ITやWeb関連の仕事をしていると「API」という単語を聞くことがあります。
最近では、特にエンジニアで頻繁に使われている言葉です。
ですが、用語は知っていても詳しい意味や仕組みはわからないということはよくあります。
そこで、この記事では「そもそもAPIとなんだろう?」という方から、「APIの仕組みやメリット・デメリットを知りたい」という方々へ向けて、0から徹底解説していきます!
本文を読み終えた後、「API」について理解していること間違いなしです。
\API連携のご相談はこちら/
1.そもそもAPIとは?
APIとは(Application Programming Interface)を略したIT用語のことです。
それぞれの用語の意味としては以下の通りになります。
・Application (アプリケーション): 目的を達成するためのプログラム
・Programming (プログラミング): プログラムをつくること
・Interface(インターフェイス): 異なるものをつなぐ接点
簡単に訳すと、アプリケーションやプログラム、システムをつなぐインターフェースという意味になります。
APIは、自身の使っているアプリやシステムを外部に公開することで、第三者の開発したシステムと昨日を共有させてくれるものです。これにより、自分で開発しなくても多種多様な機能やサービスを使用できるようになります。具体的には、届いたメールに情報を自動で一覧化できたり、片方のデータをもう一方のソフトウェアで解析したりなどが可能になります。
引用元:amazon API管理
もう少し詳しい事例が観たい方はこちらから!
IT・DX化が進んでいる現在では、1社が使用しているアプリ数は年々増加しています。
そこでソフトウェアやアプリをAPIで連携することで、機能の拡張や管理がしやすくなり業務の効率化が図れます。
1-1.APIの仕組み
ここではAPIの仕組みについて説明していきます!
他のサイトではAPIを色々な例え方で表していますが、ここではAPI=通訳アプリだと思ってください。
私たちが普段会話しているように、システムやアプリにも”言語”が存在しています。
例えば、日本語の話せない人に日本語で話しかけても伝わらないように、1つのシステムから違う言語で他のシステムに話しかけても伝わりません。
そこで登場するのがAPIです。APIが翻訳アプリになることで本来わからない言葉も伝わるように変換してくれます。
もう一つAPIには役割があります。それは、言語の「判断」をしています。
APIには開発者によって定められたルールがあります。このルール内でしか利用者はサービスを使用できません。
例えば、APIが「日本語」しか理解できないとすると、英語で話しかけられても(リクエスト)返信(レスポンス)を返してくれません。これはルールの範囲外であるためです。
このように、どのリクエストがシステムのやり取りに適しているかを判断してくれます。
1-2.APIの種類
APIにはいくつかの種類があるためご紹介していきます。
1-2-1.Web API
一つ目は「Web API」です。これは、インターネット上で情報をやり取りするAPIのことをいいます。
Web APIはHTTPやHTTPSなどのプロトコルを利用し実現されます。
Web APIという言葉を知らなくても、私たちは普段からこの技術を利用しています。
例えば、マップアプリに目的地までのルートを表示させたり、家計簿アプリから銀行口座の入出金の照会ができることです。
Web APIの中でもデータ形式によって、現代で主流となっているREST(ful) APIやSOAPなど細かく分けられているので利用者に合ったAPIが見つかります。
1-2-2.OSから提供されているAPI
続いてご紹介するのは、OSから提供されているAPIです。
こちらは、OS上でプログラミングができるように設計されているものを指します。Windows APIであればWindows上で動いているAPIのことです。近年は開発者がOSから提供されているAPIを使いやすいようなアプリケーションなども開発されてきています。
1-2-3.ランタイムから提供されているAPI
最後にランタイムから提供されているAPIについてご紹介します。
ランタイムとは、プログラミング言語を動かすための環境の事です。
プログラミング言語によっては、開発をスムーズに進めるための機能がAPIとして実装されている場合もあります。
なので、コーディングを勉強する際にもAPIについては理解しておいた方が良いでしょう。
\API連携についてのご相談はこちら/
2.API連携によるメリット
API連携を行うことで得られるメリットは沢山あります。
ここでは、4つのメリットについてご説明します。
2-1.業務効率化
API連携を用いることで、顧客情報や営業などのデータベースへの記入や、処理作業の自動化が行えます。
また、開発したい機能がAPIに公開されていれば始めからコードを書く必要性が無くなる為、開発にかかる工数を減らし業務の効率化が図れます。API提供元のデータを二次活用できる点でも、収集する時間がかからないためメリットがあると言えます。
さらに、多くのAPIは無料で利用することができるためコストの削減にもつながります。ツールやサービスも豊富にあるため大幅に生産性が向上します。
2-2.セキュリティの向上
APIを利用することでセキュリティの向上にも繋がります。
通常であれば、自社で顧客情報などを管理する際に高いセキュリティレベルを誇るシステムを構築しなければなりません。ですが、TwitterやFacebookといったアプリのAPIキーを取得することで、開発することなく世界水準のセキュリティシステムを導入できます。
自社のリソースが間に合っていないときなどに使用するのも有りなので、時と場合によって使い分けを行うのがオススメです。
2-3.ユーザビリティの向上
3つ目としてユーザビリティの向上が挙げられます。
これを読んでいる方で、新しいWebサービスを使う際に新規登録せずGoogleアカウントでログインをしたことがある方がいるかと思います。他にもFacebookのアカウントでInstagramが利用できるなどもAPI連携によるものです。
面倒な手順が省かれ、感覚的な操作を可能にするためCV率の向上も見込めます。
API連携についてもう少し詳しく知りたい方はこちらから!
3.API連携によるデメリット
上手く活用すれば沢山のメリットがあるAPIですが、知っておかなければならないデメリットも存在します。
活用前から知っておくことで立てられる対策もあるので、ここで確認しておきます。
3-1.API提供元に左右される
APIを提供している側に何かしらの問題が発生すると、今まで活用していたサービスが止まってしまうことがあります。この際に自社業務の全てがAPIだけに依存していると、同じくシステムが停止してしまうため、核となる技術はしっかりと保持しておく事が必要になります。
3-2.サーバ不具合に影響される
2つ目として、サーバー障害に弱いという欠点があります。
APIは提供側のサーバーを介してデータをやり取りしているので、問題が発生すると正しくデータを受け取れないなどの不具合が考えられます。
こういった場合に備え、対処法を考えておくことが重要です。
4.オススメなWeb API
APIは様々な形で提供されています、そんな中でオススメなのが「Web API」です。
本来APIは、利用者の使用しているプログラミング言語と同じ言語で提供されますが、Web APIはhttpやhttpsを利用するため、言語の異なるアプリ同士も連携することが可能なため汎用性が高いと言えます。
また、AmazonやGoogleといったトップレベルの企業などから無料で提供されているため、自社のニーズを満たすAPIを見つけることができます。
世界トップシェアのWeb APIの記事はこちらから!
4-1.Web APIの使用方法
画像 AppMaster
1.希望するAPIに登録する
自社の課題を解決することのできるAPIを選定し、Webサイト上でメールアドレスなどを登録します。
2.APIキー・シークレットキーを取得する
APIキーとは利用者のIDに当たるものです。ここで取得したAPIキーをサイトやサービスに登録します。
シークレットキーとは、ソフトウェアを使用するためのパスワードに相当します。
両者とも自身にのみ割り振られたものであるので、セキュリティを保つために外部に漏洩しないよう十分に注意が必要です。
3.APIの実装を行う
Web APIには実装するための手順が示されているリファレンス(説明書)が存在している場合がほとんどです。
そちらの手順に則り実装を行います。
\API連携についてのご相談はこちら/
4-2.生産性を向上させるWeb API一覧
4-2-1.HubSpot API
HubSpot APIはCRMツールである「HubSpot」と他サービスを連携させることで一元管理が可能になるAPIです。スコアリングから会計業務まで幅広く展開することが可能です。次章では、実際に提供しているサービスについてまとめています。
4-2-2.Microsoft Graph
こちらは、Microsoft Cloudサービスにアクセスすることで、情報の検索・更新ができるWeb APIです。例えば、カレンダーやデバイス情報、チャットなどにアクセスすることができます。
4-2-3.Slack API
Slack APIはチャットツールである「Slack」を操作することのできるAPIです。
メッセージの送信をはじめ、グループの作成・変更や絵文字リアクションのアップロードなども可能になります。
4-2-4.GitHub API
GitHub APIはバージョン管理ツールである「GitHub」の情報を取得・編集できるAPIです。
例として次のようなものが挙げられます。
・Notificationsやfeedsの取得
・Gistの生成・取得・更新・削除
・Repositoryの作成・取得・更新・削除
などが可能になります。
他にもAmazon、FacebookやGoogleなどのWeb APIがあります。
4-3.Web APIを使用する際の注意点
Web APIを使用する際に、
・APIキー
・APIシークレットキー
というものが登場します。
これらの情報が悪意ある第三者に漏洩してしまった場合、データを書き換えられたり、機密情報を盗まれてしまう可能性もあります。 特に金銭のやり取りが発生している場合は出金されてしまう場合もあります。
こういった場合を防ぐためにも、
・APIキー、シークレットキーは厳重に管理する。
・出金や送金権限を選択しない
・他のサービスと同じキー、シークレットキーの組み合わせをしない
といったことが重要になります。
5.株式会社H&KでのAPI事例
最後に弊社でのAPIの事例をいくつかご紹介します。
電子契約サービス、クラウドサインとHubspotのAPI連携で、クラウドサインの書類ステータスをHubsopotに同期し、業務の効率化を実現。
-
商談管理と合わせて、契約のステータス管理を毎回手作業で行うのが面倒
-
契約のステータス更新がリアルタイムで行われていないため、最新情報がわからない
-
などの課題解決を実現。
6.まとめ
今回の記事ではAPIとは?について取り上げました。
APIは普段の業務を大幅に効率化できる便利なツールですが、ただ導入すればよいというわけではありません。
・導入の目的をはっきりとする
・導入後のワークフローを具体化する
・自社のニーズを満たすAPIを見つける
株式会社H&KではAPIの構想設定から導入や運用までサポートさせて頂きますので、ご相談などありましたらお気軽にご相談ください。
\API連携についてのご相談はこちら/