Update.2022.09.13

戦略的なポジショニングの作り方とは?分析手法のポジショニングマップも解説

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ポジショニングは「顧客が自社の製品を魅力的と認識している」状態を目指すことを目的とします。そのためには競合製品との差別化が重要です。そんな競合製品との差別化において、自社製品の立ち位置を知るためにはポジショニングマップが必要不可欠です。

そこで今回は、「戦略的ポジショニングの作り方」について解説していきます。ポジショニングの作り方とポジショニングマップについて理解することで、消費者に欲しいと感じてもらえる製品の販売に近づくことができます。

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    このブログのライティング者

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役
    株式会社H&K 代表取締役CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
    @KOK1ANDO Youtube

     

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    1. 自社製品のユニークさを訴求するポジショニング戦略

    1-1. 自社製品のユニークさを訴求するポジショニングとは?

    ポジショニング戦略の作り方としては2つの方法があります。

    •   ・自社製品のユニークさを訴求する
    •   ・ポジショニングマップを利用する

     

    1つ目は「自社製品のユニークさを訴求する」ポジショニング戦略です。このポジショニング戦略では、自社製品のユニークさを簡潔に認識してもらえる表現を考え、それをそのまま製品のコンセプトとして採用します。その製品のコンセプト自体がまだ市場になかったような場合において特に有効な戦略手法の一つです。

    「製品の魅力はユニークさである」と訴えかけることにより、顧客が自社製品を新しいもの・革新的なものであると感じるようになってもらうことを狙います。



    1-2. ソニーのポジショニングアプローチ

     

    ここで「自社製品のユニークさを訴求した」ポジショニング戦略の事例として、1979年にソニーがウォークマンを市場に展開した時のポジショニングアプローチを紹介します。

     

    今ではApple社のiPodsやiPods mini、そしてiPhoneなどがポータブル音楽プレイヤー、オーディオプレイヤー機能を含む小型機械として普及していますが、そのコンセプトの先駆的な商品といえばソニーのウォークマンです。

    しかしウォークマンが生まれる前の時代は、録音機能を用いてその再生目的でテープレコーダーを購入する層が一般的で、ソニー社内には、「録音機能のないテープレコーダーなんて売れるわけがない」という否定的な意見も少なくなかったです。

     

    そこで、単に「録音できないが、小さいテープレコーダー」というポジショニングではなく、「外で歩きながら音楽が聴ける」という新たな価値を打ち出すポジショニングをとることで、ウォークマンは大ヒット商品となりました。商品名も外で歩きながら音楽が聴けることが一目でわかるようにWalk + Man とシンプルかつ印象的な名前で売り出しました。

    またウォークマンの商品そのものではなく、「外で音楽が聴ける」というコンセプトを売り出す必要性があったと考えたため、社員にウォークマンをつけた状態でJR山手線を周回してもらい、音楽を聞いている状態で街中を歩かせました。つまり、新しい文化やライフスタイルを象徴する商品として、多くの人目に触れさせ、商品とそのコンセプトに対して魅力を感じてもらうようにすることで、ウォークマンは爆発的に売れました。

     

    このように、製品のコンセプトそのものが顧客にとって全く新しい場合には、より顧客に対してインパクトがあるポジショニング戦略をとる必要があります。つまり他の製品と比較するよりも、新しい価値観やコンセプトをそのままポジショニングとして提案することは一つの友好的な手段です。

     

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    2. ポジショニングマップを使ったポジショニング戦略

     

    2つ目は「ポジショニングマップ」を使ったポジショニング戦略です。ポジショニングでは最適なKBFを検討しながら、そのKBFに効率的にアプローチできる自社製品の特徴とマーケティング方法を考えなければなりません。そのために有効なのが「ポジショニングマップ」です。まずはここで出てきたKBFについて解説します。

    2-1. 購買決定要因(KBF)とは?

    同じカテゴリー内で自社製品が複数存在する場合には、各製品の特徴がそれぞれどう異なるかを確認して明確にその違いを打ち出さなければいけません。消費者が競合製品の中から最終的にある製品を購買する時の決め手となるような要因KBF(Key Buying Factor:購買決定要因)と言います

     

    例えば、似たようなTシャツがたくさんある中で、デザインやサイズを吟味しつつも、最終的に一番安いものを選んだ場合は、その人のKBFは「価格」となります。このような価格に敏感な顧客層をターゲットとするなら、「安さ」を打ち出したポジショニングが最適です。

    つまり、企業は顧客のKBFを見極め、その要因を持つ顧客に強く訴求できるポジショニングを考えることが重要です。ブルーボトルコーヒーはポジショニング戦略として「コーヒーの美味しさ」や「丁寧なサービスの質」をKBFとする顧客をターゲットとしました。

     

    2-2. ポジショニングマップとは?

    次に「ポジショニングマップ」について説明します。ポジショニングマップとは、戦略的に有効な2つの軸をとって、各象限にそれぞれの企業の立ち位置を当てはめていく図のことです。ポジショニングマップにおいて重要なことは、消費者が購買を決定する要因を2つに絞り、2つの軸を決めることです。

    ポジショニングマップは、同じ製品カテゴリーの中で自社製品の優位性を訴求したい場合に効果的です。なぜなら、競合製品との差別化を徹底して行うことで、自社製品との違いがはっきりわかるからです。また複数の軸を参考にしたマッピングに空白箇所があり、顧客のニーズに適合した商品がまだ市場には現れていない場合、それが新商品のアイデアにつながる場合もあります。

     

    図1 男性会社員向け製品のポジショニングの例

     

    ここでマーケティング担当者が陥りがちなのが、自社製品の特徴をあれもこれも顧客に伝えようとして、結果的にどれが際立っている強みなのかわからなくなってしまうことです。そのため、消費者に自社製品の特徴を伝えるときは、シンプルかつインパクトがあることを心がけなければなりません。そして常に顧客目線に立つことが大切です。

     

    (ポジショニングマップの詳しい手順についてはこちらの記事を参照して下さい)

     

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    3. まとめ

    以上、「戦略的ポジショニングの作り方」について解説してきました。この記事が少しでも参考になっていただければ幸いです。

    最後に覚えておきたい要点についてまとめます。

     

    ・ポジショニング戦略の手法として「自社製品のユニークさを簡潔に認識してもらえる表現を考える」というやり方があります。

    ・他の製品と比較するよりも、新しい価値観やコンセプトをそのままポジショニング戦略としてとる方がいい場合があります。

    ・ポジショニングマップは、同じ製品カテゴリーの中で自社製品の優位性を訴求したい場合に効果的です。

     

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    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。