Web広告の1つで、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンに「広告」の文言と共に上位表示される検索連動型広告であるリスティング広告。リスティング広告は本当に届けたいユーザーに対して配信するので、比較的短期間で売上増加や見込み顧客の獲得が期待できます。
そんな期待値の高いリスティング広告、自社運用も可能ですが、社内でノウハウを持つ人がいない、人手が足りないといった場合は、運用代行会社に委託することが最も一般的です。
ここではリスティング広告の始め方や費用・運用方法などを、自社で運用する場合と代行会社に委託した場合とで比較しながら解説していきます!
1.リスティング広告とは?
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの媒体を通じて、ユーザーが検索したキーワードやWebサイト上での行動に連動して表示される広告です。
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーがGoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際に、「広告」の文言と一緒に上位表示されます。
リスティング広告で上位を獲得できた場合、自然検索結果よりも上位に表示されるため、ユーザーにクリックされやすく、集客にとってより有利になります。
1-1.リスティング広告の仕組み
リスティング広告は、基本的にはキーワードに対して入札金額が高い順に上位表示されます。しかし、それ以外にも品質スコアも重要な要素として加味され、総合的な広告ランクが決定されます。
品質スコアは、対象のキーワードに対する広告文やページ内容などのマッチ率、クリック率、ページでの滞在時間や目標達成率など、ユーザーに対して有益なページであるかを判定する指標によって評価されます。
そのため、同じ予算でもキーワードによりマッチしており、ユーザーにとっても有益であるページのほうが多く表示されやすくなります。
1-2.リスティング広告の一般的な費用相場
リスティング広告の費用相場は、月あたりで20万円〜50万円程度となるのが一般的です。ただし、この金額はあくまで相場であり、広告を出稿する商品やサービスなど次第では、それ以上の金額となるケースもあれば、10万円前後で利用できるケースも存在します。
リスティング広告では、キーワードや配信の時間帯、居住地域などを細かく設定でき、Googleのリスティング広告であれば、最低1,000円からでも設定可能です。
https://docs.google.com/document/d/1Mp-AHswdEqhFPr-BPWtRzA6cjmsyG7fYMW9ge9FSBcI/edit#
リスティング広告の費用については、こちらの記事に詳しく記載しているので参考にしてみてください。
2.リスティング広告のメリット
以上の特徴を踏まえて、リスティング広告のメリットとデメリットを見ておきましょう
メリット |
デメリット |
・広告掲載開始までが早い ・少額からでも出稿可能 ・効果の検証が容易 ・状況に応じて細かい調整がしやすい ・即効性が高い ・狙ったユーザーに配信しやすい |
・入稿作業や媒体ごとの規定を覚える必要がある ・媒体によって特徴が異なる ・相場感や予算感が運用者の経験次第 ・認知広告には不向き ・しっかり運用しないと効果が安定しない ・運用者の手間や時間が必要 |
ターゲティングの方法が豊富で精度も高いので、本当に広告を届けたいユーザーに対して配信しやすく、広告の掲載開始までが早い、運用中も調整対応がしやすいといった点が大きなメリットです。
ターゲットとなるユーザーが決まっている、もしくは特定の悩みなどを解決するようなプロダクトやサービスを取り扱っている、購入や申し込みを目標としている企業は特に成果が出やすいので、リスティング広告が向いています。
3.自社で運用する場合、代行会社に委託する場合の比較
リスティング広告の出稿から運用までのやり方 |
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リスティング広告 GoogleやYahoo!などの媒体を通じて、ユーザーが検索した キーワードやWebサイト上での行動に連動して表示される広告 |
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自社で全て行う場合 |
代理店に委託する場合 |
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1.アカウントの作成 2.キャンペーンの作成 3.単価設定 4.キャンペーンの設定 5.キャンペーングループの作成 6.予算の設定 7.広告表示オプションの設定 8.継続的な広告の運用 |
2.打ち合わせを行う 3.提案内容の確認 4.広告入稿・配信開始 5.レポーティング |
リスティング広告は、自社で運用するか代行会社に委託するかの大きく二つに分られます。
そこで今回は、リスティング広告を自社で運用する場合と代行会社に委託する場合の二つのやり方と、メリット・デメリットについてご紹介します。
3-1.自社で運用する場合のやり方
まずは、出稿から運用までを自社で行う場合の手順を見てみましょう。Google広告の場合、次のような流れで進めます。
- ①アカウントの作成
②キャンペーンの作成
③予算を設定する
④キャンペーンの設定を行う
⑤広告グループの設定を行う
⑥広告表示オプションの設定を行う
⑦広告運用を開始する
⑧運用成果を確認する
①アカウントの作成
はじめに、Googleアカウントを開設する必要があります。
Google広告の公式ページにアクセスし、「今すぐ開始」ボタンを押すと、必要な登録情報を入力するフォームが表示されますので指示に従って入力しましょう。
アカウント作成にあたって「メールアドレス」および「サイトのURL」が必要となります。
② キャンペーンの作成
アカウントの構成を考えたら、Google広告のページを開き、「今すぐ開始」をクリックします。
Google広告の設定画面が開いたら、左のメニュー内の「キャンペーン」→「キャンペーン」から「+」のボタンをクリックし、「新しいキャンペーンを作成」を選択し、キャンペーンを作成していきます。
ここで、キャンペーンで達成したい目標を選択します。該当の目標を選ぶことで、その目標達成に役立つ機能が表示され、何をどのように設定するべきか判断しやすくなります。
Google広告における、それぞれの目標の用途や詳細は、こちらのページで詳しく解説されていますので、迷われた方は参考にしてください。
今回は、「販売促進」を選択してみます。続いて、キャンペーンタイプを選択する画面が表示されます。
キャンペーンタイプでは、広告の掲載先や利用できる設定を決めます。今回は、リスティング広告を配信するので「検索」を選択し、「続行」のボタンをクリックしてください。
達成したい目標を選択した後、キャンペーン名を入力し決定します。
③単価設定
キャンペーンの入札戦略を選択します。入札戦略は「重視している要素は何ですか?」の選択肢から選択します。
「コンバージョン」「コンバージョン値」「クリック」「インプレッションシェア」などから選択できますが、サイト内での購入やリード取得が目的であれば「コンバージョン」を選択します。
「目標コンバージョン単価を設定」は目標コンバージョン単価が決まっていれば金額を入力します。チェックを外し、目標コンバージョン単価を設定しないことも可能です。その場合、入札戦略は「コンバージョン数の最大化」となります。
④キャンペーンの設定
ネットワーク、地域、言語、オーディエンスセグメントを設定します。
⑤キャンペーングループの作成
キーワードには、ターゲットとなるユーザーが検索するであろう単語を入力していきます。検索ボリューム(月間でユーザーが検索する回数)や、キーワードごとのユーザーのモチベーションを加味しながらキーワードを選定しましょう。
広告テキストの設定を行います。
「最終ページURL」は誘導先ページのURLを入力します。広告テキストとして、「広告見出し」「説明文」を入力します。広告テキストは媒体の入稿規定に沿っている必要があります。
右側に掲載イメージがプレビュー画面で表示されます。
⑥予算の設定
続いて、予算を設定していきます。予算には、1日あたりの平均費用を入力します。あくまでも平均費用なので、トラフィックの変動や広告の投資収益率が高くなると予測される場合は、1日に消化する費用が入力した額を超える可能性はあります。
なお、クレジットカード情報の入力も必須となりますので、登録時には手元にクレジットカードを準備しておくことを推奨します。
⑦広告表示オプションの設定
広告表示オプションとは、広告文の他に追加のテキストやリンク・電話番号などを表示できる機能です。興味喚起できるキャッチコピーや、アプリへの誘導、商品の詳細情報(価格やレビュー)を上手に広告に盛り込むことができると、画面占有率も上がり、クリック率も向上しやすくなります。
選択できる広告表示オプションは、Google広告とYahoo!広告で若干の違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
▶︎Google広告の広告表示オプションの詳細は、こちら
▶︎Yahoo!広告の広告表示オプションの詳細は、こちら
以上を確認して「キャンペーンを公開」をクリックすると、出稿開始となります。
⑧継続的な広告の運用
出稿が完了した後は、継続的にPDCAを回していき、広告を運用していかなければいけません。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようとする概念のことで、リスティング広告の運用においては、広告費の消化状況確認や、KW選定、品質スコアの改善、ターゲティングの見直し、LP改善等の作業があります。これらに関するノウハウが社内にない場合は、代行会社に委託するのが一般的ですが、内製化したい場合は、内製化の支援も行っている代行会社を選ぶと良いでしょう。
3-2.代行会社に委託する場合のやり方
リスティング広告の出稿から運用までを代行会社に依頼する場合を見ていきましょう。
代行会社は、会社によって対応範囲の差はありますが、運用戦略立案、タグ設置、広告クリエイティブ(広告文、バナー画像)作成、運用結果のレポート共有、広告や誘導先ページの改善提案などに対応してくれます。
つまり、リスティング広告についてわかっている人材が社内にいない状態でも、広告配信、その後の改善までサポートしてくれます。
具体的には、次のような手順で出稿・運用を行います。
①代行会社を選ぶ
②打ち合わせを行う
③提案内容を確認する
④広告入稿・配信開始
⑤レポーティング
①代行会社を選ぶ
広告代理店によって特徴があります。自社と相性の良い広告代理店を選ぶときに、広告代理店のどのような点に着目すればいいのか見てみましょう。
広告代理店の規模
大規模な広告代理店の場合、広告予算が少ない案件だと新人や比較的経験の浅いメンバーが練習を兼ねて担当となるケースが多いです。
それが一概に悪いという訳ではありませんが、できれば経験豊富な方に担当してもらいたいのであれば、広告予算に合った規模感の広告代理店を選ぶと、そういったミスマッチは起こりにくくなります。
分業型もしくは専任型
広告代理店によって作業を分業する分業型、1人が一気通貫で担当する専任型があります。
分業型は営業、運用、レポートなどの作業に応じて担当が分かれています。プロダクトやサービス、ターゲットが多岐に渡っており、作業量が多くなりそうな場合は分業型が向いています。
専任型は普段の連絡やコミュニケーションから運用、レポート作成、改善提案、報告までを1人の担当者が行います。依頼の意図や背景、過去の流れや変化点などを理解してもらえるので、より深い運用や提案が期待できます。
インハウス支援
自社の広告運用担当者を育成しながら運用していきたい場合、インハウス支援を行っている広告代理店がおすすめです。
この場合、自社の広告運用担当者が基本的に運用を行いますが、コンサルティング的なサポートやアドバイスを広告代理店のプロの視点で行ってもらうことができます。最終的に広告運用を自社のメンバーで内製化することが可能です。
②打ち合わせを行う
広告代理店に問い合わせをすると、まずは広告代理店からのヒアリングがあります。
以下のような内容について事前に用意しておくことができれば、スムーズに進みます。ただし、ヒアリング段階ではすべてが決まっていなくても問題ありません。
- ・広告の目的:購入、フォームからの申し込みなど
- ・広告開始予定日
- ・広告予算
- ・誘導先ページのURL
- ・訴求内容
- ・想定しているユーザー層やターゲット
- ・配信地域
- ・目標顧客獲得単価、ROAS(広告費用対効果)
③提案内容を確認する
ヒアリング内容をもとに、広告代理店から出稿する広告媒体や予算比率、運用方針などを提示されます。それらの内容を確認し、問題がなければ正式に依頼、発注します。
④広告入稿・配信開始
アカウントの開設や入稿など広告代理店側で進めてもらえます。入稿にあたって確認事項などがあれば広告代理店から連絡があります。
⑤レポーティング
広告代理店から運用実績、改善提案などのレポートが報告されます。
事前に決めた目標顧客獲得単価(コンバージョン単価)、ROAS(広告費用対効果)、購入数や申し込み数などのKPIの数値に対しての達成度、また、それらについての改善提案の内容などを注意して見ると良いでしょう。
4.自社運用と代行会社に委託する場合のメリット・デメリット
リスティング広告は、自社で運用する場合と、代行会社に委託する場合の大きく2つに分けることが出来ると前述しました。
そこでこの章では、どんな方に自社での運用がおすすめか、またどんな方に代行会社への委託がより効率的でおすすめかを、自社運用と代行会社へ委託した場合のそれぞれのメリット・デメリットを通してご紹介します!
4-1.リスティング広告を自社運用する場合のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
---|---|
コストを抑えられる |
人件費などのコストが発生する |
社内にノウハウを蓄積できる |
情報収集に時間を費やす必要がある |
スムーズな運用が可能 |
成果が得られない場合がある |
少額予算でも気軽に運用できる |
担当者が退職する場合の引き継ぎが難しい |
部署間の連携が円滑 |
行き詰まった時に相談できない |
4-1-1.リスティング広告自社運用がおすすめの方
リスティング広告を自社運用した方がよいケースをご紹介します。
リスティング広告の予算が少額である
リスティング広告の予算が少額である場合は、代理店へ依頼できないため、自社運用となるケースがあります。
代理店によっては、最低出稿金額が決まっている場合があるので、その金額を下回る予算の場合は、自社運用となります。
また、少額運用の場合は、金額的にインパクトが小さいため、社内にノウハウを蓄積することを目的として、自社運用でスタートしてみるのもよいでしょう。
運用経験者がいる、またはリソースに余裕がある
社内にリスティング広告の運用経験者がいる場合、またはリソースに余裕がある場合、自社運用を目指すことを検討してもよいでしょう。
リスティング広告の運用にしっかりと充てられるリソースがあったり、運用経験者がいるのであれば、自社運用に時間をかけて取り組むことができます。
やがて運用体制を確立できれば、無駄なコストがかからない上、会社の財産としてノウハウも蓄積していけます。
長期的に取り組むことができる
長期に渡ってリスティング広告運用を行うことが想定される場合、自社運用を行うメリットが大きくなります。
代理店に支払う手数料コストをカットできる点だけでなく、社内体制の確立によって他の事業の運用ができるようになるなど、多くのメリットがあります。
社員教育からじっくりと取り組むことができるのであれば、自社運用を検討してみましょう。
4-2.リスティング広告代理店委託する場合のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
すぐに結果を出しやすい |
手数料コストがかかる |
広告運用業務全般を担ってくれる |
社内にノウハウを蓄積できない |
最新の情報が手に入る |
途中解約ができない |
リスティング広告以外の相談もできる |
必ずしも成果が出るとは限らない |
認定代理店の特典が利用できる |
スピード感が損なわれる |
4-2-1.リスティング広告代理店委託がおすすめの方
次に、代理店にリスティング広告運用を依頼するのがおすすめのケースをご紹介します。
短期間で確実に利益を創出したい
リスティング広告運用を始めて、できるだけ短期間で利益を出したい場合は、代理店利用がおすすめです。
自社で運用した場合は、結果を出せるようになるまで時間がかかることが想定されます。代理店は、すでにノウハウを保有していますので、比較的短期間で利益を確保できる可能性が高くなります。
社内リソースに余裕がない
社内にリソースの余裕がない場合も、代理店を利用した方がよいでしょう。
リソースに余裕がないまま自社運用を行うと、他の業務が回らなくなったり、しっかりとリスティング広告運用ができず、成果を得られない可能性があります。
リスティング広告運用には、思っている以上に多くのリソースが必要となりますので、無理な運用はおすすめできません。
大きな予算を運用したい
リスティング広告で、大きな予算を運用する場合、まずは代理店に運用を依頼するのがおすすめです。
予算が大きいと、ちょっとしたことで利益や損失の金額も大きく変動します。ノウハウがないまま自社で高額な予算を運用することは、ハイリスクでしかありません。
まずは代理店に運用を依頼して、基盤を作ってから内製化を目指すなどがよいでしょう。
5.リスティング広告の活用で自社のビジネス拡大を
リスティング広告は届けたいターゲットにアプローチができるため、売上増加や見込み客の獲得など自社のビジネス目標に対して比較的短期間で成果が見込めます。
運用にあたり重要なのはキーワード、広告クリエイティブ、予算など、日々改善を図りPDCAを回していくことです。
比較的簡単に始めることができるので、まずは少額から自社のメンバーで実施することも、広告代理店に依頼して運用することも可能です。
リスティング広告をうまく活用して自社のビジネス拡大に結びつけましょう!