この記事ではインサイドセールスの「マネジメント」を成功させる重要なポイントを説明していきます。
インサイドセールスはリード化から契約までの流れの中で、商談化という一部の要素を担う業務で、そこには多種多様なリードや能力にバラツキのあるセールスが存在し、成果にかかわる変数が非常に多いため、量と質のどちらを重視するかはとても難しいとされています。
とはいえ、どういった判断軸で業務を進めるかを決定することは成果を出す上で重要です。そのため、インサイドセールスチームを率いるリーダーのマネジメントは非常に重要になります。
では、インサイドセールスチームのマネジメントに求められる能力とは何なのか、何をすればいいのか? それについて詳しく説明をしていきます。
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
1.マネジメントに求められる能力、業務とは
まず一般的にマネジメントに求められる能力とは何でしょうか?
・目標を設定し、伝える能力
・業務の進捗を管理する能力
・状況把握能力
・業務遂行力
このような能力が一般的に求められるのではないかと思います。もちろんチームを管理する上でこのような能力は当然求められます。しかし、インサイドセールスマネジメントにおいて特に重要な能力が三つあります。
1-1.「良い仕事」と「いい加減な仕事」を峻別して評価できる眼力
インサイドセールスにおいてマネジメントにおいてはコールの件数や商談化の件数などの数字だけを評価するのではなく、「良い仕事」と「いい加減な仕事」を峻別して評価できる眼力が求められます。
そして、これらを峻別して評価するためには
・普段からインサイドセールスの電話に耳を傾ける。
・活動履歴や営業へパスする際のコメントを熟読して、どのような会話でその情報を聞き出したのかを想像する力。
まず、これらをできるようにすること。
そしてその上で、高いレベルの仕事を正しく賞賛することが大事になります。
このことについては下記で詳しく述べさせていただきます。
1-2. PDCAサイクルを活用する能力
インサイドセールスとは「訪問しない営業」のことを指します。そのため、見込み顧客に対面することなくコミュニケーションを図ります。訪問営業のように面と向かってお客様の表情を伺いながらアドリブで対応をしたり、その場その場の雰囲気でコミュニケーションをとったり、といったことが難しい業務となります。
このような業務の性質から、あらかじめ会話の内容や流れを示す「シナリオ」を周到に準備します。インサイドセールスはシナリオをもとに見込み顧客と会話をするので、商談終了後に、会話の中でうまくいったところ、うまくいかなかったところを振り返ることができます。さらに、シナリオの精度を上げるために改善点を反映していく、というサイクルが成立します。このようにPDCAサイクルを回すことで、より会話の内容を充実させ商談成功率を高めることができます。
そしてインサイドセールスは「データに基づいた改善」が可能です。前述で示したようにインサイドセールスはシナリオに基づいて会話するため、会話データをシステムに登録して分析することができます。これにより、各インサイドセールスの会話スキルやその問題点・改善点を発見しやすくなります。
このように、PDCAサイクルを活用することによってインサイドセールスの業務改善を行うことができるようになります。
1-3. 部下と向き合うコミュニケーション能力
上記と述べた能力と関わってきますが部下を適切に評価、改善していくには普段からインサイドセールスの活動に目をかけたり会話の中でインサイドセールスチームの問題点などを洗い出していく作業が必要になってくるため、部下と頻繁に対話することが求められることになります。そのため部下と向き合うコミュニケーション能力が必要になります。
2.マネジメントの役割
2-1. 質か量
インサイドセールスを成功させるには、量をどれだけこなすか、質をどれだけ高めるかということが重要なポイントとなってきます。しかし、そのバランスを取るのは難しいです。
インサイドセールスの業務で量だけを求めると、「とりあえずアポイントを」というようなレベルのリードがどんどん営業にパスされて営業の無駄な訪問が増えてしまい、結果的に非効率になってしまいます。
だからといって質だけを求めると、まだリードが固まりきっていないので、確実に商談化するまで自分で温めようとすると、競合他社に先にアプローチされてしまい、商談機会を逃してしまうリスクが高まってしまいます。
このように量と質のバランスを取るのが難しいことはインサイドセールスの特徴です。しかし、マネジメントにはそれをコントロールしていく必要があります。
2-2.「良い仕事」と「いい加減な仕事」を見分けて評価する
そこで「良い仕事」と「いい加減な仕事」を見分けて評価することが重要になってきます。先ほど述べたようにインサイドセールスにおいて量と質で仕事を定量的に評価するのはなかなか難しいです。しかし、「いい加減な仕事」をなくし、「良い仕事」をするようにマネジメントしていけば自ずとインサイドセールスチームは成果を残せるようになります。
3.部下に対してするべきこと

3-1. 質問で見極める
インサイドセールスが「良い仕事」をしているか「いい加減な仕事」をしているかを見極める質問として「商談相手にどのような聞き方をしたのか」という質問が有効です
本当に聞いたが教えてもらえなかった場合、しっかりとどのような会話をして、どのようなやりとりがあって、場合によってはなぜ教えてもらえなかったのかまで具体的に答えられます。
しかし、ただ単に言い訳だった場合どのような聞き方をしたのかは答えられても、詰めていくと言葉に詰まることがあります。そしてどのような聞き方をしたのか聞いて、それに問題があればしっかり指摘し、指導しましょう。
例えば予算の話だったのであれば
・「通常このようなプロジェクトを進めていく場合、どのような決裁プロセスで承認される のでしょうか」
・「何か別のプロジェクトから予算を動かす必要はあるでしょうか」
・「新規に予算を獲得しなければならないのでしょうか」
というようなことを聞ける余地があったかどうかが重要です。
相手側にも様々な事情があります。
そもそも予算については把握しているけれど教えてくれなかったのか、
その人自身も予算に関しての情報を持っていなかったのか。
これらを突き詰めて質問していくことで、そのインサイドセールスの力量もわかるし、スキルアップにもつながっていきます。
3-2. お手本をみせる
必要であれば自ら手を取って顧客と会話をし、お手本を見せることも重要です。
インサイドセールスはやって見せて、やらせてみて、できているところは賞賛し、できていないことは指摘する。
このループが大事です。
3-3. 定例会や1on1ミーティングを定期的に開く
上記でも述べたようにインサイドセールスメンバーに対して適切な評価を下すにはメンバーとのコミュニケーションが重要になります。そのため定例会や1on1ミーティングを定期的に開くなどの工夫をして常にチームと連携が取れる環境を整えていくこともマネジメントの重要な役割です。
4. 評価を行う上での注意点
受注できたら受注した営業に注目が集まりますが、その中でもインサイドセールスの仕事をしっかりと、経営陣・営業・マーケティングなど関連する部門にもアピールすることはインサイドセールスのモチベーションの保持にも繋がるためマネジメントにおいて必要な業務です。
反対に、結果的に商談につながったとしても、インサイドセールスが聞くべきことを聞けていないなどというように改善の余地があった場合ははっきりと指摘する必要があります。
例えば、ヒアリング項目に「予算の確認」があるとします。営業にパスする時に、インサイドセールスが「予算を確認したのですが、教えてくれませんでした。」と言ったとします。
その場合、本当に聞いたが教えてくれなかったのか、または、単に聞き忘れてしまって言い訳として「教えてくれなかった」と言ってる可能性もあります。
マネジメントはこれをしっかりと区別して評価しなければいけません。
5. まとめ
以上のようにインサイドセールスのマネジメントは数値として現れない目に見えない部分をしっかりと正しく評価し、現場の人間をスキルアップさせていくことが求められます。そしてうまくマネジメントを行う上で、特にこれらを評価する目と想像力を磨くことが重要です。
もしインサイドセールスに関することで相談があれば、お気軽にH&Kまでお問い合わせください!