インターネットの普及によって、消費者の購買行動に変化を及ぼしましたが、販売する側の企業の「価格戦略」にも変化が起こっています。消費者はより簡単によりお得に商品を買うようになっているため、企業は「製品を組み合わせた価格戦略」を利用した価格設定を行って利益を上げています。
そこで今回は、価格設定の総まとめと、複数を組み合わせる場合の「価格戦略」である「バンドリング」と「アンバンドリング」について解説します。これらを理解することで、企業は元々売れなかった製品の売上を上げることができ、消費者は自分たちに合った購買ができるようになります。
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1. 価格設定をする目的の再確認
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まず「価格設定」は利益を左右するため、事業戦略の要です。そのため、効果的な価格設定が必要で、目的を正しく認識しておくことが大事になります。その目的が市場シェアを獲得することかもしれませんし、競合他社の意気込みを削ぎ、新規参入者の動きを止めることかもしれません。
このような価格設定のプロセスは、バレーボールの試合と同じように、一つ一つの意思決定は、一連の流れの中の1つの動きでしかないです。例えば、自社の設定した価格に対して、競合他社はさらに低い価格を設定したとします。それでも自社はマーケティング目標に基づいて、「価格戦略」や「事業戦略」をしなければいけません。
2. BtoBビジネスにおいての価格変更
次は「BtoBビジネスにおいての価格変更」について説明します。つまり、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスについてです。
このBtoBビジネスでは、価格変更をする場合、価格を顧客に受けとめてもらう努力をすることが必要です。多くの企業は値上げを行うときに、「コストの上昇」によるものだといいますが、きちんとこの値上げが「正しい値上げ」であると顧客に伝えることが大切です。これは値下げの場合でも同様です。値下げをしても品質やサービスの低下があると、顧客は不満を持ちます。
さらに頻繁に価格変更を行うと、顧客が混乱するだけでなく、企業側も製品に対する価値判断ができなくなったり、企業やブランドに対する価値判断に影響を及ぼします。そのため、マーケティング担当者は価格変更による様々な影響を考慮した上で慎重に決定し、顧客に対するコミュニケーションや価値の見せ方に細心の注意を払うことが重要です。
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3. 価格設定においての製品組み合わせ戦略
3-1. バンドリングとは?
最後に、「製品組み合わせ戦略」について説明します。実際製品を販売するときは必ずしも単体で販売するわけではありません。そんな「複数を組み合わせる価格戦略」には、「バンドリング」と「アンバンドリング」があります。まずは「バンドリング」について説明します。
「バンドリング」とは、関連する2つ以上の製品、サービスを組み合わせて1つのセットで販売することで、消費者は割安感を感じることができ、単体では売りにくい製品を需要の高い製品と一緒に販売でき、さらに客単価が上がるというメリットがあります。
例えば、マクドナルドはハンバーガー単品だけでなく、ドリンクやポテトが一緒についてくるセットメニューも販売しています。
3-2. アンバンドリングとは?
次に「アンバンドリング」について説明します。「アンバンドリング」とは消費者のニーズに合わせて元は1つのセットになったいたものをバラバラに分けて販売することで、消費者は欲しいものだけ買うことができ、セットでは売れなかったものが売れるというメリットがあります。
例えば、音楽アプリでは自分の好きな曲だけをダウンロードすることができます。さらに「バンドリング」と「アンバンドリング」の2つのどちらが適しているかを見極めるためには、以下の4つを把握し分析する必要があります。
- ・業界の特性
- ・製品、サービスの特性
- ・競争環境
- ・需要の動き
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4. まとめ
以上、複数を組み合わせる場合の「価格戦略」である「バンドリング」と「アンバンドリング」について解説してきました。
最後に覚えておきたい要点についてまとめます。
・効果的な価格設定を行うためには、目的を正しく認識することが必要不可欠です。
・BtoBビジネスの場合、価格変更をするときには、価格を顧客に受け止めてもらうようにするために努力が必要です。
・「バンドリング」か「アンバンドリング」のどちらが適しているかを見極めるためには、「業界の特性」「製品、サービスの特性」「競争環境」「需要の動き」などをきちんと把握し、分析する必要があるということです。
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