この記事ではツールを使った顧客獲得活動について分かりやすく説明します。
これまでは、ある特定の業務の進め方や進捗状況などの情報が十分に共有されておらず、担当者しか把握ができていない、いわゆる属人化が起こっていました。
月間の売り上げなどの数字管理やクライアント名、問い合わせ経路などの案件管理は出来ていたものの、各自のアクション内容やアクション計画、案件状況や顧客情報は個人の頭の中に留まっていたのです。
これは、顧客獲得のプロセスが標準化されていないため起こっていたことでした。再現性も低く、経験が不十分の場合は尚更、処理し切れずにトラブルの元になることもあったでしょう。
そのため、これからはツールを活用し、顧客獲得の一連のプロセスを作って、今までのセールスの状況を改善していくことが重要です。
1.リードについて
1-1.リードと顧客の違い
1-1.リードと顧客の違い
リードとは、将来顧客になる可能性のある見込み客のことを言い、その個人情報のことを指すこともあります。よって、リードの段階では購入または契約には至っていません。
それに対し顧客は、既に契約をして頂いています。
1-2.リードの3つのステージ
リードは3つのステージで分かれています。
こちらのグラフをご覧下さい。
リードは、検討段階、将来購買の可能性はあるがまだ検討段階ではない、見込みなしという3つのステージで分けることができます。それぞれのステージの割合を見ていきましょう。
1-2-1.検討段階
検討段階にいるリードは全体の約10%です。
その中でも、特に今すぐ欲しい!という人は全体の約1%しかいないと言われています。
つまり、リードが100人いたら現在検討中の人は10人、すぐに買いたいという人は1人ということになりますね。
1-2-2.将来的に可能性あり
次に、全体の約65%を占めるのは将来購買の可能性はあるがまだ検討段階にはいないリードです。
分かりやすく例を挙げて説明していきます。洗顔フォームのセールスで考えていきましょう。
営業が洗顔フォームをお客様に売ろうとしています。ですが、この人は洗顔フォームを買ったばかりの状態だったので、今は新たなものを買う時期ではありません。しかし、営業が勧めた洗顔フォームが本当に良い性能をしていたら、今使っているものが無くなった頃に買おうとするかもしれませんよね。
よって、このステージにいる人は、欲しいけどタイミングが合わないため、またの機会に買おうと思っているような人なのです。
1-2-3.見込みなし
最後に、見込みなしのリードは全体の約25%と言われています。
先程と同じ、洗顔フォームを例に挙げて解説していきます。
洗顔フォーム自体は良い性能があるかもしれないけれど、「体質的に使うことが出来ない」あるいは、使うことが出来ても、「毎月勤め先から支給されるものがあるので当面の間必要ない」という状態の場合、購入してもらえる可能性はかなり低いということになります。
これが、見込みなしのステージです。
2.リード・顧客に対しての管理
2-1.リード管理
リードを効率良く獲得するにはどうしたら良いのでしょう。新規のリードを獲得するためには、セミナーやウェビナーを開催したり、展示会やWEBサイトから広告運用をしたりするでしょう。
しかし、このような新規のリードは獲得し続けることが困難です。なぜなら、マーケットを東京→日本→世界(海外)と、どれだけ拡大しようとも、その場所は限られてしまっているからです。
2-1-1.ナーチャリング
そのため、新規リードの代わりに既存のリードを育てる必要があります。それをナーチャリングと呼びます。
リード全体のうち大半を占めていた将来的に可能性ありのリードを、確実に購買してもらえるようにすることが重要です。
具体的な方法を、次項でお話ししていきます。
2-1-2.CRM
CRMとは、Customer Relationaship Managementの略で、顧客関係管理を行うためのツールやシステムのことを指します。
CRMには、顧客(リード)情報やその動きを管理し、それをもとに顧客(リード)との関係性を築き維持するためのアクションがとれる機能が搭載されています。
これまでは営業担当者が顧客情報を握っており、冒頭でお話しした属人化が起こっていました。しかし、CRMを導入すれば、あらゆる顧客情報の一元化が可能になります。
そして、その情報を複数の部署で共有できるようになり、チームとしてその顧客(リード)のためにアクションを起こせるようになるのです。部署間の連絡にかかっていた時間も削減され、効率化が期待できます。
さらに、顧客(リード)情報の分析も容易になるため、顧客(リード)一人ひとりに合ったサービスを提供できるようになるのです。
これは顧客満足度の向上にも繋がり、結果的にナーチャリングを促進させることが出来ます。
2-2.顧客管理
続いては、既にご契約頂いている「顧客」の管理方法についてです。
2-2-1.アップセル
ご契約頂いたお客様に対しては、一度の取引だけで終わらせないようにすることが重要です。アップセルとは、既存の顧客に対して、取引頂いている商品よりも更にランクアップした、より高額なものを買って頂くことを言います。
または、一部しか買っていなかったものをシリーズで揃えて全て買ってもらうこともアップセルの一貫です。
2-2-2.クロスセル
アップセルに加えて、クロスセルという方法もあります。クロスセルとは、既存の顧客に対して、異なるジャンルのものを買って頂くことを言います。
日常的にも、飲食店にてフードを注文した際に「ドリンクもいかがですか?」と勧められることがありますよね。
2-2-3.LTV
このように、アップセルやクロスセルを行なっていく中で、LTV(ライフタイムバリュー)という考えが昨今重要になってきました。
LTVは顧客生涯価値と訳され、顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値のことを言います。つまり、ご契約頂いたお客様と長くお付き合いしながら、会社にもたらす利益を最大化していくということです。
2-2-4.スコアリング
LTVを大切にしながらアップセル、クロスセルをする上で、営業が効果的に顧客をフォローする必要が出てきます。
その際に活用できる代表的な方法として、スコアリングが挙げられます。
スコアリングとは、顧客の状況を様々な観点から点数化し、その点数に応じて適切なアプローチをする取り組みです。
スコアリングをすることによって、顧客の購入意思や解約の兆候が数値によって可視化できるようになり、効果的に顧客を管理することが可能です。
3.ツールを活用した営業管理
次に、ツールを用いた具体的な営業のスケジュール管理やセールス管理についてご紹介していきます。
3-1.ステップの可視化とスコア化
こちらの画像をご覧下さい。
これは、受注日や問い合わせのチャネル、事業部など様々な情報を把握できる管理ツールで、成約に至るまでのステップに分かれています。
例えば、それぞれのステップのゴールとなる項目を決めておけば、それぞれのタスクや進捗状況が可視化し、次のステップへ移行する際の確認漏れも防ぐことができます。
さらに、受注件数の推移やウェブフォームからの送信等も確認することができ、ツール上にさまざまな値が集約されるのでスコア化するのも容易になってきます。
3-2.顧客行動の可視化
続いて、こちらの画像をご覧下さい。
このように、管理ツールでは、顧客の行動履歴を確認することもできます。
これによって、顧客がどのようなことに興味・関心があるのかを知ることができ、営業をより効率的に行うことができます。
「このお客様は〇〇に興味がありそうだから、提案書や企画書に入れてみよう!」というような事ができるようになります。
また、問い合わせを頂いた顧客に対して送信したメールが閲覧されているか、添付したファイルを開封してもらえたかを確認することによって、顧客の関心度を知ることもできます。
まとめ
ツールを活用することにより、以下の2つの事柄が可能になります。
1つ目に、リードを整理することができます。これにより、リードに対し効果的なアプローチをしやすくなり、リードごとの分類も容易になります。
2つ目に、属人化していた営業のプロセスを可視化できます。これにより標準化が進み、その結果、仕事の効率化を図ることができます。
ツールを活用して、顧客獲得の効率化を目指しましょう。