この記事では、「フォーキャストミーティングで最初にする質問」について説明していきます。
フォーキャストミーティングは、当月や当四半期など短期の売上目標に対しての数字達成の進捗を確認することを目的に行われます。ヨミ自体がブレてしまっているようでは、会社が大きな損失を被ってしまいます。そのため、営業マネジメントにとってフォーキャストの管理はとても重要な仕事です。
一方で、フォーキャストの管理をしっかりと行うことで、成長機会を逃さない企業を導く営業マネジメントになることが出来ます。
フォーキャストに関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください!
(フォーキャストの考え方を理解して成長機会を逃さない営業マネジメントになる)
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.フォーキャストに対する自信
営業マネジメントにとって非常に大きな責任を伴う「フォーキャストミーティング」の最初では、営業やマネジメントは「そのフォーキャストは何%くらいの自信があるか」と質問します。
答えば大体3つに分かれます。
- 「80%」
- 「50%」
- 「相当チャレンジ含みですが、なんとかして達成します」
この3つです。
100%という回答をするメンバーはほとんどいません。
この質問の回答から、メンバーが考えているフォーキャストの根拠を見ることができます。
1-1.80%と答える人
フォーキャストへの自信を「80%」と答えた人の場合、おおよそヨミの変数となる部分の整理と数字の組み立てや受注までのスケジュール計画はできているはずなので、どの商談を計算に入れていて、リスクがあるとすればどの商談かを確認し、その判断が間違っていないか、別の角度からリスクは考えられないかを検討します。
マネジメント経験の長い人は、
・商材
・顧客
・営業スタイル
・メンバーへの理解度
の4点が高いため、商談におけるリスク探知能力が高いので、要素をかいつまんだ商談把握でも問題ありませんが、マネジメント経験の浅い人の場合は、まだ経験が乏しくリスクを探知する能力が低いため、メンバーにこの質問をする場合、根拠となる商談を細かく確認した方が良いです。ベテランの営業に他にリスクは考えられないか聞いてみてもいいです。
またこの回答をした場合には、フォーキャストを上回るストレッチゴールを設定することにより、高いパフォーマンスに導ける可能性があります。
80%と答えられるメンバーは、自分の目標達成のための計画を具体的に立てることができ、そして目標達成のためにたてた計画を実行することのできる自立したハイパフォーマーの素質が高いからです。
1-2.50%と答える人
フォーキャストへの自信が「50%」という回答には様々なパターンがあります。
・心配性の人やリスクヘッジの目的で50%
・パイプラインにいる商談数は十分持っているが、鍵となりそうな商談の受注確度が五分五分の可能性ばかりで、上にも下にもブレる可能性がある
などのケースもあります。
このパターンのフォーキャストでは、どちらにもブレる可能性が五分五分の商談に対して早いタイミングと高い頻度で商談レビューを入れるなど、関係各部門のリソースを集中させて確度を高めていくことと商談のクリーニングが必要です。
ブレ幅が大きい商談を抱えている営業は、受注のためのアクション内容の立案と受注しやすい顧客の見極めが苦手というケースも少なくありません。
ですから、マネジメントは商談のレビューで五分五分が七分三分になるようなアクションをできないのか?であったり本当にこの見込みは受注につながるのかというのをフォローする必要があるのです。
1-3. 相当チャレンジ含みですが、なんとかして達成しますと答える人
フォーキャストへの自信が「相当チャレンジ含みですが、なんとかして達成します」というタイプは、もともとロジカルな組み立てが苦手な一発狙いのタイプか、厳しいパフォーマンスが続いてこのままではまずいと感じている、あるいは危機感を超えて混乱しているケースなどが考えられます。
つまり、根拠がない状態です。
このようなケースでのマネジメントの仕事は、冷静にパイプラインや個々の商談をレビューして、自分が考える現実的なフォーキャストはこうだと伝えることが必要です。
まずは、客観的な事実を伝えメンバーの頭の整理を手伝いましょう。
それが目標を大きく下回る数字だったとしても、リアリティのある目標を設定して、この数字をまず達成するよう伝えます。
それをクリアして達成感を味わうことによって、その営業の仕事ぶりは変わってきます。
厳しいパフォーマンスが続いて危機感を感じている場合、目標達成の経験が薄れています。
達成の経験が薄れてくると、最初から諦めてしまったり、自らを追い詰めてしまったり、自暴自棄になったりして目標未達成の悪循環にハマってしまいます。
きちんと実行すれば結果が返ってくるという経験の積み重ねが、基本や原理原則を守ろうとする意識につながります。
1-4. チーム全体での違い
営業部門全体で、どのレイヤーでも「80%」と答える人が多いなら、これほど楽なことはありませんが、必ず営業単位、部門単位でばらつきがあります。
組織では どのような組織でも、2割の人間が優秀な働きをし、6割の人間が普通の働きをし、2割の人間がよくない働きをするという262の法則というものがあります。
80%と答えられる人は上位2割の優秀層でしょう。
組織の上位マネジメントの仕事は、
チーム内、部門内でお互いのリスクをカバーしながら、最終的に会社全体の目標を達成するチームプレイの意識を組織全体に植え付ける
ことです。
メンバーが自分のフォーキャストの数字しか知らないというような営業部門は、個人プレーだけの集団で、チームにどう貢献するかという視点がかけているので、継続していいパフォーマンスは出せないし、強い営業組織にはなれません。
まとめ
各営業が自分のフォーキャストをしっかりとした根拠を持って把握し、そして組織全体のフォーキャストを把握する。
それによって、営業が組織として飛躍することができます。
もちろん最初の方は経験も浅く、リスク探知能力やフォーキャストを正確に把握する能力は低いです。
しかし、経験を積んでいったり、マネジメントから正しいフォーキャストを指導してもらい、それを達成していくことによって達成感とともに、今の自分の実力ではどれくらいの数字であれば達成できるのかが把握でき、今後正確なフォーキャストを把握し、ブレがない数字の達成をしていくことができます。
正確なフォーキャストを把握できるようになることが、まず重要なことになります。