この記事では、「マネジメントが確認する商談の7項目」について説明します。
たとえマネージャーがフェーズを設定しても、営業がそれに沿って実行しなければ何の意味もありません。
しっかりとプロセスを回していくためには、マネジメントのフォローアップが不可欠になります。
営業マネジメントとして、営業のフォローアップを確実に出来るように7項目を頭に入れておきましょう。
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.マネジメントとは
1-1.マネジメントの役割
営業がしっかりとプロセスを回して行くためには、マネジメントのフォローが大切です。しかし、営業にただ指示を出すだけでは、営業も忙しいので上手くいきません。
マネジメントは「管理する」という姿勢ではなく、自ら「現場で何が起こっているかを理解する」という姿勢が求められます。
そのためにも、営業とのコミュニケーションが重要であり、その中で営業会議は有効な手段の1つです。
ところが、毎週の営業会議を楽しみにしているという人は少ないです。
例えば、「各自、商談の進捗を報告してください」という言葉から始まる会議を行なっている会社も多いですが、この営業会議は非生産的なだけではなく、営業のやる気を削ぐし、イチから説明していては時間が足りなくなってしまいます。
1-2.営業会議の問題点
営業とマネジメントとを繋ぐ有効な手段のはずである営業会議には、どのような問題点があるのでしょうか。先ほど述べた会議では、2つ問題点があります。
・時間が足りないことで進捗報告をした案件をどうすれば契約にできるかという議論ができないので営業側にメリットがないこと
・目標に対してのギャップを埋めるための議論ができていないこと
以上の2つです。
1つ目に関しては、進捗を報告、共有するだけで案件の受注が決まるのであれば、世の中の営業は喜んで報告すると思いますがそうではないので報告、共有が業務と言われてもメリットがないので無駄と営業は感じてしまっています。
2つ目に関しては、本来議論すべきこの点が疎かになるようではまず間違いなく個人もチームも目標を達成することは難しいという問題があります。
1-3.マネジメントの導入のメリット
ここで営業マネジメントが導入されることで得られるメリットについて説明します。
メリットは、3つ挙げられます。
・組織の成果の最大化
・社員のモチベーション維持
・管理者側のスキルアップ
営業担当者の得意不得意を踏まえた、人員配置で組織の成果を最大化することができます。そして、成果を出せる営業になることで、主体的に行動できるようになり、社員のモチベーション維持に繋がります。また、マネジメントという立場の人間がいることで異なる視点で営業に向き合う機会が増え、管理者のスキルアップにも繋がります。
2.注目すべき7つのポイント
営業会議における問題点を解決するためには、SFAなどを活用することが良いでしょう。SFAを活用すれば、事前に情報を読み込んで、質問のポイントを絞っておくことによて時間を効率敵に使うことが出来ます。
内容を読み込むと言っても、隅から隅まで目を通す必要はなく、注目すべき7つの項目を知ることで、概略を理解することが出来ます。
2-1.受注予定日
まず1つは、「受注予定日」です。
商談の初期段階ではおおよその日付を入力するしかありませんが、少なくとも「フェーズ4「最終交渉と意思決定」」では明確な意思をもった日付になっていなくてはなりません。
とりあえず期末の最終日に設定しておく営業が多いですが、取締役会の日付や決裁がどのようなルートで行われるかなどの情報が入れば、具体的な日付はわかるはずです。
極力正確な日程を入力する営業と、何となくの目安で入力する営業とでは、受注率からフォーキャストの制度まであらゆる面で差が出てきます。
受注後の納品フロー、受注までのスケジュールが見えているかどうかで、取るべきアクションや顧客との打合せの事前準備の精度が変わるためです。
2-2.金額
2つ目は、「金額」です。
これもまた、商談の初期段階では概算の見積でしか入力出来ませんが、「フェーズ3「評価と選定」」移行は、より正確な数字が求められます。
保守的な数字を入れる人、攻めた数字を入れる人様々いますが、組織としての方針を統一しておかないと受注見込み計算に影響が出てしまいます。
最低額なのか、最高額なのかを会社として方針を決めておくことが重要です。
2-3.フェーズ
3つ目は、「フェーズ」です。
商談のフェーズについては、移行判断基準をどれだけ明確にしても、人によってばらつきが出ます。マネジメントが商談の中身を確認して正しいフェーズに入力されていないと感じた時は、その都度修正を行い、マネジメントの基準を徹底します。
この努力を継続的に行うことによって標準化されていきます。
短期間ではなく、長期間にわたって浸透させていくつもりでいるのが良いです。
2-4.競合
4つ目は、「競合」です。
単に競合他社がどこかということだけではなく、競合に対して優勢か、互角化、劣勢か把握するように努めることが必要です。
2-5.商談日数・フェーズ滞留日数
5つ目、6つ目は「商談日数・フェーズ滞留日数」です。
商談日数は、商談が作成されてから経過した日数です。
フェーズ滞留日数は、そのフェーズに入って経過した日数です。
新規商談であれば、平均日数を大きく過ぎたものに対しては本当に動いている商談かをチェックするという目的に使うことが出来ます。
しかし、大型の商談は長期化することが多いので、その際は商談日数だけではなくフェーズ滞留日数も確認し、同じフェーズで滞留していないかダブルチェックを行います。
アップセル、またはクロスセル商談では、商談日数が数日という短い単位で受注を繰り返す営業がしたい場合、直前まで隠し持っているか、顧客が購入したいというまでフォローできていない受け身の営業な可能性があります。
2-6.ネクストステップ
最後に7つ目が、「ネクストステップ」です。
ネクストステップは営業が次に取るアクションのことです。
「〇月〇日に訪問」というような単なる行動予定ではなく、次のフェーズに進めるために何が必要かという観点で記載します。
このネクストステップをタスクとして管理することで抜け漏れのないアクション管理が可能となります。
また、ネクストステップの記載内容でその営業のレベルを見ることが出来ます。
以上の7つのポイントが注目するべき、つまり、重視されるポイントです。これらの項目をしっかりと管理していくことが重要になります。
まとめ
営業部門は今期の数字も大切ですが、それを達成するためのパイプラインの積み上げやターゲットアカウントへの仕込みなど、短期と中長期の両方に目を向けなければなりません。
しかし、両方の話を同じ会議で取り上げると焦点を絞ることが出来ません。
業績が順調な時は余裕を持って先の話をすることもできますが、厳しい時は「今期の数字」をいうように目の前のことだけに集中してしまいます。
これを回避するための方法「パイプラインミーティング」「フォーキャストミーティング」についても今後説明していきます。