この記事では、ブランド拡張について説明します。ブランド拡張とは、ブランドエクステンションとも言われ、どのようにブランドを広げていくのかについての考え方です。ブランド戦略において、ブランド拡張を行うメリットやデメリット、行うにあたっての判断基準のを押さえて、ブランドの拡張について正しく判断できることが大切です。
このブログのライティング者

安藤 弘樹(Koki Ando)
株式会社H&K 代表取締役
株式会社H&K 代表取締役CEO
20代前半から事業を展開し、バイアウト。その後、30年続くイベント会社で最年少でセールス・マーケの責任者。広告代理店で取締役CMOを経験。H&Kを創業。
@KOK1ANDO Youtube
目次
1.ブランド拡張とは
2.ブランド拡張の難しさ
3.ブランド拡張をするかどうかの判断基準
1.ブランド拡張とは
ブランド拡張とは、ある商品で確立されたブランド名を利用して、新しいカテゴリーで新商品を出すことです。
例えば、ファッションブランドで考えると、シャツ・スラックス・ブーツといったアイテムを販売しているブランドが、「ブランドエ拡張」をするとすると、家具、インテリアなどの新商品を出すことです。
実際に、様々な商品を取り扱っているブランドを見かけてことがあるのではないでしょうか。
ここで確認しておきたいのは、ブランド拡張とブランドの既存のカテゴリーで新商品を出すこととは同義ではないということです。
ブランドの既存のカテゴリーで新商品を出すことは、「ラインエクステンション」といいます。
例えば、先程のファッションブランドの例を今回も使って考えると、シャツ・スラックス・デニムといったアイテムを販売しているブランドが、アクセサリー・ブーツなどの新商品を出すことです。
ブランド拡張のメリットは、
- ・低コストで認知とイメージ獲得
- ・新発売のリスク低減
- ・消費者の好意が獲得しやすい
- ・既存のブランド価値の向上
- ・新たな顧客層の獲得
などがあります。
2.ブランド拡張の難しさ
ブランド拡張には先程説明したとおり、低コストで認知とイメージ獲得・新発売のリスク低減・消費者の好意が獲得しやすいといった多くのメリットがあります。
しかし、メリットだけではなく、デメリットもあります。
「安い」というイメージがあるブランドが、「高級路線」の商品を出したときに、消費者のなかで矛盾が生じて、ブランドイメージが下がり、ブランド価値を損ないかねません。
ブランド拡張に失敗すると、「新商品が売れないだけではなく、既存のブランド価値を損なう可能性」があるということです。
また、ブランド拡張の失敗によりカニバリゼーションが発生する可能性もあります。
カニバリゼーションとは、共喰いを意味し、マーケット上では、自社内の新商品の導入によって既存の商品の売上や顧客を奪い合う減少や新規チャンネルが既存チャンネルを侵食することを意味します。
ブランド戦略を構築することは非常に難しく、価値のあるものです。ですので、既存のブランド価値を損なう事態は避けるべきです。そのためには、ブランド拡張を行う前に慎重に検討する必要があります。
3.ブランド拡張をするかどうかの判断基準
ブランド拡張には、新商品が売れないだけではなく、既存のブランド価値を損なう可能性という大きなリスクを伴うがゆえに、実際に行うかどうかの判断基準に沿って慎重に検討する必要があります。
- ・そのブランド名を新しい商品カテゴリーに使うことに、消費者は違和感を持たないか
- ・新しい商品カテゴリーへのブランド拡張は、既存ブランドを強化するもしくは悪影響がないか
- ・新しい商品カテゴリーへのブランド拡張によって、他の商品カテゴリーへのブランド拡張の機会を損なっていないか
という3つの判断基準です。
つまり、ブランド拡張を行うことによる既存ブランドへの影響をしっかりと考える必要があるということです。
まとめ
この記事では、ブランド拡張について説明しました。ブランド拡張のメリットやデメリットが理解できたかと思います。それを踏まえて、実際にブランド拡張を行う際には、ブランド拡張を行うことによる既存ブランドへの影響をしっかりと加味することが、ブランド拡張を成功させる秘訣と言えます。