Update.2023.10.02

成功する業務プロセス改善とは?概要から実際の施策まで徹底解説!

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近年、働き方改革が進められる中で、社内の業務をより効率的にする必要が出てきました。そこで、社内業務効率化のために行われる取り組みとして、「業務プロセス改善」という単語を見聞きすることも増えています。しかし、「業務プロセス改善」とは具体的にはどのようなものなのか、どんな手順で行うのか、といった点について知る機会は多くないかもしれません。

そこで、この記事では、「業務プロセス改善」についての基本知識・目的・手順・役立つフレームワーク・施策がうまく機能しない場合の問題点について詳しく解説します。

 

Contents

     

    1.「業務プロセス改善」の解説とBPR・BPO・BPMとの比較

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    この章では、まず最初に「業務プロセス改善」とは何かについて解説します。また、「業務プロセス改善」に意味が似た用語である「BPR」「BPO」「BPM」についても解説します。

    1.1. 業務プロセス改善とは

    業務プロセス改善は、組織や企業が業務の効率化やコスト削減を達成するために、既存の業務手順や工程を見直し、再設計する重要な取り組みです。このプロセスでは、本来の目的である企業の事業目標達成に向けて最も効率的な手法を確保し、時代の変化や新たな課題に対応するために、業務プロセスを適切に最適化していきます。

    業務プロセス改善は、従業員の配置、業務フロー、情報の取り扱い方法など、さまざまな側面を改善し、リソースの効果的な活用、コスト削減、リスク軽減を促進します。また、組織全体の最終目標である売上や利益の向上に対して、より迅速かつ効率的に寄与し、従業員の負担を軽減します。

    業務プロセス改善の鍵は、

    ・「達成困難な」業務

    ・「不要な」業務

    ・「不均等な」業務

    を削減することです。これにより、リソースの浪費を最小限に抑え、組織の生産性を向上させます。具体的な手段として、ITツールの導入やリモートワークの推進など、必要に応じたアプローチを選択します。

    総括すると、業務プロセス改善は組織の競争力を高め、絶えず変化するビジネス環境に対応するための不可欠な戦略の一部であり、効率性、コスト削減、生産性向上、従業員の満足度向上など多くの利益をもたらします。

    1.2. BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とは

    ここでは、「業務プロセス改善」と似た意味を持つBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)という用語について解説します。

    BPRとは

    BPR(Business Process Reengineering)は、組織が業務プロセスを根本的に見直し、改革する戦略的なアプローチです。主要な目的は、業務プロセスを効率化し、品質向上、コスト削減、競争力強化を達成することです。これは、従来の方法を捨て、最適な方法を導入することを含みます。

    BPRと業務プロセス改善の違い

    BPRは業務プロセス改善のより包括的で根本的なアプローチであり、大規模な変化を追求する一方、業務プロセス改善はより局所的で、既存のプロセスの改善を目指すことが多いです。選択するアプローチは組織の目標と状況に応じて異なります。

    1.3. BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは

    ここでは、先述したBPRと似た用語であるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)について解説します。

    BPOとは

    BPO(Business Process Outsourcing)は、組織が特定の業務プロセスや機能を外部の専門業者やベンダーに委託するビジネスアプローチです。これにより、組織はコスト削減、専門知識の活用、効率向上などの利益を享受できます。典型的なBPOの例には、カスタマーサポート、人事業務、経理処理などが含まれます。

     

    BPOと業務プロセス改善の違い

    BPOは外部への業務の委託を通じてコスト削減や専門知識の活用を追求し、業務プロセス改善は組織内のプロセスの最適化や効率化を目指す内部の改善プロセスです。どちらのアプローチを選択するかは、組織の戦略や特定の業務に関するニーズによって異なります。

    1.4. BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)とは

    ここでは、先述したBPR・BPOと似た用語であるBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)について解説します。

    BPMとは

    BPM(Business Process Management)は、組織内の業務プロセスを効果的に設計、実行、監視、改善するための方法論およびテクノロジーです。BPMは、プロセスの可視化、自動化、効率化、制御、モニタリングなどを通じて、組織の業績を向上させるのに役立ちます。

     

    BPMと業務プロセス改善の違い

    BPMは組織全体のプロセス管理に関する包括的なアプローチであり、テクノロジーを活用してプロセスを最適化します。一方、業務プロセス改善は特定の業務プロセスに焦点を当て、その改善に取り組むより局所的な取り組みです。

    2. 業務プロセス改善の目的と達成すべき項目

     

    スクリーンショット 2023-09-25 17.38.48業務プロセス改善の一番の目的は「効率化・生産性の向上」です。そのために達成すべき項目の例として、「IT化の推進」・「DXの推進」・「業務の属人化の防止」・「多様な働き方への対応」が挙げられます。

     

    2.1. IT化の推進

    IT化の推進は、業務プロセス改善において達成すべき事柄の一つです。現代のビジネス環境では、テクノロジーが急速に進化しており、競争力を維持するためにはこれに対応する必要があります。業務プロセス改善は、古典的な手作業や紙ベースのプロセスをデジタル化し、効率性を向上させ、エラーや遅延を削減します。これにより、組織はより速い意思決定、正確なデータ管理、顧客との対話の改善など、ITの恩恵を享受できます。また、セキュリティの向上やリモートワークのサポートなど、ビジネスの変化に柔軟に対応できる基盤を整える役割も果たします。

     

    2.2. DXの推進

    DXは、「Digital Transformation」の略語であり、ここ数年耳にする機会が増えた単語です。IT化とよく混同されるDXについて簡単に説明します。J-Net21によると、IT化とDXとの最大の違いは「視点」です。IT化は「社内」に、DXは「顧客や社会」に視点が向けられています。具体的には、IT化では業務にIT技術を導入することで社内の業務効率化などを行い、DXではIT技術を含んだデジタル技術を用いてビジネスを変革し、新しい価値を生み出します。(1)

    2.1.で紹介した社内のIT化は、DXにも繋がります。具体的には、社内業務へのIT技術の導入によってDXを推進する基盤が整うことが挙げられます。IT化と並行してDXを進めることも可能です。H&Kでは充実したDX支援を行っています。DXに関するご相談はぜひH&Kまでお寄せください。

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    2.3. 業務の属人化の防止

    業務の属人化の防止は、業務プロセス改善において達成すべき事柄の一つです。業務の属人化は特定の従業員が業務のカギを握り、組織に不可欠な業務知識を持つことを指します。しかし、この状況はリスクを伴います。その従業員が退職したり、休暇を取ったりすれば、業務の停滞や問題が発生します。業務プロセス改善の過程では、 業務を明確にドキュメント化し、業務知識を共有可能な形にすることで、組織内での依存度を減少させ、継続的な業務遂行を確保します。また、新たなメンバーのオンボーディングも容易になります。

     

    2.4. 多様な働き方への対応

    現代の労働環境は多様化しており、従業員がオフィス内での従来の働き方だけでなく、リモートワークやフレキシブルな勤務スケジュールを求めることが増えています。業務プロセス改善は、これらの多様な働き方に適応するための柔軟性を提供します。デジタル化とオンラインアクセスを通じて、従業員は任意の場所から業務にアクセスでき、コラボレーションが円滑に行えるようになります。これにより、従業員のワークライフバランスが向上し、組織は優秀な人材を引き付けやすくなります。

    3. 業務プロセス改善の手順

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    業務プロセス改善を始めるにあたって、何から始めたらいいか分からないという方も多いかもしれません。こちらでは、業務プロセス改善の手順を以下の4ステップに分けて解説します。

     

    ①現状の業務プロセスの明確化

    ②改善点の明確化

    ③改善点の優先順位付け

    ④改善策実行

     

    3.1. 現状の業務プロセスの明確化

    まず、現在の業務プロセスを詳細に文書化し、全体の流れやステップを把握します。これにはプロセスマッピングやフローチャートの作成が含まれます。現状のプロセスの理解が基本です。

    3.2. 改善点の明確化

    次に、現行の業務プロセスにおける問題点や不具合を特定します。これにはプロセスの遅延、無駄な手順、エラー、コスト増加などが含まれます。ステークホルダーからのフィードバックも重要です。

    3.3. 改善点の優先順位付け

    特定した改善点を優先順位付けし、どれを最初に取り組むべきか決定します。優先順位付けは、影響度、緊急度、リソースの可用性などを考慮して行われます。改善の影響とコスト対効果を評価します。

    3.4. 改善策実行

    優先順位付けが完了したら、改善プロジェクトを開始します。これには新しいプロセスの設計、トレーニング、システムの導入、リソースの調整などが含まれます。改善策を実行し、変更を組織全体に展開します。定期的なモニタリングと調整が必要です。

    業務プロセスを改善する際に、自社内で行うと、慣例の影響が強く残る可能性があるため、他の企業に業務改善を依頼することも重要な手段の一つです。それを防ぐためには、他の企業に業務プロセス改善を依頼・または手助けを依頼することも方法の一つです。その際にはぜひH&Kにご相談ください。

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    4. 業務プロセス改善に役立つフレームワーク

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    この段落では、業務プロセス改善の施策を考える際に役立つフレームワークを4つ紹介します。

    4.1. KPT

     

    KPT(ケプト)フレームワークは「Keep, Problem, Try」の略語で、目標設定と成果評価に関するシンプルなツールです。KPTは、特に個人やチームの目標達成をサポートするために利用され、問題の特定、計画の立案、評価のための3つの要素から成り立っています。以下にKPTフレームワークの詳細を説明します。

    • 1. KPTの意味

    • ・K(Keep): Keepは「保つ」を意味し、現在うまく機能している要素や成功している取り組みを指します。これらの要素は維持し続けるべきです。
    • ・P(Problem): Problemは「問題」を意味し、現在の状況での課題や障害を指します。問題を特定し、解決策を見つけることが必要です。
    • ・T(Try): Tryは「試す」を意味し、問題解決のための新たなアプローチや行動計画を試すことを指します。新しいアイデアや改善策を実行に移す段階です。
    •  
    1. 2. KPTフレームワークのステップ

    KPTフレームワークは、以下のステップで適用されます。

    • 2.1. Keep(保つ):
      • 成功している要素やプロセスを明示的に特定します。これらの要素は変更せずに維持します。
    • 2.2. Problem(問題):
      • 現在の課題や問題点を特定し、具体的な詳細を記録します。問題を理解し、その原因を特定します。
    • 2.3. Try(試す):
      • 問題解決のための新しいアイデア、戦略、計画を考案します。これらのアプローチを実際に試し、改善を実現します。
      •  
    1. 3. KPTの利点

    2.  
    • シンプルで理解しやすい: KPTは非常にシンプルで理解しやすいフレームワークであり、個人やチームの意思決定をサポートします。
    • 問題の特定と改善: 問題を特定し、新しいアイデアを試すことで、持続的な改善を促進します。
    • 成果の可視化: Keep、Problem、Tryの要素を視覚的に示すことで、進捗と成果が可視化されます。
    • 柔軟性と適用範囲: KPTは個人、チーム、組織、プロジェクトなどさまざまなコンテキストで適用可能です

    KPTフレームワークは、問題解決と改善のプロセスを整理し、目標達成に向けた戦略的なアプローチを支援します。特にアジャイルな環境での使用が一般的で、継続的な学習と成長を促進します。

    4.2. ロジックツリー

    ロジックツリーは、問題解決や意思決定プロセスを視覚的に表現するためのツールです。特にシステム設計、プロジェクト管理、トラブルシューティング、意思決定支援など、複雑な問題に対処する際に役立ちます。

     

    ・概要:

    ロジックツリーは、木構造を持つグラフィカルな表現方法です。通常、問題や課題の根本から始まり、具体的なサブタスクや選択肢に分解していく構造を持っています。ツリーの上部には一般的なトピックや問題があり、下部には詳細な情報や具体的な行動が表示されます。

     

    ・構造:

    ロジックツリーは、親ノードと子ノードから構成されます。親ノードはより一般的なトピックや課題を表し、子ノードはそれを詳細に展開したものです。これにより、情報を階層化し、複雑な問題を管理可能な部分に分割します。ツリーは通常、直線的に広がるように展開され、分岐や選択肢が子ノードで表現されます。各ノードにはラベルや説明が付けられ、意味を明確にします。

     

    ・利点:

    ロジックツリーの主要な利点は視覚的な整理です。情報が階層的に表示されるため、複雑な問題やプロセスを理解しやすくなります。また、問題解決や意思決定プロセスを体系化し、洗練された戦略や計画を立てるのに役立ちます。それに加えて、チーム間でコミュニケーションや共有を改善し、プロジェクトの進行状況を把握しやすくします。

    4.3. バリューチェーン

    バリューチェーン(Value Chain)は、企業のビジネス活動を詳細に分析し、価値の創造と提供のプロセスを理解するためのビジネスモデル分析ツールです。この概念は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるマイケル・ポーター(Michael Porter)によって提唱され、競争優位性を構築するために使用されます。バリューチェーンは主に以下の要素で構成されます。

    ・プライマリ活動(Primary Activities):

    プライマリ活動は、企業が製品やサービスを提供するために直接関与する主要な活動です。一般的には以下の5つのプライマリ活動が含まれます:

    ・入手(Inbound Logistics): 原材料や部品の調達、供給者との関係管理、在庫管理など。

    ・生産(Operations): 製品の製造、サービスの提供、品質管理など

    ・流通(Outbound Logistics): 製品の保管、出荷、配送、顧客への提供など。

    ・マーケティング・販売(Marketing and Sales): 製品やサービスのマーケティング戦略、販売活動、顧客関係管理など。

    ・サービス(Service): 製品の保守、修理、カスタマーサポート、アフターサービスなど。

    ・サポート活動(Support Activities):

    サポート活動は、プライマリ活動を支えるための補完的な活動で、効率と効果性を向上させます。主なサポート活動には以下が含まれます:

    ・調達(Procurement): 原材料や資源の調達、供給者の選定、契約管理など。

    ・技術開発(Technology Development): 新製品の研究開発、プロセス改善、技術革新など。

    ・人事管理(Human Resource Management): 従業員の採用、トレーニング、組織文化の管理など。

    ・一般管理(General Administration): 企業全体の管理、財務、組織戦略の策定など。

    ・調達のインフラ(Infrastructure for Procurement): 情報技術、データ管理、インフラストラクチャのサポートなど。

    ・付加価値(Value Added):

    バリューチェーンの主要な目的は、各活動が製品やサービスに付加価値を提供しているかどうかを評価することです。企業は、付加価値を最大化し、コストを最適化するためにプライマリ活動とサポート活動を分析し、競争優位性を築く戦略を開発します。

    4.4. PDCA

    PDCA(Plan-Do-Check-Act)は、プロセス改善や品質管理など、様々な分野で使用される管理サイクルのツールです。PDCAサイクルは、問題解決、プロジェクト管理、品質向上、持続的な改善など、さまざまなコンテキストで役立ちます。以下にPDCAの各ステップを詳細に説明します:

    ・Plan(計画):

    PDCAの最初のステップは、計画(Plan)です。このステップでは、具体的な目標や目的を設定し、問題点を特定します。主な活動には以下が含まれます:

    ・目標の設定: 改善のための明確な目標を設定し、何を達成したいのかを明確にします。

    ・問題の特定: 現状の問題や課題を明確にし、改善が必要な領域を特定します。

    ・計画策定: 改善を達成するための具体的な計画や戦略を策定します。これにはリソースの割り当て、スケジュールの設定、責任の分担などが含まれます。

    ・Do(実行):

    次のステップは実行(Do)です。計画で策定した内容を実施します。主な活動には以下が含まれます:

    ・計画の実施: 計画に基づいて実際の作業やプロジェクトを開始し、目標を達成するためのアクションを実行します。

    ・データ収集: 実施中にデータや情報を収集し、後続のステップでの評価に使用します。

    ・変更管理: 実施中に予期せぬ変更や問題が発生した場合、適切に対処し調整します。

     

    ・Check(評価):

    評価(Check)ステップでは、実施結果を評価し、目標に対する進捗状況を確認します。主な活動には以下が含まれます:

    ・データ分析: 収集したデータを分析し、実施の効果や問題点を評価します。

    ・目標達成の確認: 設定した目標に対する進捗を確認し、計画通りに進んでいるかどうかを確認します。

    ・問題の特定: 評価を通じて新たな問題や改善の機会を特定します。

    ・Action(改善):

    改善(Action)ステップでは、評価の結果に基づいて行動を起こし、プロセスやプランを改良します。主な活動には以下が含まれます:

    ・対策の立案: 評価結果に基づいて、改善策や調整が必要な点を特定し、対策を立案します。

    ・改善の実施: 新たなプランや修正を実施し、プロセスやプロジェクトを向上させます。

    ・PDCAサイクルの繰り返し: 改善の結果を再評価し、必要に応じてPDCAサイクルを再度開始します。持続的な改善を実現するためにPDCAサイクルは繰り返されます。

    5.業務プロセス改善が上手くいかない原因

    Handsome young man typing on smartphone with high tech 3d letters comming out

    ここでは、業務プロセス改善に取り組んだものの、施策が上手く機能しない原因として考えられるものを4つ紹介します。

    5.1.現場社員の理解が得られていない

    業務プロセス改善の施策がうまく機能しない場合、業務を実際に行う社員の理解が得られていない可能性があります。これを改善するための方法を二つ紹介します。

     

    ①コミュニケーションの活性化:

    業務プロセスの改善計画が上層部からの一方的な指示として伝えられ、現場社員に適切に説明されていない場合、計画遂行のための理解が得られません。それゆえ、現場社員に対して業務プロセス改善の理由や問題点、取り組んでほしいことなどを丁寧に説明し、不明点や疑問点、不満を解消することが重要です。そのためには、普段から現場社員とのコミュニケーションを盛んに行い、信頼関係を築くことが有効です。

    ②社員のトレーニング:

    現場社員に新しいプロセスやツールを適切に使用する方法を十分に教育することが重要です。新たな技術を導入しても、それを使いこなせなければ導入した意味がありません。

     

    5.2.改善策に抜けがある

    現場の理解が得られていたとしても、業務プロセス改善のための施策に抜けがある場合にはその効果は発揮されません。その状況を改善する糸口として、二つ考えられます。

     

    ①不完全なデータ:

    改善策の立案に不十分なデータや分析が使用されると、問題の本質を把握できず、効果的な改善が難しくなります。改善策を立案する段階で使用したデータの出所、調査時期、調査対象、またデータの分析手法についてもう一度確認してみると、問題が見つかる可能性があります。

    ②継続的な改善の欠如:

     一時的な修正に留まり、長期的な視野で改善策を検討しない場合、問題が再発する可能性が高まります。問題を早く解決したいあまりに目先のことだけに囚われてしまっている場合もあるため、「改善策が長期的にどのような影響を及ぼすのか」ということについて再考してみると、思いもよらなかった問題点が見えてくるかもしれません。

     

    5.3.改善策の効果が上手く測れない

    現場の理解があり、施策もよく練られているものの、施策実行の成果が出ていない場合、効果測定が上手く行えていない可能性があります。それを解決する方法として二つ挙げられます。

    ①KPIの再検討:

    改善策の成功を評価するための適切なキーターゲットパフォーマンスインディケータ(KPI)が設定されていない場合、進捗を正確に測ることが難しくなります。それゆえ、現在設定しているKPIが本当に適切なのかを再検討することで、より正確な評価を行うことができるKPIを設定することができるかもしれません。

    ②改善策実施の成果データの収集と分析の再検討:

    改善策の影響を適切に追跡し、評価するためのデータ収集と分析が不足している場合、効果の測定が難しくなります。現在のデータ収集方法や分析方法が本当に適しているかを検討することで、より良いデータ収集方法や分析方法を発見できる可能性があります。

     

    5.4.改善点の中により根本的な改善点が潜んでいる

    以上に述べた3点が全て順調に行われていても施策実行の成果が出ない場合、改善すべきポイント自体がずれてしまっている可能性があります。

     

    ①サブ最適化:

    個々のプロセスの改善に焦点を当て、全体の効率性を無視すると、根本的な改善機会が見逃される可能性があります。

    ②プロセス全体の理解不足:

    プロセス全体を総合的に理解せず、部分的な改善にとどまると、プロセス全体の課題や機会を見逃す可能性があります。

    以上のように、業務プロセスが上手く行かない原因はいくつか考えられますが、社内だけで原因を探すのは難しいかもしれません。第三者の視点を取り入れてみると、より早く的確に原因を発見し、改善へと向かうこともあります。第三者の視点を取り入れたい場合は、ぜひH&K にご相談ください。

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    6.まとめ

    Business person looking for new idea with grey copy space

    この記事では、「業務プロセス改善」についての概要・手順などを解説してきました。以下に重要なポイントをもう一度示します。

    ・業務プロセス改善:

    組織や企業が業務の効率化やコスト削減を達成するために、既存の業務手順や工程を見直し、再設計する重要な取り組み

    ・業務プロセス改善の手順:

    ①現状の業務プロセスの明確化

    ②改善点の明確化

    ③改善点の優先順位付け

    ④改善策実行

    業務プロセス改善では、試行錯誤を重ねることによって業務プロセスがより効率化されていきます。業務プロセス改善を満足に行うためには、社内だけでは時間やコストがかかる場合もあるかもしれません。H&Kでは業務プロセス改善のサポートを行っています。業務プロセス改善のご相談はぜひH&Kまでお問い合わせください。

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    安藤 弘樹(Koki Ando)
    株式会社H&K 代表取締役 CEO
    20代前半から事業を展開し、バイアウト。
    その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。
    広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。