Update.2022.09.13

【徹底解説】正しいポジショニングマップを作るには2つの軸の決め方が重要

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ポジショニングとは、「顧客が自社の製品を魅力的と認識している状態を目指すこと」です。ポジショニング戦略を行うためには、ポジショニングマップを作ることが必要不可欠です。そんなポジショニングマップを作るには2つの軸が重要です。

そこで今回は「ポジショニングマップの手順」について解説していきます。「ポジショニングマップの手順」をきちんと理解できれば、競合製品との差別化ができ、消費者により魅力的な製品だと感じてもらえるようになります。

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    このブログのライティング者

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役
    株式会社H&K 代表取締役CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
    @KOK1ANDO Youtube

     

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    1. ポジショニングの軸となり得る特徴をリストアップする

     

    最初に「自社製品の特徴」をリストアップします。ここでいう「自社製品の特徴」とは、製品特性といった直接的な効果ではなく、消費者目線での総合的な魅力といった間接的なイメージについて考えることです。

     

    コーヒーを例として考えます。皆さんはコーヒーを買うとき、どんなことを考えますか?

    豆の質やコク、香りやカフェインの量などの要素ももちろんあると思います。しかしこれらは「自社製品の特徴」には当てはまりません。ここでは全体的なベネフィットをリストアップしなければいけません。そのためコーヒーの成分自体では、ほかの商品との差別化は難しく訴求力が弱いです。

    そんな中、缶コーヒーのジョージアは、「やすらぎ」というイメージをポジショニングにとって、男性会社員の「癒しを求める心」をとらえました。つまり、直接的な効果である香りやコクから派生した、間接的なイメージとしてのコーヒーに付随する「リラックスイメージ」を戦略的ポジショニングの立ち位置として選択したということです。

     

    このように、顕在的あるいは潜在的な消費者ニーズに訴求するポジショニングを探すことが軸探しの基本です。しかし、いくら消費者ニーズを満たしていても、競合製品も同じポジショニングであれば、必ずしも自社製品を選択してもらえるとは限りません。あくまで競合他社が今までとっていない、独自のポジショニングの軸を探すことが重要なポイントになります。

     

    しかし実をいうと、明らかに優位な点がなくても問題はありません。

    例えば、アメリカのライフブイ石鹸は「体臭を消す」というポジショニングで消費者に訴求したところ、大ヒットしました。実際、普通の石鹸で体を洗えば体臭は消えるので、このポジショニングは特別目新しいものではありません。

    しかし、機能的に考えれば当たり前のことでも、他社が打ち出していないポジショニングで、消費者にとって新しい特徴や価値として訴求できれば、十分に意味があります。

     

    ここまでをまとめると、「自社製品の特徴」をリストアップしていく上で、製品特性に過度に縛られることなく、独自性や消費者ニーズという視点を含めて、様々なポジショニングの軸の可能性をリストアップしておくことがよいです。

     

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    2. ポジショニングの軸となり得る特徴を2つに絞り込む

     

    先程「自社製品の特徴」をリストアップしましたが、自社製品をより効果的に伝えるために、消費者に強く訴求できる要素は2つ程度です。つまりリストアップした中から2つの軸を決めます。では具体的にはどのような観点で軸を絞り込めばよいのでしょうか?

    ポジショニングにおいて最適な条件は「消費者に共感してもらえる」ということです。そのためには、3つのことに注意する必要があります。

    •   ・自社製品を他社製品より魅力的だと消費者に認識してもらう
    •   ・競合の追随を防ぐ
    •   ・自社製品間のカニバリゼーションを避ける

     

    2-1. 自社製品を他社製品より魅力的だと消費者に認識してもらう

    1つ目に注意することは、「自社製品を他社製品より魅力的だと消費者に認識してもらう」ことです。これを達成するためには2つ方法があります。

    •   ・新ポジションを創造する
    •   ・競合のポジションを弱める

     

    まず「新ポジションを創造する」とは、「ある着眼点をもとに新しい価値を与え、提案すること」です。例えばカルビーのフルグラは、シリアルの手抜きというイメージを忙しい朝でもおいしく栄養摂取できる「賢く時短」という訴求に切り替え、既存のシリアルでは打ち出しにくいポジションを確立することができ、売り上げを大きく伸ばしました。

     

    次に「競合のポジションを弱める」とは、「競合他社が強みを出せない市場で勝負をする」ということです。自社がシェアを大きく占めている業界のリーダー企業である場合は、必ずしもユニークなポジショニングを行うことが成功の秘訣とは限りません。つまり、もしチャレンジャー企業が新製品を出してきた場合、リーダー企業はそれと全く同じのポジショニング製品を出す同質化戦略をとる方がよいということです。なぜなら、消費者は製品間にそれほど明確な違いがなければ、知名度や信頼感で勝るリーダー企業の製品を選ぶことが多いからです。

     

    2-2. 競合の追随を防ぐ

    2つ目に注意することは「競合の追随を防ぐ」ことです。これを達成するためには2つの方法があります。

    •   ・現行のポジショニングを強化する
    •   ・競合が真似しにくいポジショニングを行う

     

    まず「現行のポジショニングを強化する」とは、「ますます○○になりました!」という消費者の支持をさらに強める方法です。自社製品の持つ特徴をさらに強化し、消費者に一層強くアピールすることで市場シェアのキープを図ります。そのために自分の強みを軸にすることが重要です。

     

    次に「競合が真似しにくいポジショニングを行う」について、先程リーダー企業はチャレンジャー企業に対して同質化戦略をとることで、競合のポジションを弱める効果があると説明しました。そんなリーダー企業に対して競合が真似しにくいポジショニングを取る必要があります。また顧客に自社製品が魅力的だと感じてもらうためには差別化が重要であるため、他には真似できないポジショニングを考えることも大事です。

     

    2-3. 自社製品間のカニバリゼーションを避ける

    3つ目に注意することは「自社製品間のカニバリゼーションを避ける」ことです。カニバリゼーションとは、同一カテゴリーに1社で複数の製品を出している場合に、自社製品間で市場の奪い合いをするような状況になることです。

    このような状況にならないために、どの製品もターゲットとする顧客層をポジション別に分けて顧客に訴求することで、顧客の奪い合いが起こらないようにしながら、市場全体のニーズをカバーしています。

     

     

     

    3. まとめ

    以上、「ポジショニングの手順」について解説していきました。この記事が少しでも参考になっていただければ幸いです。

    最後に覚えておきたい要点についてまとめます。

     

    ・ポジショニングを行うためには、ポジショニングの軸となり得る特徴をリストアップし、そこから2つに絞り込む必要があります。

    ・「ポジショニングの軸となり得る特徴」とは、自社製品の特徴のことです。

    ・「ポジショニングの軸となり得る特徴を2つに絞り込む」ためには、「自社製品を他社製品より魅力的だと消費者に認識してもらう」ことと、「競合の追随を防ぐ」こと、「自社製品間のカニバリゼーションを避ける」ということに注意しなければいけません。

     

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。