発はシーズとニーズの両面から行う必要があります。
また、最近では、オープンイノベーションという「アイデア開発に自社以外がもつ知識や技術を取り込むアプローチ」が注目されています。
例えば、顧客の声を活かした製品開発などで、コメントで商品のレビューを書くであったり、モニターとして試作品を評価するなどが具体的にされている事例です。
1-2.新製品アイデアのスクリーニング
「多くのアイデアをふるいにかけ絞り込もう」という段階になります。
製品開発が進むに連れて、関わる人が増え、開発コストが膨らみます。そのため、より多くのユニークなアイデアを多く出す努力をする一方で、開発に向けより成功確率の高いアイデアがどれかを絞り込む必要があります。多くのアイデアが生まれることはとても良いことですが、開発コストは有限であるため、優先順位を決めることが必須となります。
1-3.新製品コンセプトの開発
「ふるいにかけたアイデアが誰にどんな利益を与えるか具体化しよう」という段階です。
製品のコンセプトとは、「使っている人の場面をイメージできるまで具体化されたアイデア」ということです。そして、この製品のコンセプトは、これから続く製品開発の中で軸となるものなので、すべての関連部門で共通した認識である必要があります。そのため、主要関連部門の間で徹底的に話し合い、不透明な点や納得のいかない点をなくしておくことが大切です。
2.戦略仮説の検討
「戦略仮説の検討」をより詳しく説明するために以下の2段階に分けます。
2-1.マーケティングの戦略検討
「できたコンセプトを使いマーケティング戦略の骨組みを作ろう」ということです。
具体的には、「ターゲット市場の市場特性」「ポジショニング」「マーケティング目標」をまず明確にした後に、「中長期にわたるマーケティングミックス戦略」「マーケティング予算」を明確にします。
2-2.事業経済性分析
「複数の状況で予想される予想売上高、原価、利益を推定しよう」ということです。
複数の状況とありますが、おおよそこれは、「楽観的」「現実的」「悲観的」の3つのパターンが挙げられます。この段階で、戦略目標に届かなければ、製品コンセプトの段階からマーケティング戦略を練り直します。
3.新製品の製品化
「製品化」を更に、以下の3段階に分けます。
の3段階に分けて説明します。
3-1.新製品開発
「事業経済性分析で結果のでたものの試作品を作ろう」ということです。
ここでは、技術系のスタッフとマーケティンググループが、製品コンセプトを具現化するために、製品の性質の観点から細かく素材、仕様を決めて、「物理的」「心理的」の2つの側面から比較検討され試作品が完成します。そして、完成した試作品は、実用面の実験や想定される顧客の反応を見るために様々なリサーチし、担当役員の承認を得てようやく製品化になります。
また、製品化が確定すると、後発メーカーの参入をできるだけ阻止するために、開発に関する特許申請を行う必要があります。
3-2.テストマーケティング
「地域を限定してテストすることで反応を予測しよう」ということです。これは、多額の損失や流通に対する信用を失うことを防げるだけではなく、供給不足による損失も防ぐことができます。しかし、テストマーケティングは、競合のに情報を公開することでもあるので、他社の参入の手助けになるリスクもあります。
3-3.新製品の製品化
「最終的に製品を作ろう」ということです。ここで、最終的にデザインやパッケージングなどが決定して、生産体型を組みます。
しかし、本生産が始まったからといって終わりではありません。「製品が市場に出た後も市場の動き」「消費者の反応」などを調査、分析して次の製品開発に役立てるのがマーケターの役割です。
4.市場導入
市場導入の段階では、すでに大枠のマーケティング計画はできているはずなので、これに基づいた戦術作りとその確実な実行に集中して、事業基盤を築き上げます。
その中で重要なことは、「開発プロセスの中で問題が発生したらすぐに練り直す」です。
これは当たり前のことですが、見直すことには非常に勇気がいります。
また、一連の新製品開発プロセスを進めると様々な問題に直面するため「評価の判断基準の明確化、客観化、処理権限の公式化」などを事前に準備するであったり、プロジェクト担当者が「社内で強力なリーダーシップ」をとれるようにしておくことも重要です。
5.まとめ
以上、「新製品開発プロセス」について詳しく解説していきました。この記事を少しでも参考にして頂ければ幸いです。
最後に覚えておきたい要点についてまとめます。
・「製品のコンセプト」は「使っている人の場面をイメージできるまで具体化されたアイデア」
・「マーケティングの戦略検討」は「できたコンセプトを使いマーケティング戦略の骨組みを作ろう」
・「テストマーケティング」は「地域を限定してテストすることで反応を予測しよう」
これらを意識して適切な新製品開発を行いましょう!
マーケティング施策に関して解決したい問題などございましたらお気軽にお問い合わせください。