Update.2022.09.26

クロスSWOT分析とは?市場の機会と脅威について解説!分かりやすい事例つきで解説!

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この記事ではSWOT分析で見つかる市場の機会と脅威、そしてクロスSWOT分析について説明します。環境分析が難しい方は、この記事を通してSWOT分析で自社の強みと弱み、機会と脅威を見出し、それぞれをクロスSWOT分析で掛け合わせることで戦略を構築する方法を学び、戦略立案に活かすことができます!

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    このブログのライティング者

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役
    株式会社H&K 代表取締役CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
    @KOK1ANDO Youtube

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    目次

    1.SWOT分析で見つかる市場の機会と脅威とは
      1-1 市場の機会と脅威の二面性
      1-2 脅威を機会と捉える
    2.クロスSWOT分析とは
    3.SWOT分析の具体的な事例紹介
      3-1 脅威を機会と捉えた事例
      3-2 弱みを強みに変えた事例
      3-3 市場機会を創造した事例

     

    1.SWOT分析で見つかる市場の機会と脅威とは

    青と白 SWOT分析図 プレゼンテーション-png

    市場の機会と脅威とは、環境分析で用いられるフレームワークの、SWOT分析などを通して見つけられる自社にとってプラスに働く要因と、マイナスに働く要因のことです。分析後、そこで見つけた市場機会をマーケティング戦略にどのように生かすかがポイントです。

    環境分析の手法やSWOT分析に関する説明はコチラの記事を参考に!

     

    市場の機会と脅威はSWOT分析から導かれます。

    ・O: Opportunities: 機会
    ・T: Threats: 脅威

    以上の要素で、外部環境において自社にとって好ましい傾向であれば機会、逆に好ましくない傾向にあれば脅威としてとらえます。

    しかし、市場の機会というものは一面的な要素ではありません

    他社にとっての機会が必ずしも自社にとっての機会となるわけではなく、一般的な市場の機会に、自社の強みが上手くマッチした際にシナジーが生まれ、自社にとっての大きな機会が生まれます。

    その逆もまた然りで、例えば不況時には広い業界に大きくマイナス影響を与える可能性があります。

    しかし、一般的に逆風とされる不況時だからこそ、廉価製品に需要があると見込み、100円¥均一という薄利多売をコンセプトにしたダイソーは100円ショップという事業を成長させることができました。

    1-1 市場の機会と脅威の二面性

    Image of businessman touching virus alert icon

    同じ市場環境の変化があり、多くの企業にとっての市場の機会であっても、それぞれ社内の事情によってそのとらえ方は大きく異なります。

    A、B、Cの3社で考えます。

    A社の事情、例えば投資に回せる資本がちょうど今大量にあるといった社内事情が存在していれば、市場環境の変化にうまく対応できる能力と資本があるので、この機会は大きな市場機会になり得ます。

    一方B社では、ニッチな産業を営んでいるので顧客層拡大へ向けた大きな変化は考えられないとして小さな市場機会にとどまり、その一方でC社ではその逆の展開になっている可能性、顧客が競合製品を買い始めてしまった、顧客が自社製品に魅力を感じなくなってしまったとの展開も考えられます。

    先ほどの不況時の例では業界別の市場の機会発見の一例でありましたが、同じ業界・グループ内であっても、機会と脅威のとらえ方は一様ではありません

    例えば、規制緩和による市場ルールの変更はその一例です。

    一般的に大手企業は安定した市場で業界ルールに乗っ取り、優位性を確保してきたことで、安定して長期間に渡り、収益を記録してきました。

    しかしながら、政府主導の法律改正によって、業界ルールが崩れたことにより、大手企業は優位性を保てなくなることから、大手企業は規制緩和を脅威とみなす一方で、2番手3番手の企業は新しいビジネスチャンスが生まれることから機会だと捉える傾向があります

    しかし、見方を変えることによって大手企業も規制緩和は大きな機会となりえます。

    つまり、SWOT分析の結果、自社にとって脅威と捉えたとしても、発想を転換させ、機会として捉えなおすという視点も大切です。

    2.クロスSWOT分析とは

    クロスSWOT分析とは、SWOT分析で明らかになった、自社の強みや弱み、自社を取り巻く機会や脅威を組み合わせて、最適なマーケティング戦略を考えるフレームワークです。

     

    強みと機会:積極攻勢戦略

    最大に強みを生かし機会を攻略する戦略を考えます。

     

    強みと脅威:差別化戦略

    強みをうまく活用し、脅威になりうる影響を最小限に抑えれるような戦略を考えます。

     

    弱みと機会:弱点強化戦略

    弱みを克服することで、機会を攻略する戦略を考えます。

    企業の抱える弱みを、機会を利用して克服し、強みに変えていくことを目標とします。

     

    弱みと脅威:脅威回避戦略

    弱み・脅威から生じる自社へのマイナスの影響を最小限に抑えるような戦略を考えます。

    自社に与える最悪の事態を想定し、回避的な行動をとることを目標とします。

    このフレームワークをうまく活用して、自社にとっての弱みや脅威を、強みと機会をうまく組み合わせて、弱みや脅威による影響を最小限に抑える戦略を立案することが重要です。

     

     

    H&Kでは、マーケティング戦略コンサルティングを行っております。もちろん、SWOT分析も行います。事例を資料にまとめているので、興味がある方は、下のボタンから資料ダウンロードをお願いします。

     

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    3.SWOT分析の具体的な事例紹介

    Young business person juggle with new idea concept

     

    SWOT分析の具体的な事例を紹介します。

    3-1 脅威を機会と捉えた事例

    SWOT分析の結果、自社にとって脅威と捉えたとしても、発想を転換させ、機会として捉えなおすという視点も大切です。

    ・タバコ業界

    加熱式タバコで有名なアイコスは、重課税に苦しむタバコ業界において急成長し、全国販売開始からわずか1年程度で10%のシェア獲得に成功しました。

     

    アイコスは、タバコCM規制やパッケージ注意文言表示義務化、更には全国的な禁煙への風潮などの脅威を「タバコの副流煙などで他人に迷惑をかけたくないが喫煙は続けたい」という愛煙家のニーズを汲み取ることで、加熱式タバコの売上を劇的に伸ばしました。

     

    脅威を裏返すことで、顧客のニーズに迫ること成功した一例ではありますが、この転換的な発送の事業化にたどり着くためには、常日頃から外部環境に対するアンテナを敏感にしておく必要があり、情報を正しく取捨選択し、ユーザーのニーズを見抜く目を磨き続けることが不可欠です。

    3-2 弱みを強みに変えた事例

    電製品の市場の事例を紹介します。

    ある家電製品の市場が急速に成長しそうな見込みがあるが、自社には流通チャネルがなかったとします。

    モノやサービスを提供するサプライチェーンが業界内にないことは大きな弱みだと考えられるが、実態はどうなのでしょうか?

    一つの答えは「業界内を通さずに販売」することで、既存の流通チャネルにとらわれることなく、新しい事業を展開することが可能です。

    その一例としては、ネットなどを利用する通信販売です。

    家電量販店などに製品を展示してもらう必要がなく、自社と委託された通信販売業者だけで製品の流通が完結するので、業界内の流通チャネルの有無は関係なくなります。

     

    ・布団専用の掃除機レイコップ

    ハウスダスト・アレルギーに着目して開発した新商品であり、2012年から2016年末までには累計販売台数が450万代を超えるまでに好調でした。

    日本における白物家電は普及率が95%を超えるような成熟業界であり、ほとんどが買い替え需要中心の業界です。

    その成熟業界でレイコップが売上を伸ばすために、白物家電業界ではなく、通信販売を通してダイレクトにユーザーのニーズに訴えかける手法を選択しました。

    発売当初は量販店でレイコップが貢献できる問題解決が理解してもらえずに、掃除機でよいではないかという意見が大半でした。

     

    競合製品として掃除機を家電量販店は挙げてきたのです。

    確かに布団のほこりや糸くずを取るためには掃除機のノズルを取り外し、直接布団の上を掃除機にかければ済む話でしょう。

    そこでレイコップのマーケティング担当は「掃除機の代替品」ではなく、「快適な睡眠を得るための新商品」だとして、マーケティング戦略を打ち出しました。

    そうすれば競合製品がいない新市場で一番手となることができ、ブランド認知に大きく貢献できると考えたからです。

    結果はテレビ通販大手のジャパネットたかた創業者である高田明氏に自らレイコップを紹介していただけるほどにまで成長し、爆発的なヒットにつながりました。

    一見短所だと思われる特徴を、視点を変えることによって長所に転じた例はたくさんあります。しかしながら、一朝一夕では達成できることではありません。

    必ず地道な努力の上にようやく実を結ぶのです。

    3-3 市場機会を創造した事例

    Family shopping for clothes and looking happy

    外部環境・内部分析が市場機会の発見につながるとはいうものの、市場機会はいつも見つけ出せるものではありません。

    最初に結果として見つかった事実を企業が適切に捉えたあと、方向性を位置づけることで市場機会を「創り出す」ことができます。

    分析で見つかる事実は、単なる事実であり、その要因は他の競合企業も既に見つけている可能性が高いです。

    そこにSWOT分析で明らかにした自社の人間しか知らない自社の要素、文化や戦略などをその事実と組み合わせ、意味を持たせることで市場機会の創出につながります

    SWOT分析で明らかにした、強みと脅威を組み合わせて市場機会を想像した事例を紹介します。


    ・ユニクロ

    例えば2008年のアメリカで発生したサブプライム問題から始まる世界同時不況化において業績を伸ばした企業に、ユニクロを手がけていることで有名なファーストリテイリングがあります。

    主力であるユニクロが不況下において業績を伸ばすことができた要因は、顧客の支出が少なくなる中で、保温素材を使った下着ヒートテックなどのお得感のあるお値打ち商品を提供することができたからです。

    「安い商品でありながら、しっかりと顧客の欲しいものに答えられる」

    その高いコストパフォーマンス性が顧客ニーズと上手く合致していたからこそ、不況下においても成長を達成できたと考えられます。

    深刻化する不況下、この低価格かつファッション性あるアイテムは若者たちの圧倒的な支持を受け、直ちに販売数が倍に上方修正されました。

    低価格戦略だけでなく、IT関連などの外部環境の変化にも敏感に反応し、無人レジを導入しました。ポテンシャルニーズに対応できるだけの実行力と即応力を持つファーストリテイリングならではの施策の一例です。

     

    まとめ

    この記事では、SWOT分析から得られる、市場の機会と脅威について説明しました。そして、クロスSWOT分析を通して、自社にとっての弱みや脅威を、強みと機会をうまく組み合わせて、弱みや脅威による影響を最小限に抑える戦略を立案することが重要です。さらに、視点を変えて脅威を機会と捉えることも大切な視点の一つです。SWOT分析の一歩先の分析を行う際は是非参考にしてください!

    H&Kでは、マーケティング戦略コンサルティングを行っています。
    SWOT分析も行ってコンサルティングを行います。
    興味がある方は、事例を資料化しておりますので、是非ダウンロードしてみてください。

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。