この記事では、営業部門管理における「マネジメントのルーティーン」について説明します。
営業部門のマネジメントは年次、月次、週次、日次で現在の活動が目標に対してどの程度進捗しているか?そして進捗を見ながら目標達成のための打ち手を用意し、チームを目標達成に導くことが求められています。
これらをデータ化し、いつでも、どこでも情報を活用出来るように、最近は営業DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。中でも、顧客情報データの活用を目的としているSFA(セールスフォースオートメーション)を用いることで、営業マネジメントの業務を効率的に進めることが出来るようになります。
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.営業マネジメントとは
マネジメント(management)を直訳すると、「管理」「経営」といった意味になります。しかし、ビジネスで用いられるマネジメントが持つ意味は、「組織が成果を出せるようにするための機能」です。
上記を踏まえると営業マネジメントに求められていることは、自社の利益を最大化するため、営業マンがそれぞれの能力を最大限に発揮し売上確保・目標達成出来る環境を整えることだといえます。
1-1.マネジメントに必要な能力
営業マネジメントに必要な能力は大きく2つあります。
1-1-1.計画立案力
営業マネジメントに必要な能力の1つ目は、計画立案力です。
営業マネジメントには全体の計画と照らし合わせながら、個々の営業担当に適した業務計画を立案することが求められます。
細かく計画を設定しながら、チーム全体を動かせる能力が必要となります。
1-1-2.人材育成力
営業マネジメントに必要な能力2つ目は、人材育成力です。
チーム全体で計画を進め目標達成するために、個々の営業の育成は必要不可欠です。営業マネジメントには、営業一人一人の課題を明確にし、指導することでチームとしての力も高めていくことが求められます。
1-2.マネジメントの注意点
1-2-1.個々のスタッフに寄り添う
営業マネジメントの注意点、1つ目は「個々のスタッフに寄り添う」ことです。
担当している営業の態度や状況から、変化に気が付くことが出来るかが重要です。常に個々の営業に意識を寄せることで、異変に気が付くことが出来るようになります。寄り添い、コミュニケーションを大切にすることで、スタッフのモチベーション維持にもつながります。
1-2-2.指導上の注意
営業マネジメントの注意点、2つ目は「指導上の注意点」についてです。
営業マネジメントとして日々指導をする上で注意するべきことは、「客観的な指導」「一貫性を持った指導」です。
日々の忙しさを理由に断片的な情報だけを頼りに指導をすることや、相手によって態度や指導内容を変えたりする様では、信頼される営業マネジメントになることは難しいでしょう。常に冷静で公正な立場で的確な指示を与える必要があります。
2.営業マネジメントの業務内容
2-1.商談のリスト管理
営業マネジメントの業務、1つ目は「商談のリスト管理」です。
において、目標に対する進捗状況を確認する際に習慣にすると良いものとして、「商談の全リストを上から下まで全件見ること」があげられます。
メンバーの商談に全て同行するようなことはないので、個別の案件管理はメンバーに任せることになりますが、案件は日々動いています。メールや電話など些細なやり取りまでは確認することができません。
毎日見ていると、
・7月の本提案フェーズの全体の金額が減っている。
・商談のフェーズが本提案から提案に下がっている。
・商談のネクストステップが昨日までは「8/11に本部長に上申」となっていたのに8/20に変わっている。単に予定がズレただけか、何か想定外のことが起こったのか。なぜズレたのか。
というようにちょっとした変化に敏感になります。
本来、システムが自動検知して教えてくれますが、自ら確認することで改めて全体や現場で起こっていることを掴むことができます。
見ている項目がシンプルであっても、読み取れる情報は多いです。
SFAを活用すると、SFAの通知で自動的に把握したり、定例の営業MTGで案件を確認することで把握出来るようになります。
2-1-1.商談リストからわかること
例えば商談の全リストを見ている時に、
・商談1は商談日数が105日と長いが、フェーズ滞納日数は6日間と短かった場合、直近で進捗があったことがわかります。
・商談2は同じフェーズで受注確度の高いと判断している商談であるが、まだ競合が残っている状態だった場合、本部長の合意を得るというステップが残っていて、商談1よりリスクが高いと考えることができます。
・商談3は、ステージ5に入って1ヶ月半も経過しているのに、いまだに役員向けの資料の作成支援が終わっていない。それがなぜなのかを考える必要があります。
このように見ている項目はシンプルであっても、読み取れる情報量は多く、各商談がどこでつまずいているのかを発見することができます。
それによって、各商談をよりスムーズに進めていくきっかけを作ることができます。
2-2.目標設定・管理
営業マネジメントの業務、2つ目は「目標設定・管理」です。
営業マンが目標を明確に持って行動をするために、営業マネジメントには年次、月次、週次、日次など目標を細かく設定することが求められます。
目標を細かく設定した上で、現在の活動が目標に対してどの程度進捗しているか?そして進捗を見ながら管理すること、目標達成のための打ち手を用意し、チームを目標達成に導くことも求められます。
2-3.チーム全体の管理
営業マネジメントの業務、3つ目は「チーム全体の管理」です。
ここまで紹介した、商談リストの管理・目標設定管理をしているだけでは、上手くいかないこともあります。それは、チームメンバーのモチベーションを高い状態で維持出来ていない可能性があるためです。
営業マネジメントには、チームメンバーのモチベーション管理も求められます。
商談リストや目標を管理しながら、個々の営業マンに目を向けることが大切です。時には、悩みを聞いたり、困っていることがないか聞いてあげることが有効的でしょう。
3.マネジメントの確認ポイント
全体目視は目的を絞って確認することで毎日習慣にできる負担で行うことができます。
そのポイントについて紹介したいと思います。
3-1. フェーズ滞留日数が長い商談を確認
1つ目は「フェーズ滞留日数が長い商談を確認する」ということです。
商談日数が平均より長くても、フェーズ滞留日数が短ければ商談が動いているということになるので、フェーズ滞留日数を確認すると良いです。
要するに案件がアクティブに動いているかどうかをチェックすることです。
アクティブでなければ、営業が放置してしまっていたり、次のアクションを設定できていないことが想定されます。
3-2.商談のアクションの把握
2つ目は「ネクストステップの日付だけ先送りになり、書いている内容が変わらないものを確認する」ということです。
「10/20にマーケティング部長に訪問」と書いてあったものが、気づいたら日付だけが後ろにずれていくケースがあります。
ここから商談をコントロールできていないということがわかります。
またそもそも顧客とスケジュール感を提示できていない可能性を示唆しています。
このような場合は、期日までにマーケティング部長への訪問が確定できなかった場合は、どのようなアクションを取るのかという次の策をあらかじめ考えさせておくことが必要になります。
3-3. フェーズが後退したものを確認する
3つ目は「フェーズが後退したものを確認する」ということです。
フェーズのダウングレードは本来あるべきではありませんが、想定外のことが起きたか、そもそもの見極めが甘かったのかを検証することによって、営業へのコーチングがかわっってくるので、把握することが必要です。
以上の3つが全体黙示をする際に、チェックしておくべきポイントになります。
まとめ
営業マネジメントに求められていることは、チームをより良くするための環境を整えることです。
今回の記事では、3つの業務内容と、確認すべきポイントを紹介しました。これらを実行することで、必要なタイミングで適切なフォローを入れることができるためチーム全体の組織力、営業力の向上に繋がります。
マネジメントの職種は時にプレイヤーも担うこともある上に、他にもやらなくてはならない仕事も多いため、案件管理はできる限りにルーティーンにして自身のパフォーマンスを維持する工夫が必要になります
SFAを用いて自動化を進めたり、組織全体で運用できるように仕組みを整えることで業務を効率的に進めていきましょう。