DX認定とは?取得メリット・申請要件・手続きの流れを解説

DX認定の取得メリットや申請の流れを示すタイトルと、ノートパソコン・DX認定プレートのイラスト

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DX認定という言葉は聞くけれど、具体的にどんなメリットがあるのか、申請のハードルは高いのか、といった疑問をお持ちではないでしょうか。

この記事を読めば、自社がDX認定を取得すべきかどうかを判断し、取得に向けて「何が必要か(要件)」「どう進めるか(申請フロー)」「何が得られるか(メリット)」を社内に説明できるようになります。

DX認定取得に向けた手続きや全体の流れを把握し、自社のDX推進にお役立てください。

この記事でわかること

  • DX認定制度の概要と対象事業者
  • 取得メリットと、公的支援を確認する際の注意点
  • 認定要件と申請手続きの進め方
  • 認定後の更新や外部支援の判断基準

DX認定制度の基本概要

DX認定制度とは、経済産業省が定める「情報処理の促進に関する法律」に基づき、国が策定した「デジタルガバナンス・コード」の基本要件を満たす事業者を認定する公的な制度です。

この制度は、企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する準備が整っている状態(DX-Ready)であることを国が証明するもので、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がDX認定事業の事務局として審査を行っています。

DX認定制度は、企業のDX推進を後押しする目的で創設されました。

経済産業省がDX認定制度を推進する背景

経済産業省の目的は、日本企業全体のDXを促進し、国際競争力を強化することにあります。

多くの企業が直面している「2025年の崖」と呼ばれる、既存システムの老朽化・複雑化といった課題を克服し、変化の激しいビジネス環境に対応するためには、経営層が主導する全社的な変革が不可欠です。

そこで国がDX推進の指針を示し、基準を満たす企業を認定することで、各社の自主的な取り組みを後押しする狙いがあります。

DX検定をはじめとする類似資格における相違点

DX認定と混同されやすいものに「DX検定」がありますが、両者は根本的に内容が異なります。

DX認定は、企業や団体などの「組織」を対象に、DX推進の準備が整っているかを国が認定する「制度」です。

一方、DX検定は、ビジネスパーソン「個人」を対象に、DXに関する知識やスキルレベルを測定するための「資格」試験です。

組織の体制を評価するのがDX認定、個人の知識を問うのがDX検定と覚えておくとよいでしょう。

DX銘柄やDXセレクションにおける制度上の位置づけ

DX認定は、DXに関する表彰制度の基礎的な位置づけにあります。

DX認定を取得した企業の中から、特に優れた取り組みを行っている上場企業が「DX銘柄」として選定されます。

同様に、中堅・中小企業などを対象とした「DXセレクション」も、DX認定取得が応募の前提条件です。

つまり、DX認定はDX推進の準備が整った「DX-Ready」レベルの証明であり、DX銘柄やDXセレクションは、その先の先進的な取り組みを実践している企業を表彰する、より上位の制度と整理できます。

DX認定を取得できる対象事業者の範囲

DX認定の対象は、法人(会社以外の公益法人などを含む)および個人事業主です。特定の業種や企業規模だけに限定される制度ではありません。申請にあたっては、自社が対象となるかを最新の申請要項で確認してください。

DX認定を取得する企業の主なメリット

DX認定を取得するメリットは、税制優遇や金融支援といった直接的な恩恵から、企業イメージの向上まで多岐にわたります。

これらのメリットは、DX推進の取り組みを社内外に示す客観的な証となり、事業活動を有利に進める上で役立ちます。

多くのメリットがある一方、認定を目指す上ではいくつかの注意点も存在します。

公的支援制度は個別の適用条件を確認する

DX認定を取得したことだけで、税制優遇が自動的に適用されるわけではありません。DX投資促進税制は2025年3月31日をもって廃止されています。過去に計画認定を受けた事業者には、計画終了まで報告が必要な場合があります。設備投資に関する税制措置を検討する場合は、現行制度と適用条件を所管機関の公式情報で確認してください。

金融機関などの支援制度を確認する

DX認定事業者が利用できる金融支援の有無や条件は、制度・金融機関・事業者の属性によって異なります。融資や信用保証に関する支援を検討する場合は、認定取得のみで利用が確約されると考えず、日本政策金融公庫や信用保証協会などの公式情報で対象要件、資金使途、審査条件を確認しましょう。

補助金の申請要件・加点条件は制度ごとに異なる

補助金によっては、DX認定やセキュリティ対策に関する取り組みが申請要件・加点条件となる場合があります。ただし、対象制度や条件は公募回ごとに異なり、DX認定事業者であれば一律に加点されるわけではありません。申請を検討する際は、該当する補助金の最新の公募要領を確認してください。

対外的な情報発信による企業価値の向上

DX認定事業者は、所定のルールに従って認定ロゴマークを活用できます。自社サイトや営業資料などで認定を紹介する際は、利用条件やロゴデータの最新の案内を確認しましょう。認定取得はDX推進に向けた取り組みを伝える材料になりますが、それだけで企業の信頼性や採用成果が保証されるものではありません。

DX認定を目指す際に留意すべき注意点

DX認定は多くのメリットがある一方で、申請準備や認定後の運用においていくつかの問題や課題が生じる可能性も考慮しておく必要があります。

特に、社内体制の構築に伴う負担や、認定取得そのものが目的化してしまうリスクには注意が必要です。

これらの注意点を踏まえた上で、認定取得には定められた要件を満たす必要があります。

社内体制の構築に伴う担当者の業務負担

DX認定の申請には、経営ビジョンや戦略の策定が必須であり、経営層の深い関与が求められます。

これに伴い、DX推進担当者は、経営層と現場の各部署との間で意見調整や情報収集に奔走することになり、業務負担が増大する可能性があります。

また、社内にDXに関する知見を持つ人財が不足している場合、体制を構築すること自体が大きな課題となることも少なくありません。

DX認定の取得自体が目的化してしまうリスク

最も注意すべきは、DX認定を取得すること自体が目的になってしまうリスクです。

認定は、あくまで企業のDXを推進し、競争力を高めるための手段の一つにすぎません。

本来の目的である「事業変革を通じて新たな価値を創造すること」を見失い、書類上の要件を整えることだけに終始してしまうと、認定取得後にDXの取り組みが形骸化してしまう恐れがあります。

DX認定を取得するために必要な申請要件

DX認定を取得するためには、経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」の全ての項目に対応していることが基本的な要件となります。

これには、経営ビジョンの策定と社外への公表、DX戦略の立案、サイバーセキュリティ対策の実施などが含まれます。

これらの要件を満たしたら、具体的な申請手続きのステップに進みます。

デジタルガバナンス・コードへの適合基準

認定基準は、デジタルガバナンス・コードに対応した法令上の基準に基づきます。申請では、経営ビジョン、DX戦略、戦略を支える体制・指標、ガバナンス、サイバーセキュリティ対策など、申請要項に示された設問ごとに自社の取り組みを説明します。項目の構成や表現は改訂されるため、最新の申請要項を参照してください。

経営ビジョンやDX戦略の社外公表義務

DX認定の重要な要件として、自社が策定した経営ビジョンやDX戦略を、公式ホームページなどを通じて社外に公表することが義務付けられています。

これは、企業のDXに対する姿勢や取り組みの透明性を確保し、株主や顧客、取引先といったステークホルダーに対して、そのコミットメントを明確に示すことを目的としています。

公表された内容が申請内容と一致している必要があります。

申請書作成において発生しやすい不備の傾向

申請でつまずかないためには、よくある不備を事前に把握しておくことが重要です。

審査機関であるIPAによると、「経営ビジョンが抽象的で具体性に欠ける」「策定した戦略と導入するITシステムの関連性が不明確」「サイバーセキュリティ対策の記述が『対策を実施している』のみで具体的な内容に乏しい」といった不備が多く見られます。

第三者が見ても理解できるよう、具体的かつ論理的に記述することが求められます。

DX認定の申請手続き|準備から認定まで

DX認定の申請手続きは、全てオンラインで完結します。

大まかな流れとしては、認定基準の確認から始まり、経営戦略の策定・公表、申請用アカウントの取得、申請書の入力・提出、そして認定というスケジュールで進みます。

この一連の手続きを計画的に進めることが、スムーズな認定取得の鍵となります。

無事に認定された後も、その資格を維持するための手続きが必要です。

ステップ1:デジタルガバナンス・コードの項目を確認する

最初のステップは、認定基準である「デジタルガバナンス・コード」の内容を正確に理解し、自社の現状と照らし合わせて対応状況を確認することです。

IPAのウェブサイトで公開されている自己診断ツールなどを活用し、各項目に対して自社がどの程度満たせているか、また何が不足しているかを客観的に評価します。

ステップ2:経営戦略を策定してWebサイト等で公表する

ステップ1での現状分析を踏まえ、経営ビジョンやDX戦略を策定または見直します。

その際、デジタル技術をどのように活用してビジネスモデルを変革するのかを具体的に盛り込むことが重要です。

策定した戦略は、申請要件の一つであるため、必ず自社の公式ホームページなどの媒体を通じて社外に公表します。

ステップ3:GビズIDプライムのアカウントを取得する

DX認定の申請は、DX推進ポータルのウェブフォームから行います。申請にはGビズIDが必要です。利用するアカウント種別や準備書類、申請画面の手順は変更される可能性があるため、申請時点のIPA公式ガイダンスを確認してください。

ステップ4:DX推進ポータルで申請書の設問事項を入力する

GビズIDでDX推進ポータルにログイン後、Web上の申請フォームに必要事項を入力していきます。

申請書の設問はデジタルガバナンス・コードの項目に沿って構成されており、自社のDX戦略や体制、成果指標などを具体的に記述します。

入力内容は一時保存が可能なため、事前に回答内容を文書ファイルなどで準備しておくとスムーズです。

ステップ5:認定申請書をオンラインで提出する

全ての設問への入力と、必要書類(定款や財務諸表など)のアップロードが完了したら、DX推進ポータル上で申請書を提出します。

提出された申請内容は、DX認定制度の審査事務局であるIPA(独立行政法人情報処理推進機構)によって審査されます。

申請内容に不備があると、事務局から修正依頼の連絡が入ります。

ステップ6:認定通知を受領して事業者一覧への公表を確認する

IPAによる審査を無事通過すると、認定通知が届きます。

その後、DX推進ポータルサイト内の「認定事業者一覧」に自社の名前が掲載されます。

この公表をもって、正式にDX認定事業者として対外的に認められたことになります。

2026年9月時点で、認定事業者数は全国で増加傾向にあり、企業のDXへの関心の高さがうかがえます。

認定取得後に企業が対応すべき維持管理の手続き

DX認定は一度取得すれば永続的に有効なわけではなく、その資格を維持するためには定期的な手続きが必要です。

認定の有効期限は2年間と定められており、更新申請を怠ると失効してしまいます。

また、登録情報に変更があった場合も速やかな届出が求められます。

こうした一連の手続きを自社で行うか、外部の支援を得るか判断に迷うケースもあるでしょう。

2年ごとの認定更新に向けた定期的な申請

DX認定の有効期間は認定日から2年間です。

認定を維持するためには、有効期間が満了する前に更新の手続きを行う必要があります。

この更新申請(再申請)では、初回申請時からのDX推進の進捗状況や成果を報告することが求められます。

DXの取り組みは継続的なものであるため、2年間の活動実績を整理し、次のステップに向けた計画を示すことが重要です。

登録情報に変更が生じた場合の届出手続き

認定取得後に、法人の名称、本社の所在地、代表者の氏名といった登録情報に変更が生じた場合は、速やかに変更届を提出する手続きが必要です。

変更届は、DX推進ポータルからオンラインで提出します。

登録情報の正確性を保つことは、認定事業者としての信頼性を維持する上で重要な義務となります。

自社単独での申請か外部支援の活用かを判断する基準

DX認定の申請準備を自社だけで行うか、専門のコンサルティング会社などの外部支援を活用するかは、企業の状況によって判断が分かれます。

社内のリソースやDXに関する知見、申請にかけられる時間などを総合的に勘案し、最適な方法を選択することが重要です。

外部支援を活用すると決めた場合、どのような基準で支援会社を選べばよいのでしょうか。

自社リソースのみで申請準備を進められるケース

以下のような特徴を持つ企業や会社は、自社リソースのみで申請準備を進められる可能性が高いです。

  • 既に経営層の主導でDX戦略が明確に策定され、社内で共有されている。
  • 申請業務を専任で担当できる人材や部署が存在する。
  • デジタルガバナンス・コードの内容を理解し、自社の取り組みを言語化できる知見がある。
  • 申請に必要な情報を各部署からスムーズに収集できる連携体制が整っている。

専門会社への相談を検討すべきケース

一方で、以下のような状況にある場合は、専門会社への相談を検討することが有効な選択肢となります。

  • 「何から手をつけていいか分からない」と、DX戦略の策定段階で悩んでいる。
  • 通常業務が多忙で、申請準備に十分な時間を割ける担当者がいない。
  • DX認定の要件は理解できるが、それを申請書に落とし込む文章作成に不安がある。
  • 過去に申請して不備を指摘された経験があり、専門的な視点でのレビューを受けたい。

外部の支援会社を選定する際の確認ポイント

外部支援の活用を決めた場合、信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。

支援会社を選定する際は、単に申請書類の作成を代行するだけでなく、自社のDX推進に真に貢献してくれるかという視点が重要です。

具体的には、DX認定に関する支援実績の豊富さ、自社の業界への理解度、どこまでの範囲をサポートしてくれるかの明確さ、そして費用の妥当性を複数の会社で比較検討するとよいでしょう。

DX認定の申請や取得に関するよくある質問

ここでは、DX認定の申請や取得について、企業担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

IPAは新規申請の標準処理期間を60営業日と案内しています。申請内容の不備への対応や申請状況によって、認定までの期間は延びる場合があります。申請前にIPAの最新FAQと期間案内を確認し、余裕を持って準備してください。

標準的な審査期間は、申請が受理されてから約60営業日(およそ3ヶ月)です。

ただし、これは申請内容に不備がない場合です。

もし申請書の内容に不明確な点や不足があり、審査事務局から修正を求められた場合は、その対応に要する時間だけ期間が長引くことになります。

DX認定の申請には手数料などの費用がかかる?

DX認定の申請自体に、国や審査機関であるIPAへ支払う審査手数料などの費用は一切かかりません。

無料で申請することが可能です。

ただし、申請準備のためにコンサルティング会社などの外部専門家にサポートを依頼した場合は、そのコンサルティング費用が別途発生します。

DX認定の取得難易度は?

取得の難易度は、企業の準備状況によって異なります。認定はDX推進に向けた体制や取り組みの公表状況などを確認するもので、単純に企業規模だけで判断できません。特に申請要件やセキュリティ対策の要件を最新の申請要項で確認し、自社の状況を整理しましょう。

まとめ

DX認定は、企業などがデジタル技術による事業変革に向けた準備を整えていることを認定する制度です。取得を検討する際は、制度の要件や公的支援の適用条件を確認したうえで、自社のDX推進に役立つかを判断しましょう。申請では、経営ビジョンやDX戦略、体制、セキュリティ対策などを整理し、社外公表と申請内容の整合性を確認することが重要です。

認定取得自体を目的とせず、自社の事業変革に向けた一つの手段として、計画的に準備を進めてください。

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